子どもや夫の体のことは気にしても、自分のことは後回し…。そんなママは多いはず。でも、毎日忙しいママこそ、「あの時検査しておけば良かった…」とならないように、定期的に健康診断は受けておきたいもの。そこで「女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道」の渡邉多代院長に、「どんな内容の健康診断を?」「どのくらいの頻度で?」など、健康診断について詳しく話を聞いてきました。
私たちが「けんしん」と呼ぶものには「健診」と「検診」の2種類がありますが、どちらが何のことかを上手に説明できる人は少ないかもしれません。
「健診は、病気になる前の体の健康状態を総合的に見るもの(健康診断)で、病気のリスクがあるかどうかを診断します。一方、検診は、「がん検診」「歯科検診」などのように、ある特定の病気にかかっていないか検査して診断をするものです。」
健診には、総合的に健康状態を知るために「血液検査」「尿検査」「胸部レントゲン」「超音波検査」など様々な検査が含まれています。一方、子宮頸がんや乳がんなどを調べるのは「検診」です。
「まず、20代のうちから毎年受けた方が良いのが、子宮頸がん検診です。子宮頸がんの原因となる『HPV(ヒトパピロマウイルス)』は性交渉によって感染するため、毎年受けることが推奨されています。また、乳がん検診は毎年受けた方が良いとされているのは40代からですが、もし母親など血のつながりのある身内に乳がん経験のある人がいる場合は、もっと早くから受け始めた方が良いでしょう。」
気を付けたいのが、一つの検査でわかることについての勘違い。筆者は以前に子宮頸がん検査を受けたことがあるのですが、内診の際、同時に子宮筋腫や卵巣嚢腫など子宮の全体の状態も診てくれているものと思っていました。しかしながら、それは違うそう。
内診では、5〜6cmの大きさの子宮筋腫や卵巣がんなどはわかると言われていますが、小さいとわからない場合が多いので、膣内超音波検査を一緒に受けることをおすすめしているそうです。
申し込みをする際は、どの検査が含まれているのか、しっかり確認を。そして、診てほしい箇所が検査に含まれていない場合は、オプション検査などを利用しましょう。
「骨粗しょう症は、骨がもろくなり、骨折などをしやすくなる病気で高齢者の寝たきりなどにもつながるものです。骨密度は増やすことはできませんが、早めに対策をすれば、骨の質を高めたり、骨を強くしたりすることができますので、ぜひ、20〜40代前半のうちに一度測定をしましょう。」
「便潜血検査と胃部レントゲン検査(または胃部内視鏡検査)を受けて異常がなければ、次は2年後でもいいと思います。とは言え、1回目の結果で経過観察が必要なものや、再検査を受けたものなどがあれば、次の年も受けた方が良いでしょう。40代以降は毎年受けることをおすすめします。」
ただし、胃の検査に関連して一度受けてほしいのはピロリ菌検査です。
ピロリ菌が胃に感染すると、胃がんのリスクが上昇しますので、早いうちに一度検査を受けて、陽性であれば抗生物質による除菌治療を受けるようおすすめします。
なお、ピロリ菌は50代以上では6〜7割の方が陽性ですが、上下水道が整備されるにつれて感染率が徐々に下がり、20歳以下ではほとんど見受けられません。
「まず見てほしいのは、貧血かどうかの数値。『赤血球数』『ヘモグロビン』の数値が低いと、貧血気味だと言えます。『血清鉄』が低いのは、鉄分が足りていないということを示します」
過多月経であったり、過度なダイエットなどをしていると、数値が低い場合が多いそうです。
また、「肝機能は、「AST(GOT)」「ALT(GPT)」「γ−GTP」の数値を見るとわかります。高い場合は肝障害、肝炎の疑いが。常用している薬や飲酒による影響が出やすい箇所ですね」
そして、高血圧や肥満、糖尿病など生活習慣病のリスクもわかります。
「糖尿病については、『血糖値』と『HbA1c』の数値が基準より高くないかを見ましょう。また、コレステロールが高いことや高血圧が、動脈硬化の危険因子になります。脂質検査では『コレステロール』『中性脂肪』を調べますが、中でも『LDL−コレステロール』は“悪玉コレステロール”とよばれ、動脈硬化を引き起こします。『HDLコレステロール』は“善玉コレステロール”とよばれ、動脈硬化を予防してくれます。『LDL』が低くて『HDL』が高いのが理想です。血圧も高過ぎないか見ておきたいですね。」

「もし数値に異常があった場合でも、そこまで心配しなくていいとか、今すぐ再検査をした方がいいとか、紙だけではわかりにくいニュアンスまで伝えることができるので、医師にとっても、直接お伝えするのはとてもやりやすいことなんです。」
また、もし気になることがあれば、電話で問い合わせたり、直接検査機関を訪れて質問したりするのもOKとのこと。不安や悩みがあれば気軽に相談して、不安を解消した方が良さそうですね。
まず知っておきたい健康診断の基礎知識
「健診」と「検診」は大きく違う!
私たちが「けんしん」と呼ぶものには「健診」と「検診」の2種類がありますが、どちらが何のことかを上手に説明できる人は少ないかもしれません。「健診は、病気になる前の体の健康状態を総合的に見るもの(健康診断)で、病気のリスクがあるかどうかを診断します。一方、検診は、「がん検診」「歯科検診」などのように、ある特定の病気にかかっていないか検査して診断をするものです。」
健診には、総合的に健康状態を知るために「血液検査」「尿検査」「胸部レントゲン」「超音波検査」など様々な検査が含まれています。一方、子宮頸がんや乳がんなどを調べるのは「検診」です。
20〜40代のママが定期的に受けておきたい検査内容は?
婦人科系は年に1度は調べよう
女性がもっとも気になる病気と言えば、子宮頸がんなどの婦人科系の病気です。これからは、毎年受けたほうが良いのでしょうか?「まず、20代のうちから毎年受けた方が良いのが、子宮頸がん検診です。子宮頸がんの原因となる『HPV(ヒトパピロマウイルス)』は性交渉によって感染するため、毎年受けることが推奨されています。また、乳がん検診は毎年受けた方が良いとされているのは40代からですが、もし母親など血のつながりのある身内に乳がん経験のある人がいる場合は、もっと早くから受け始めた方が良いでしょう。」
気を付けたいのが、一つの検査でわかることについての勘違い。筆者は以前に子宮頸がん検査を受けたことがあるのですが、内診の際、同時に子宮筋腫や卵巣嚢腫など子宮の全体の状態も診てくれているものと思っていました。しかしながら、それは違うそう。
内診では、5〜6cmの大きさの子宮筋腫や卵巣がんなどはわかると言われていますが、小さいとわからない場合が多いので、膣内超音波検査を一緒に受けることをおすすめしているそうです。
申し込みをする際は、どの検査が含まれているのか、しっかり確認を。そして、診てほしい箇所が検査に含まれていない場合は、オプション検査などを利用しましょう。
今のうちに知っておきたい「骨密度」
「20〜40代の女性に検査をおすすめしたいのが、骨密度測定です。女性の場合、20〜40代前半が骨密度のピーク。その後、徐々に減少し、閉経後は急激に減っていきます。そのため、今現在、自分自身の骨密度がどのくらいなのか知っておくことが大切です。もし、今の時点で骨密度が低ければ、年齢を重ねるうちに骨粗しょう症などになるリスクが高いということです。」「骨粗しょう症は、骨がもろくなり、骨折などをしやすくなる病気で高齢者の寝たきりなどにもつながるものです。骨密度は増やすことはできませんが、早めに対策をすれば、骨の質を高めたり、骨を強くしたりすることができますので、ぜひ、20〜40代前半のうちに一度測定をしましょう。」
内科は2年に一度は健診を、40代以上は胃の検査も含めて毎年
婦人科系と比べて、内科系の胃がんや大腸がんは、20〜30代のうちはかなり稀なので、この時期は2年に一度の健診でも良いそうです。「便潜血検査と胃部レントゲン検査(または胃部内視鏡検査)を受けて異常がなければ、次は2年後でもいいと思います。とは言え、1回目の結果で経過観察が必要なものや、再検査を受けたものなどがあれば、次の年も受けた方が良いでしょう。40代以降は毎年受けることをおすすめします。」
ただし、胃の検査に関連して一度受けてほしいのはピロリ菌検査です。
ピロリ菌が胃に感染すると、胃がんのリスクが上昇しますので、早いうちに一度検査を受けて、陽性であれば抗生物質による除菌治療を受けるようおすすめします。
なお、ピロリ菌は50代以上では6〜7割の方が陽性ですが、上下水道が整備されるにつれて感染率が徐々に下がり、20歳以下ではほとんど見受けられません。
健康診断の結果、どこに注目すればいい?
血液検査の結果でわかることって意外と多い!
健診後、送られてくる結果表には、さまざまな数値がズラリ。また、機関によって結果表の体裁が異なるため、「さて、どこを見れば?」と迷いがち。はじめに、血液検査の結果で見るべきポイントとは。「まず見てほしいのは、貧血かどうかの数値。『赤血球数』『ヘモグロビン』の数値が低いと、貧血気味だと言えます。『血清鉄』が低いのは、鉄分が足りていないということを示します」
過多月経であったり、過度なダイエットなどをしていると、数値が低い場合が多いそうです。
また、「肝機能は、「AST(GOT)」「ALT(GPT)」「γ−GTP」の数値を見るとわかります。高い場合は肝障害、肝炎の疑いが。常用している薬や飲酒による影響が出やすい箇所ですね」
そして、高血圧や肥満、糖尿病など生活習慣病のリスクもわかります。
「糖尿病については、『血糖値』と『HbA1c』の数値が基準より高くないかを見ましょう。また、コレステロールが高いことや高血圧が、動脈硬化の危険因子になります。脂質検査では『コレステロール』『中性脂肪』を調べますが、中でも『LDL−コレステロール』は“悪玉コレステロール”とよばれ、動脈硬化を引き起こします。『HDLコレステロール』は“善玉コレステロール”とよばれ、動脈硬化を予防してくれます。『LDL』が低くて『HDL』が高いのが理想です。血圧も高過ぎないか見ておきたいですね。」

検査結果は直接聞く&不安や悩みはまず相談!
筆者が以前に受けた人間ドックは、後日自宅に結果が送られてきて、自分自身で確認するだけのものでした。しかし、検査機関によってはその日のうちに結果が出て、医師にその結果を直接聞けることも多いのだとか。「もし数値に異常があった場合でも、そこまで心配しなくていいとか、今すぐ再検査をした方がいいとか、紙だけではわかりにくいニュアンスまで伝えることができるので、医師にとっても、直接お伝えするのはとてもやりやすいことなんです。」
また、もし気になることがあれば、電話で問い合わせたり、直接検査機関を訪れて質問したりするのもOKとのこと。不安や悩みがあれば気軽に相談して、不安を解消した方が良さそうですね。