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お米マイスターが伝授!ご飯(お米)の長所と美味しく食べるコツ

掲載日: 2015年6月22日更新日: 2015年6月22日水谷 映美
私たちは、普段当たり前のように白いご飯を食べています。でも、どうして日本人の主食が米になったのでしょうか? パンや麺類などと比べて何が違うの? そこで、お米のプロである「五ツ星お米マイスター」の資格を持つ小林健志さんに、お米について詳しく教えていただきました。

お米にはどんな栄養素が含まれているの?

小林さんがお持ちの「お米マイスター」とは、お米の品種特性や精米技術、的確な保存・保管方法、炊飯技術、さらにお米の栄養等に関する幅広い知識を持ち、特別な試験に合格した人だけが持つ資格。中でも最上級の「五ツ星」を持っている小林さんは、まさにお米博士! まずは、お米にはどんな栄養素が含まれているのか、聞いてみました。

お米には、炭水化物・水分・タンパク質・脂質・ビタミンやミネラルなどが含まれています。中でも炭水化物は三大栄養素のひとつで、体内でブドウ糖に分解されます。このブドウ糖こそ、体の中で特に重要な『脳のエネルギー源』なのです。また、タンパク質も血や身体の形成に必要な成分。さらには、ビタミンやミネラルも含まれているので、お米はとてもバランスの良い食材だといえます。」

炭水化物やタンパク質だけでなく、ビタミン、ミネラルまで含まれているとは意外です! まさに、成長期のお子さんにピッタリの万能食材ですね。

お米が日本人の主食になった理由

では、どうしてお米が日本人の主食として食べられるようになったのでしょうか?

「諸説ありますが、お米の発祥の地とされているのは、現在の中国南部だと言われています。そこから日本にお米が伝わってきたのですが、日本は暖かく雨が多い高温多湿の気候のため稲作に適していたこと、米は大量に収穫できて栄養価も高く、保存方法も簡単なことなどが、日本で稲作が根付いた理由と考えられています。」

ここで豆知識! 「銀シャリ」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、これってどんな意味かご存知ですか? 実は、炊きたての白いご飯が銀色に輝いて見えたことから、白いご飯のことをそう呼ぶようになったそうです。ちなみに一般の人が、現在のようなふっくらとした白いご飯を食べるようになったのは、江戸時代中期頃からだったそうですよ。

ちなみに、海外での主食はどんなものがあるのでしょうか?

「海外で主食として食べられているのは、イモ・トウモロコシ・麦などが代表的です。米とこれらの食材には実は共通点があるんですよ。いずれも、デンプン、つまり炭水化物を多く含んでいる食材です。どこの国でも、体の中で必要不可欠なブドウ糖を作るため、自然と炭水化物が多い食材を主食にしてきたのですね。」

白米ならではのメリットとは

最近は、朝食でパンを食べるという人も少なくないですが、お米を食べることのメリットはどんなものがあるのでしょうか。

「第一に、パンや麺類などの粉食に比べて、噛む回数が多いということですね。よく噛むことで脳への血流が良くなり、脳の発育の手助けになります。また、しっかり咀嚼することで唾液量も増えるので、虫歯が出来にくくなると言われています。さらには、噛み合わせが良くなりアゴが強くなることで、運動能力がアップするという研究結果もあるんですよ。」

よく噛むことが、脳の成長だけでなく、運動神経にまで影響するとは、驚きです!

「また、粉食に比べて消化吸収がゆるやかなので、食後の血糖値の上昇もゆっくりで、インスリン(酵素)の分泌も穏やかなため、とても腹持ちが良いです。運動会や遠足、お出かけなどの日には、ぜひお米を食べることをオススメします! パンよりも脂質が少なく、塩分も含まれていないので、実はダイエットにもピッタリの食材なんですよ。」

さらに、ほかほかのご飯を食べることで、体温が上昇し体が目覚めるのが早くなるので、朝食にお米を食べることは、一日の活動をスムーズに始めるのにとってもオススメなんだとか。いつも朝食はパン食だという人も、活動量の多い日には、ぜひご飯を朝食にしてみてくださいね。

お米を美味しく食べるコツ

ではここで、お米博士の小林さんから「お米をより美味しく食べるポイント」を教えてもらいました。

炊くときのポイント

一番始めのすすぎ水は、10秒以内で捨ててください。時間が経てば経つほど、ぬかやホコリなどに触った水がお米に吸収されてしまいます。なるべく手早く、を心がけてくださいね。またお米を研ぐときの力加減は、小学生くらいの子どもの力で。昔はゴシゴシと力強く研いでいたイメージがありますが、最近は精米技術が向上したおかげでヌカ層がしっかり取りきれているので、やさしく研ぐ程度で十分です。あまり強い力を入れ研ぐと米が割れてしまい、断面からデンプンが溶け出してしまいます。そうなると、炊きあがった時に粒が綺麗に立たず、溶け出したデンプンが糊状になって米同士がくっついてダンゴ状に。全体的にベタッとした炊きあがりになってしまうので要注意です。

お米が炊けたら

炊きあがったら、すぐに炊飯器の蓋を開けて、裏蓋や釜の縁についている水分を拭きとることがポイント。湯気や水滴となった水分は二度と蒸気に戻らないので、そのまま釜に落ち、釜の底のお米がべたつきやすくなってしまいます。水分を拭き取ったら、しゃもじで十字に切り、上下を入れ替えること。そして最後に、しゃもじで全体を切るようにご飯をほぐしてください。決して潰さないようにしてくださいね。これで、全体的に均一な炊きあがりになります。

保存方法

ラップや保存容器に移したら、温かいまま封をして冷凍庫へ。封をしないで冷めるのを待っていると、どんどんお米が乾燥していきます。その上、解凍するときにさらに水分が無くなるので、パサパサしたご飯になってしまいます。以上の点に注意して冷凍保存しておけば、いつでもレンジでチンするだけで、炊きたてと同じ美味しいご飯が食べられますよ!

ただし、温かいまま冷凍庫へ入れた時に、周囲の冷凍食材が気になるようなら、周りのものと少し離して置いたり、ステンレス製のトレーを下に敷くことで熱が分散して早く冷凍できるので、おすすめだそうです。

筆者も、教えてもらったポイントに注意してご飯を炊いてみたところ、いつもよりもぐっと美味しく炊きあがってビックリしました! ほんの少しの手間で、美味しいお米がいつでも食べられるので、ぜひ試してみてくださいね。

炊飯器での炊飯は包丁も火も使わない調理法ですので、小さな子どもにも安心して任せられます。まずはお米を研ぐことから、食育の一貫としてお子さんと一緒にチャレンジしてみてくださいね。自分で研いだお米を食べることで、子どもも満足できますし、食欲もアップするかもしれません。」と小林さん。

栄養面でも優れている白いご飯。脳と体にもとても良いので、活動量が多い日は特に、意識して白いご飯を食べるようにしたいですね!

お話を聞いたのは…

  • 小林健志さん

    明治18年創業、東京都浅草橋の米屋「吉田屋」の五代目。五ツ星お米マイスター・お米アドバイザーの資格を持ち、幅広い知識と経験から、一人一人にピッタリのお米をアドバイスしている。米の管理法にもこだわり、お客様の目の前で精米するなど、米の味を最大限に引き出してお届けすることを心がけており、丁寧でわかりやすい接客が好評。各メディアや小学校などでも出前授業を行い、より多くの人へお米の魅力を伝え続けている。

  • お米マイスター全国ネットワーク ホームページ
  • 吉田屋 ホームページ

ライター紹介

水谷 映美

1979年生まれ。出版社勤務、受付嬢、社長秘書を経て、現在はwebを中心にライターとして活動中。男・女・女の3児の母。気になることは何でも試してみないと気が済まない典型的B型女子。子育て世代のリアルな声を反映した記事を得意としている。

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