今年も残りわずかになりましたね。年末といえば、何より面倒な大掃除ですが、「手早く効率的に済ませたい」と思っている家庭がほとんどのはず!
そこで今回は、ハウスクリーニングサービス「ブリエ ライフ サポート」代表で、ハウスクリーニング士の資格を持つ宮崎圭司さんに、大掃除を1日で終わらせる便利なコツを聞きました。
【基本その1】早く終わらせるには「同時進行」!

大掃除を手早く終わらせる基本は「同時進行」です。
簡単な拭き掃除で終わる場所もあれば、汚れを落とすのに時間がかかる場所もありますよね。浴室のカビや、レンジフードの油汚れなど時間がかかる掃除の場合、集中してゴシゴシ汚れを落とすよりも、まずは「つけ置き」です。
洗剤につけ置きして、その間にほかの部分の掃除を進めると、時間の短縮になるだけでなく、しつこい汚れを手早く落とすことができます。
とはいえ、ただ「つけ置き」をすれば良いというものではありません! つけ置きの効果が高まるコツがあるそうなので紹介します。
ポイント(1)浴室のカビ落としには「キッチンペーパー」!?

浴室のカビ落としをする際には、カビ除去用の洗剤を塗布しただけでは洗剤が揮発(気体となって蒸発)してしまい、十分な効果が得られません。そこで揮発防止のために、洗剤をつけた上にキッチンペーパーやラップでカバーすると効果がアップします。
カビの程度が軽ければ数分程度でも大丈夫ですが、通常10分以上を目安にすると効果的です。
ポイント(2)油汚れは「60度のお湯」が好相性!?
キッチンのレンジフードに代表される油汚れをつけ置きする場合には、60度程度のお湯に洗剤を溶かし、その中につけると効果が高まります。油汚れの場合もカビと同様に、つけ置き時間の目安は10分以上です。
【基本その2】汚れのタイプによって洗剤を上手に使い分ける!

汚れを落とすスピードがアップすれば、大掃除の時間はグンと短縮できます。
そのためには、汚れの性質によって上手に洗剤を使い分けるのもポイントです。洗剤には「アルカリ性洗剤」と「酸性洗剤」があります。製品の裏ラベルに記載されているので、見たことがある人も多いと思いますが、違いを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。それぞれの特長を覚えておきましょう。
(1)アルカリ性洗剤
【どんな洗剤?】
油脂・タンパク質・炭水化物による汚れに有効。塩素系漂白剤もアルカリ性洗剤の一種
【どんな汚れに効く?】
キッチンの油汚れ、お風呂の皮脂汚れなど
【使用上の注意点は?】
肌に必要な油分も落としてしまう場合があるので、使用時にはゴム手袋などで肌荒れを防止するのがおすすめ
(2)酸性洗剤
【どんな洗剤?】
水垢・尿石・サビによる汚れに有効
【どんな汚れに効く?】
便器の黒ずみ、水回りについた水垢
【使用上の注意点は?】
有毒なガスが発生する危険があるので、塩素系漂白剤と絶対に一緒に使用しないこと
キッチンの掃除をする場合、キッチン用と謳われている洗剤1本で済ませてしまいがちですが、レンジ周りのように油汚れがメインの場所にはアルカリ性洗剤を、そしてシンク周りのように水垢がメインの場所には酸性洗剤を使うなど、掃除の場所ではなく、汚れ別に上手に洗剤を使い分けるだけでも、掃除の時間をグンと短縮できます。
【基本その3】「掃除場所の順番」を明確にして二度手間を防ぐ

効率的に掃除するためには、掃除をする順番も大切です。
掃除には基本動作があり、「上から下に 奥から手前に」が鉄則です。2階建ての一軒家であれば2階から玄関に向かって、マンションなどの場合は奥の部屋から玄関に向かって掃除します。
また、部屋の中も同様で、照明の傘といった高い場所から始める、押入れなど部屋の奥まった部分から始めることで、掃除の2度手間を防ぐことができます。
掃除をする際の「場所別ワンポイントアドバイス」を紹介します。
キッチン掃除のコツ

キッチンの掃除でつけ置き洗いをするには、シンクに水を張ってその中に洗剤を入れて漬け込んでしまうと便利です。60度程度のお湯にアルカリ性の洗剤を入れ、ガスレンジの五徳や換気扇の羽など、しつこい油汚れがついたものをまとめてつけ置きします。つけ置きしている間にガスレンジ周りの壁や電子レンジの中、冷蔵庫などキッチン全体の掃除などを済ませます。
水回りの水垢汚れには、クエン酸が配合された洗剤を吹き付けましょう。ステンレスであれば、歯ブラシなどを使って汚れを削るように落とすときれいに仕上がりますよ。
冷蔵庫の掃除のコツ
冷蔵庫の掃除をこの際徹底してやっておきたい! という場合には、まずは安全のために電源プラグをはずします。外せる部品は全部外して食器用洗剤などで水洗いします。
冷蔵庫は食品を入れる場所だけに、とくに小さな子どものいる家庭ではあまり洗剤を使いたくない場所ですが、もし庫内の油汚れがひどい場合には、水100mlに重曹小さじ1杯を入れて混ぜた「重曹水」を吹き付けると汚れ落ちがよくなります。スプレーボトルなどに入れるとより便利ですよ。
仕上げに掃除用のアルコールスプレーを雑巾につけて拭き掃除をすれば、庫内の消毒にもなります。
浴室掃除のコツ

洗剤の特長でもお話しましたが、水垢には酸性洗剤、浴槽の皮脂汚れにはアルカリ性洗剤と、汚れに応じて洗剤を使い分けると汚れを落とす時間が短縮できます。
リビング・寝室・子ども部屋掃除のコツ
ホコリを舞い上がらせないように、高所用のノズルなどを使って掃除機で吸いながら拭き掃除を同時進行すると時間短縮になります。また、綿ぼこりなどの乾いた汚れには乾拭きが基本。乾いた汚れを水拭きすると、汚れを取り除くのに時間がかかってしまいます!
来年の参考に! 「大掃除で楽をするための心得」とは?
大掃除を楽にするための最良の方法は、ズバリ「毎日の一手間」です!

例えば、浴室の場合は、入浴後に100円ショップでも購入できる窓拭き用のワイパーで浴室の床や壁の水滴を落としておくだけでも、乾燥が早まり、カビ防止につながります。
また、11月に入ったら、今日は食器棚、明日は冷蔵庫というように、1日1カ所ずつ、無理のない範囲で掃除をしていくと、年末頃には家全体の掃除が自然と終わっているはずです。
とはいえ、忙しくてそんなことできないという家庭には、掃除をプロの手に委ねてみるのもおすすめ。一度徹底的に掃除をすることで、その後のメンテナンスが大幅に楽になるそうです。検討してみてはいかがでしょうか。
今年の汚れは今年のうちに! きれいに掃除をして、気持ちの良い新年をお迎えください。