子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は親子の成長、夢の育みを応援します!

赤ちゃん用の敷布団はなぜ硬い?ベビー布団って必要?

掲載日: 2015年6月30日更新日: 2015年7月6日青柳直子
ベビー用の敷布団は硬いものが多いですが、なぜ硬いのでしょうか?そもそも、赤ちゃん専用の布団は必要なのでしょうか? 自社開発のベビー布団が国立大学病院でも採用されているベビー布団専門店の店長さんに、お話を伺いました。

成長過程である赤ちゃんの布団選びはとても重要

「赤ちゃんは多くの時間を寝て過ごします。なかでも新生児の睡眠時間は18時間以上。そんな赤ちゃんの布団に大切な要素は、言うまでもなく『ぐっすり眠れること』。見た目のかわいさやブランド名は必要不可欠なものではありませんよね」と語るのは、ベビー布団専門店「よくねる」店長の本徳輝樹さん。

1日の大半を寝て過ごす赤ちゃんの布団選びは、成長過程ゆえに注意すべきポイントも多いのだとか。
それではその特徴を見ていきましょう。

汗っかきなイメージの赤ちゃん。実は体温調節が下手

「赤ちゃんは汗っかき、というイメージがあるかもしれませんが、実は生まれて間もない赤ちゃんはうまく汗をかくことが出来ないため、汗による体温調整が苦手なんです。汗が出るようになっても、寝返りができない月齢の赤ちゃんは、背中に熱がたまっても自分ではどうすることもできません。ですから、熱が溜まりにくいように、 赤ちゃんと敷布団の間に空気層がある通気性のよい布団を選ぶ必要があります。」

「また、 敷布団には適度な硬さも必要。軟らかすぎる敷布団は赤ちゃんの体重で沈み込み、背中がぴったりと密着して熱がこもりやすくなるからです。」

体温調節が下手で寝返りもままならない赤ちゃんの布団だけに、通気性がよく熱がこもらない布団選びが大切なのですね。

赤ちゃんの正しい寝姿勢を保つためにも、適度な硬さが必要

生まれたときは身長約50センチ、体重3000グラム前後だった赤ちゃん。2年後には身長は約85センチ、体重は12キログラム前後にも成長します(いずれも平均値)。

身長は生まれたときの1.5倍以上、体重にいたってはなんと4倍に! 人間の一生で、これほどまで劇的に成長する時期はほかにはありません。

「ベビー布団を使用する乳幼児期は、 人間の成長にとってとても重要な期間です。だからこそ、赤ちゃんの成長の妨げにならないように配慮された布団を使う必要があります。」

「具体的には 正しい寝姿勢を保つことができ、血流を妨げないこと。先ほども言いましたが、軟らかすぎる布団は体重で体が沈み込んでしまうので、体がわん曲し、血流も悪くなりがちです。」

ベビー布団が硬い理由は、赤ちゃんの体温調整を助けるとともに、正しい寝姿勢を保つためでもあったのですね。

とはいえ、ただ硬いだけでは床で寝かせるのと同じこと。沈み込むところは適度に沈み込み、反発するところは適度に反発する「適度な硬さ」が必要だと本徳さん。

「適度な硬さと言うと、低反発や高反発のウレタンを想像される方も多いと思いますが、
ウレタン素材は蒸れやすく、通気性の面でベビー布団には適しません。 綿の中でも多層構造になっていて透質性にすぐれたものハニカム立体構造のものなど、適度な硬さと通気性に優れた素材がベビー布団には適しています。」

「赤ちゃんの成長を妨げないためにも、こうした点に配慮したベビー布団を、 できるだけ長く使うことをおすすめします。」

骨・筋肉・内臓などが著しく発育するのは2~3歳までと思春期。 乳幼児期に限らず、子どもの成長を妨げない布団選びを心がけたいものです。

まだあるベビー布団が必要な理由

ベビー布団が硬い理由とともにベビー布団の必要性についてもみてきましたが、ベビー布団が必要な理由はほかにもあるそうです。

コンパクトなベビー布団ならこまめに洗える

「ハウスダストを気にされる方が増えていますが、大人用の大きな布団は洗うのも大変、干すのも重労働。 コンパクトなベビー布団なら、洗濯機に入れるのも干すのも楽なのでこまめに洗うことができます。ベビー布団には掛け布団、敷布団、ともに洗濯機で洗うことができ、また乾きやすい素材のものも多くそろっていますよ。」

添い寝では大人の寝返りで赤ちゃんの眠りのリズムを妨げることも

「ベビー布団を買わずに、大人用の布団で赤ちゃんと添い寝するという方もいますが、赤ちゃんにとって、横で寝ている大人の寝返りは大きな振動です。その振動によって目が覚めてしまったり、眠りが浅くなってしまうことがあります。 赤ちゃんの眠りのリズムを妨げないためにも同じ布団で添い寝するのではなく、赤ちゃんは専用のベビー布団に寝かせるのがよいと思います。また、添い寝授乳による窒息事故防止にもつながると思います。」

ベビー布団は小学校低学年まで使える!

しかし、決して安くはないベビー布団。その必要性を知ったとしても「たった2年程度しか使わないのに何万円もする布団を買うのはもったいない…」と躊躇してしまう方も多いと思うのですが、ベビー布団は「意外と長く使えるんですよ」と本徳さん。

「通常のベビー用敷布団の長さは120センチ。120センチはだいたい小学校2年生の平均身長です。個人差はあると思いますが、 小学校低学年まではお使いいただけると思いますよ。羽毛の掛け布団はお昼寝用にしたり、お腹だけ掛けたり、と使い勝手がよいので、もう少し長く使っていただけます。」

寝る子は育つ。赤ちゃんの成長に欠かせない質のよい睡眠を保持するため、適切な布団=ベビー布団を選ぶ「目」を持ちましょう!

お話を聞いたのは…

  • 本徳輝樹さん

    眠りと暮らしの研究室 インテリア&寝具「ほんとく」3代目。ベビー布団専門店「よくねる」店長。自身の子供が生まれたのをきっかけに「最高のベビー布団開発」に着手。蒸れないことにこだわったベビー布団は国立九州大学病院心臓外科・小児科、JOHO九州病院(旧厚生年金病院)小児科、厚生連高岡病院小児科でも採用されている。

  • ベビー布団専門店「よくねる」

ライター紹介

青柳直子

ライター暦16年。神戸生まれ・育ち・在住のアラフォー世代。芸能・インタビュー、舞台・コンサートレポをメインに、子育て関連、街取材まで“守備範囲を広く”がモットー。小学1年生の長男、1歳の長女、ヨーゼフ(ハイジの犬)似の夫+猫2匹と、毎日てんやわんやな暮らしぶり。娘が歩けるようになったのを機に、家族キャンプ再デビューを計画中。

ライターの最新記事

あなたにオススメの記事