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子どもに枕は必要?正しい枕の選び方は?

掲載日: 2015年6月24日更新日: 2015年6月24日蜂谷智子
巷にはさまざまな種類の子ども用枕を売っていますが、選ぶポイントについては意外と知らないもの。成長期の子どもにどんな枕を与えればいいのか迷ってしまいますよね。そこで正しい枕の選び方を、寝具メーカー東京西川の寺嶋真唯さんに教えていただきました。

寝姿勢を安定させるためには頭から首までを枕で支えて

そもそも、寝る時には枕を使う人が多いと思いますが、なぜ枕が必要なのでしょうか? 

「一般的に、人間は立ったときの姿勢がそのまま横になったときの姿勢が理想的な寝姿勢と言われており、背骨の首部分の頚椎は、ゆるやかなS字型を描いています。この頚椎部分(首筋)の隙間を埋めることで、寝姿勢を安定させるのが枕の役割。つまり、枕は、頭を乗せるためだけではなく、首も支えるものなんです。後頭部から首筋までを枕で支えることで、首・肩に負担がかかりにくくなります。」

このような理由から、枕を選ぶときにも、首のフィット感が大切なのだそうです。その事実を知らないで枕の使い方が間違っている人も多いとか。

「みなさん、頭だけを枕に乗せて寝ていませんか? 実は、自分の肩口に枕があたるくらい、枕を引き寄せて使うのが、正しいあて方なんです。後頭部から首すじにかけて全体であたまの重さを支えることで、首や肩が疲れにくくなりますよ。」

子どもの枕の選び方は、頭重視から背骨重視へ

寺嶋さんによると、子どもの枕の選択基準は、頭蓋骨が形成されるまでと、背骨が完成するまでで変わってくるようです。

生後3カ月〜頭骸骨が形成されるまでの赤ちゃん

生まれたばかりの赤ちゃんは頭蓋骨の前のほうの骨の継ぎ目部分にすき間が空いています。それが大泉門というひし形の隙間。お母さんが触るとプニプニしているので、意識したことがある人も多いでしょう。 この大泉門は7カ月ぐらいで大体閉じて外からは分からなくなりますが、それまでの間は子どもの頭の形は寝るときの向き癖などによって簡単に変わってしまうのだそう。絶壁になったりすると親は心配になりますよね。

 適した枕を選ぶことによって、頭蓋骨の形を良くすることができるのでしょうか。

「赤ちゃんの頭の形が整いだすのは3カ月くらいから。その頃から頭骸骨が完成するまでは、頭の形状をやさしく包むものが適しています。とはいえ赤ちゃんは頭骸骨と同時に背骨も成長しています。枕選びは頭を包み込む形状とともに首のフィット感も重視してください。ドーナツ枕を使う人も多いと思いますが、ドーナツ枕にもサイズがありますから、お子さまの成長に合わせて首がきちんとフィットするものへと、サイズを変えていくと良いでしょう。」

生後3カ月から頭の形が整う頃までは、頭蓋骨への影響を重視しつつ、背骨の成長も阻害しないように留意が必要なのですね。

背骨が整う5歳頃までの幼児

「頭の形が整った後は背骨との関係を重視してください。頭から背骨にかけての大人のような緩やかなS字カーブの背骨が形成されるのは5歳位までかかります。そのため、首の長さ・カーブに合わせたサイズを決めるのが重要です。」

頭から背骨にかけてのS字カーブがきちんと形成されないと、猫背やストレートネックにより首の痛みや肩こりがひどくなったり、脊柱が側方に曲がる脊柱側湾症になってしまうこともあるそう。

首の長さやカーブに合わせた枕は、具体的にどのような手順で選べばいいのでしょうか。

実際に枕をしてみて、首に隙間がなく、後頭部が枕の中心に来るものを選びましょう店頭で実際に横になって試すことはとても大切。仰向け寝と横向き寝、それぞれの高さをプロのアドバイザーにチェックしてもらいましょう。素材や硬さに関しては、好みに合わせていただいて結構です。種類豊富な売り場でいろいろと試して、リラックスできるものを吟味してください。」

コロコロ寝相の悪い子にも、枕を使う習慣を

赤ちゃんや子どもはとっても寝相が悪いもの。せっかく枕を与えても、朝にはまったく違う場所に居たりすることも…。

「確かに赤ちゃんや子どもは大人とは眠りの質が違い、寝相が悪いことも多いです。しかし、枕を使うことが入眠の儀式として定着すると、脳のスイッチをスムーズにオフにできるようになります。入眠のリズムを覚えさせるためにも、枕を使用して眠る習慣をつけてあげましょう。」

枕は、成長期の子どもの眠りの質を高めるためにも重要なんですね。子どもの体の成長に合わせて、きちんとフィットする枕を選びましょう。

ライター紹介

蜂谷智子

ライター・編集者。学び系の出版社勤務後、フリーランスに。現在はライフスタイルやカルチャーに関するメディアを中心に活動中。趣味は映画や音楽などのアートに浸ることと、おいしいお酒を飲むこと。去年からはそこに娘の子育ても加わって大忙しの毎日。親子で趣味を共有することを夢見て、美術館や音楽鑑賞に連れ出しては娘の反応をうかがっている。

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