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プロ直伝100均おすすめ虫取りグッズ集 昆虫採集のコツ&服装も

掲載日: 2019年6月24日更新日: 2019年6月24日水谷 映美

春や夏になると、子供が野外で虫取りをしたがることってありますよね。とはいえ、慣れないママやパパにとっては、どんな道具が必要なのか、どうしたら捕まえられるのかわからず迷ってしまうこともあるはず。 

そこで今回は、未来の昆虫博士を増やすべく、子供たちに虫の面白さや虫取りの楽しさを伝える活動をしている「昆虫はかせネットワーク」の鈴木誠治さんに、100均ダイソーで揃うおすすめ虫取りグッズを教えてもらいました。

虫取りに行くときの服装・マナーは?

まずは昆虫採集や虫取りに行く前の準備として、どのような服装が良いのか教えてください。

「野外活動ができる服装が原則です。暑いからといって半袖半ズボンやサンダルではなく、必ず袖や裾が長い洋服とスニーカーを着用しましょう。虫刺されはもちろん、肌が露出していると植物に当たってケガをすることがあります。さらに、虫刺され用の薬を持っていると安心です」

昆虫採集のルールとして、守るべきマナーなどはありますか?

「虫を取る際のマナーは、主に次の5つです」

・「採集禁止」のエリアで虫取りをしない
・虫を取りすぎない
・植物などを傷つけない
・ゴミは持ち帰る
・土を掘るなどの仕掛けをしたら元通りにする

「虫取り網を振って数匹取るくらいであれば通常とがめられませんが、場所によっては虫取りを禁止したり採集方法を制限していることがあります。公園などで虫取りをする際は、『採集禁止』かどうかを必ず確認しましょう。わからない場合は、事務所などに問い合わせるといいですね」

罠を仕掛けて虫を取る場合は、必ずゴミを持ち帰り、土などを元通りにすることも忘れずに。虫だけでなく、植物なども傷つけないように注意しましょう」

「また、大量の虫を取って持ち帰るのもやめましょう。取りすぎて家で飼えなくなった場合は、家の近所で放すと国内外来種問題※になってしまいます。持ち帰るのは最小限にし、責任を持って最後まで飼う、それでも飼えないときは必ず採集した場所まで行って、元の環境に戻すことも大切なマナーです

自然や虫の生態系を壊さないように意識しながら、マナーを守って虫取りを楽しみたいですね。

※国内のほかの地域にいる生き物が、本来生息していない地域に持ち込まれた種のこと


ダイソーのおすすめ虫取りグッズ【基本編】

それでは、実際におすすめの虫取りアイテムを紹介します。ここでは、最初に揃えたい基本のアイテムを3つ挙げてもらいました。

伸縮 虫取りあみ

伸縮虫取りあみ(162円)

虫取りの必需品。ダイソーの150円商品であるこちらのタイプは、100円のものよりも網が大きく深さがあり、伸縮もするので、虫を捕まえやすいのが特徴です

「空中を飛んでいる虫を捕まえる場合は、進行方向から網を被せて取ります。木に止まっている虫を捕まえる場合は、網を虫の上から被せて上か下にずらせば、ビックリした虫が飛ぶので、そのまま網の口をふさげばOKです。枝や花にとまっている虫は、飛びそうであれば上から、ポトリと落ちそうであれば下に網を広げておけば簡単に採集できますよ

昆虫採集の導入として、おすすめの虫取り網です。本格的に虫取りを楽しみたいと思うようになったら、より網が深く、耐久性に優れた虫取り網へとステップアップしてみてくださいね。

飼育容器

飼育容器(小)(108円)

採取した虫を入れる飼育容器でおすすめなのがこちら。

「この容器には取っ手が付いているので持ち運びしやすく、上部の入り口も大きく出し入れがしやすい点がおすすめです。一般的な虫かごは、虫を取り出すときに虫の脚が網部分に引っかかってしまうこともありますが、この商品は容器の側面がなめらかなので、虫を傷つけずに取り出せます

そのまま家で飼うこともできるので便利ですね。

拡大鏡

折りたたみ式拡大鏡(108円)

小さな昆虫は観察しにくいので、拡大鏡があると便利です!

拡大鏡を使って観察すると、肉眼では見えなかった新しい発見があります。折りたためるタイプなら、野外に持っていくときでもレンズが傷つきにくいのでおすすめです。ポケットの中にひとつ入れておくといいでしょう」


ダイソーのおすすめ虫取りグッズ【アレンジ編】

100均には、虫取り専用のアイテムではないけれど、ちょっと工夫することで昆虫採集に使える便利なグッズがたくさんあります。ここからは、プロならではの活用アイデアを紹介します!

ビニール傘

EVA傘(162円)

ビニール傘は、虫を効率よく取るための便利アイテムに早変わり!

「木の枝や花を棒などで軽く叩いて、そこに隠れている虫を落として取る『ビーティング』という採集方法があります。そのときに使えるのがビニール傘です。傘を開いて逆さに持ち、落ちてきた虫を受け止めます。虫は黒っぽい色のものが多いので、虫の姿が見やすい白色の傘がおすすめ」

「カミキリムシやハムシ、ゾウムシ、コガネムシなど、想像以上にたくさんの虫たちが落ちてきます。クリやウツギ、ミズキなどの花や、葉っぱが何かに食べられた跡がある枝などを探すと、虫がたくさん落ちてくる可能性が高いですよ

クリアカップ

クリアカップ(275ml・14個入)108円

プラスチックカップを使って、土の中に落とし穴を作る「ピットフォールトラップ」で虫を捕まえます。

「やり方は簡単! 虫がいそうな場所の土の中に、クリアカップの口が地面と同じ高さになるまで埋めて置いておくだけ。カップが落とし穴になり、地面を歩いているオサムシやゴミムシ、ハサミムシなどの虫たちがポトンと落ちてきます。つるつるした素材なので、一度落ちた虫は滑ってなかなか出られません。カップの中にエサを入れると、虫の生態が観察できてさらに楽しいですよ」

なお、この方法で虫を取った場合は、必ず掘った土を元通りに埋めて、カップも持ち帰りましょう。

トレーシングペーパー

A4トレーシングペーパー(20枚入)(108円)

透かして模写するためのトレーシングペーパーは、蝶やトンボを捕まえたときに使えるアイテムです。

「捕まえた虫を何匹か同じ虫かごに入れると、暴れてお互いに傷をつけあってしまうことがあります。とくに、羽が薄い虫は暴れると羽がボロボロになってしまうことも。そんなときは、『三角紙(さんかくし)』という三角形に折りたたんだパラフィン紙に挟み込んで虫を持ち歩くのですが、トレーシングペーパーでも代用できます。適当な大きさに切って、つるつるの面が内側になるように三角に折って虫を包むと、羽が押さえられて傷つきません。外から中が見えるので、虫がどんな形をしているか観察するときにも便利です

セクションケース

セクションケース(18マス)(162円)

薄い羽の虫以外を持ち運ぶ際には、セクションケースがおすすめです。

仕切られた中に一匹ずつ虫を入れると、互いに傷つけ合うことなく虫を持ち運びできます。写真のような1マスが大きめのタイプは、カブトムシやクワガタなど大型の昆虫向け。仕切りを外せば、サイズも変えられるので便利です。小さな虫には、薬を入れるピルケースがおすすめです。1つずつ蓋がついているのでさらに使いやすいですよ」

なお、持ち運ぶだけなら半日くらいは問題ないですが、酸欠や乾燥を防ぐため、できるだけ早く飼育容器に移してあげてくださいね。


親子で虫取りを楽しもう!

100均のさまざまなアイテムを使って、虫取りが楽しめることがわかりました。最後に、鈴木さんに虫取りの醍醐味を聞きました。

虫は非常に種数が多いので、自然の多様性を直に見て体験できる点が一番のポイントです。変な形をしているものもあれば、カッコいい虫もいる。そんな虫たちが自分の手の中にいるということ自体、子供にとって好奇心をそそられる体験です。さらに、ほかの遊びと違って、その日どんな虫に出会えるのか、予測できないという楽しみもあります」

また、誤解されがちですが、実はハチやムカデなどを除いて、虫にはほとんど危険なものがいません。たとえば、毛虫は刺されるイメージが強いかもしれませんが、かなりの種が素手で撫でられます。日本には毒のある毛虫は少ないので、機会があれば専門家に聞いた上で、毒のない毛虫を触ってみてください。少しチクチクとした手触りですが、刺されたりしませんよ」

確かに、虫があまり危険じゃないなんて意外ですね! 虫が怖い子供も多くいると思いますが、虫に慣れるためになにか良い方法はありますか?

親子で一緒にチャレンジするのがおすすめです。たとえば、お父さんが虫を掴んで動かないようにしてあげて、まずは背中を撫でてみる。次は角を触ってみる…というように段階を踏んでいけば、最初は怖がっていた子供も次第に夢中になると思います。これはお母さんたちも同じで、少しずつ触っていると楽しくなってくる人が多いようです。ぜひ、親子で虫に親しんでほしいです」

100均で手軽にグッズが揃えることができ、親子一緒に楽しめる昆虫採集。ぜひ今年の夏は、家族で虫取りに出かけてみてはいかがですか?

お話を聞いたのは…

  • 鈴木誠治さん

    「昆虫はかせネットワーク」代表。博士(理学)。昆虫の生態を研究するとともに、昆虫観察会など各種イベントを通して新潟県に虫好きを増やし次世代の昆虫少年少女を育てるための普及活動を行っている。

  • ▼昆虫はかせネットワークHP

ライター紹介

水谷 映美

1979年生まれ。出版社勤務、受付嬢、社長秘書を経て、現在はwebを中心にライターとして活動中。男・女・女の3児の母。気になることは何でも試してみないと気が済まない典型的B型女子。子育て世代のリアルな声を反映した記事を得意としている。

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