暑い日が続く夏などは、脱水症になりやすい時期なので親としては心配ですよね。大量に汗をかいた時や、下痢や嘔吐、体調不良が続く時は特に注意が必要です。
そこで今回は、「子供を守る熱中症対策講座」(主催:楽天ママ割)に参加し、医学博士の本田由佳先生に脱水症について詳しく話を聞きました。
子供の熱中症を詳しく解説! 症状・予防法・対処法・注意点も!「脱水症」は体の水分バランスが崩れることで起きる!
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そもそも、脱水症はどうして起こるのでしょうか?
「私たちの体には、血液やリンパ液、唾液、尿などたくさんの水分が含まれています。通常は、体外に出ていく水分量と、体内に入る水分量がちょうど良いバランスになるように保たれています。ですが、大量に汗をかいたり、下痢や嘔吐などで水分が余計に失われたりすると、体液量が減少して脱水症が起こります」
では、脱水症の症状はどういったものでしょうか?
「体液は、酸素や栄養素を運んだり、老廃物を除去したりとさまざまな生理的機能を維持する重要な働きがあります。そのため、脱水状態を放置しておくと、めまいや喉の渇き、頭痛、手足の震えなど、体にさまざまな異常を引き起こします。重度になると、意識障害や痙攣(けいれん)、呼吸困難、臓器不全などに陥ります」
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子供が大人よりも脱水症になりやすいのはなぜでしょうか。
「体重あたりの体の水分量は、成人女性が55%なのに対して、幼児は65%、新生児は80%と、年齢が低いほど水分の占める割合が多くなります。ですが、子供は発汗機能や腎機能が未熟なうえ、代謝が活発で多くの水分を失うので、脱水症を起こしやすいといえます」
暑い季節には、高温多湿の環境で脱水を起こし、それが原因で熱中症になる子供が多いのだそう。さらに、脱水症はインフルエンザなどの感染症による発汗や下痢、嘔吐でも引き起こされるので、季節に関係なく注意が必要とのことです。
子供の脱水症の見分け方
子供が脱水症になっているかどうか、外見で判断することはできますか?
「皮膚の張りがなくカサカサしている時は要注意です。手の甲の皮をぐっと引っ張って、富士山の形を作ってみてください。そして、指を離した時に富士山の形がそのまま残っている時は、脱水の傾向があります。たくさん遊んで汗をかいた時などは、皮膚を引っ張ってみて、富士山ができたら早めに水分補給をしてください」
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「また、脱水レベルはおしっこの色でもチェックできます。脱水になると、おしっこの量が減るため、色が濃くなっていきます。子供の年齢が小さいうちは、親がおしっこの濃淡をチェックしてあげて、ゆくゆくは子供自身が自分で脱水状態を判断できるようになってほしいですね」
脱水症の予防は「こまめな水分補給」!
では、脱水症の予防法を教えてください。
「脱水にならないためには、こまめな水分補給が大切です。とくに寝る前や起床後、運動中には意識的に水分をとるようにしてください。水分補給には、塩分とブドウ糖をバランスよく摂取できる経口補水液がおすすめです。また、経口補水液を飲むことは、脱水の症状が見られた時の応急処置としても有効です」
「経口補水液は、水と塩、砂糖で手作りすることもできます。水500mlに対して、砂糖20g(ペットボトルのフタですりきり3杯)、塩1.5g(親指と人差し指でひとつまみ)を加えるだけで経口補水液になりますよ」
さらに、体内の水分が足りているかどうかは、体重を測ることでもわかるそう。
「たとえば、お散歩前と帰宅後で体重を測ってみて、体重が2%以上減っていたら脱水気味になっている可能性があります。その場合は、次のお散歩に出かける前やお出かけ中に摂取する水分量を増やすといいでしょう」
「ただし、意識障害や体の痙攣(けいれん)など重度の症状が見られる場合は、すみやかに医療機関で医師の診断を仰いでください」
小さな子供は自分が脱水かがわかりにくいので、親が気にしてあげる必要があるのですね。特に気温が高い夏場は、こまめに水分補給する習慣をつけたいですね。