暑い日が続く夏場の心配事のひとつが「熱中症」です。子供を熱中症から守るために、親はどんなことに気をつければいいのでしょうか?
そこで今回は、「子供を守る熱中症対策講座」(主催:楽天ママ割)に参加して、医学博士の本田由佳先生に熱中症対策について話を聞きました。
子供の脱水症の見分け方&予防法 「皮膚」と「おしっこ」が重要熱中症の症状は「めまい」「頭痛」「意識障害」などさまざま

熱中症はどのようにして起こるのでしょうか?
「熱中症とは、高温多湿な環境下で起こる体の異常の総称です。体内水分と塩分のバランスが崩れて脱水状態になったり、体温調節機能がうまくいかなくなったりすることで、さまざまな異常が引き起こされます」
熱中症の症状はどういったものでしょうか?
「熱中症の症状は、軽症から重症まで3段階のレベルにわけられます。それぞれのレベルで下記のような症状が現れます」
レベル1
めまい、失神(立ちくらみ)、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗など
レベル2
頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感など
レベル3
意識障害、痙攣(けいれん)、手足の運動障害、高体温など
子供が熱中症になりやすいのはなぜでしょうか。
「子供の体温調節機能は未発達なため、熱中症になりやすく特に注意が必要です。子供は熱くなった地面と体との距離が大人よりも近いため、大人が感じているよりも暑さの影響を受けやすいのです」
体温調節がうまくできないのであれば、暑い日はとくに子供の状態に気を配ってあげることが大切ですね。
熱中症になりやすいのはどんな日?
熱中症は高温多湿な環境で起こりやすいとのことですが、具体的にどんな日が危険なのでしょうか?
「熱中症といえば、炎天下で激しい運動をしている時に起こりやすいイメージがあります。ですが、それだけではありません。急に気温が上がって、体が暑さに慣れていなかったり、室内にいても窓を閉め切っていたりすると、気づかないうちに脱水が進み、熱中症になることがあります」
「熱中症になりやすい日かどうかは、気温・湿度・輻射熱(ふくしゃねつ:地面や建物からの熱)の3つを取り入れた暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)という指標で危険度が判断できます。環境省の公式サイトから確認できるので、ぜひ参考にしてみてください」
おでかけする時やプールに入る時などは、その日の暑さ指数をチェックして熱中症対策に活用したいですね。
子供が熱中症になったらどうするべき?

子供が熱中症のような症状を見せたら、どのように対処すればいいでしょうか?
「小さな子供は体の不調をうまく伝えることができないので、大人が体調の変化に気付いてあげる必要があります。暑い日に子どもがグズグズし始めたり、疲れている様子があれば、すでに熱中症になっている可能性があります。涼しい場所に移って、体を冷やして水分をとらせてあげましょう」
「水分補給には、塩分とブドウ糖をバランスよく摂取できる経口補水液がおすすめです。また、スポーツドリンクは糖分が多く塩分が少ないため、エネルギー補給にはいいのですが水分補給には適しません。経口補水液がない場合は、麦茶と塩分を一緒にとるといいでしょう」
「呼びかけに反応しないほどぐったりしている場合は、すぐに救急車を呼んでください。また、自力で水分を飲めないような場合にも、すぐに医療機関に行くようにしてください」
逆に、熱中症を予防する方法はありますか?
「熱中症を予防するためには、普段からバランスの良い食事を三食しっかり取り、睡眠を十分にとって体のコンディションを整えておくことが大切です。そして、遊んでいるときもこまめに日陰で休憩したり、水分をとったりしながら脱水状態にならないように気をつけましょう」
「また、梅雨から夏にかけては、寝ている間に大量の汗をかいて、朝起きた時すでに脱水気味になっていることもあります。起床直後に体温を測って熱がないかチェックしましょう。平熱よりも高めの時は、しっかり水分補給をしてからおでかけしてくださいね」
暑い夏も元気いっぱいに遊びまわる子供たち。こまめな休息と水分補給を忘れないように、普段から声かけをしてあげたいですね。