夏は関東や中部、近畿地方を中心とした広い範囲で、もっとも多く雷が発生する季節です。雷は高いところに落ちるといいますが、見通しのいい原っぱやキャンプ場ではどこに隠れたらいいのでしょうか。夏休みで外出が増えるこの時期、雷が鳴ったときの避難方法について、雷情報・落雷対策の専門気象情報会社に取材しました。
予想以上の高い死亡率に恐怖を覚えますが、現場で即座に心肺蘇生法を開始することで助かる可能性が高まるそうです。
キャンプや旅行に出かける前に、親子で心臓マッサージや人工呼吸などの心肺蘇生法を学んでおくとよいですね。
雷はアンテナや電線、アース線などから屋内に侵入するため、電源プラグから電源を取っている電化製品が故障する可能性があるだけでなく、二次災害として分電盤がショートして発火、火事になってしまうことも…。
「雷が鳴ったら、電源は消すだけでは不十分。テレビなど電源を抜いても問題のない電化製品は電源プラグから抜いてしまうのがもっとも安全です。」
「雷が高いところをめがけて落ちる傾向が強いのは、みなさんご存知のとおりです。雷が落ちやすい木や背の高い構造物がない開けた場所の場合、人間が周辺で一番高いものになってしまうおそれがあるため、発雷時は非常に危険です。」
「同じく背の高いものがない海上では比較的背の高い波に落ちる傾向があります。また山の上で雷雲の中に入ってしまった場合、雲間放電といって稲妻が横に走ることもあります。」
雷が落ちやすいのは原則、背の高いもので、金属だから、水だから、というような性質によって落ちやすさが決まるわけではないそうです。
「電線の下や高さ5m以上の高いもの(電柱や鉄塔のような導体になりうるもの、木はNG)の保護範囲にいることを推奨しています。」
「さらにこのような高さ5m以上の高いものもない場合、頭を低くしてしゃがみ、ひざは地面につけずに両足を閉じる姿勢をとってやり過ごすことをおすすめします。」
腹ばいの姿勢は付近に落雷した場合に地面を伝って心臓への通電の可能性が高くなるため、避けたほうがよいそうです。
避難姿勢 (C)坂谷はるか
また、雷は高いものに落ちやすいということを考えると、地面より(周辺より)低い場所は、比較的安全なんだそう。
「ゴルフ場のバンカーなどは緊急時の避難場所としては効果的と言ってよいでしょう。側溝も効果的かもしれませんが、狭いものであったり、しっかり整備されたもの(鉄筋の入ったコンクリート舗装など)だと、逆に電流が伝ってきてしまって危険な場合も考えられます。」
こういった場所に出かけたら、いざ雷が鳴ってから慌てないよう、避難場所や避難方法を事前にチェックしておくとよいですね。
夏の雷は午後から夕方にかけて発生しやすく、長時間継続する特徴があるそう。
アウトドアを楽しむ際は、こういった雷に関する知識や正しい避難方法を心得ておくことが、子供の命を預かる親の義務といえそうです。
雷が人や家に落ちたらどうなる?
人に落ちた場合の死亡率は70〜80%
「落雷の直撃を受けた場合の死亡率は70〜80%、なにも処置をしなかった場合は90%であることが統計結果や動物実験から推定されています。落雷死亡事故のほとんどが心肺停止による即死です」と話すのは、雷情報・落雷対策の専門気象情報会社「フランクリン・ジャパン」の岸田拓己さん。予想以上の高い死亡率に恐怖を覚えますが、現場で即座に心肺蘇生法を開始することで助かる可能性が高まるそうです。
キャンプや旅行に出かける前に、親子で心臓マッサージや人工呼吸などの心肺蘇生法を学んでおくとよいですね。
家屋に落雷すると火事になることも
「家屋に落雷した場合、停電が起きたり、電話・テレビ・パソコン・エアコンなどの電化製品が故障したりする被害がでます。」雷はアンテナや電線、アース線などから屋内に侵入するため、電源プラグから電源を取っている電化製品が故障する可能性があるだけでなく、二次災害として分電盤がショートして発火、火事になってしまうことも…。
「雷が鳴ったら、電源は消すだけでは不十分。テレビなど電源を抜いても問題のない電化製品は電源プラグから抜いてしまうのがもっとも安全です。」
雷が落ちやすさは物質ではなく高さで決まる
雷は高いところに落ちやすいと聞きますが、開けた場所や海、山ではどうなのでしょうか。「雷が高いところをめがけて落ちる傾向が強いのは、みなさんご存知のとおりです。雷が落ちやすい木や背の高い構造物がない開けた場所の場合、人間が周辺で一番高いものになってしまうおそれがあるため、発雷時は非常に危険です。」
「同じく背の高いものがない海上では比較的背の高い波に落ちる傾向があります。また山の上で雷雲の中に入ってしまった場合、雲間放電といって稲妻が横に走ることもあります。」
雷が落ちやすいのは原則、背の高いもので、金属だから、水だから、というような性質によって落ちやすさが決まるわけではないそうです。
雷が鳴ったときの正しい避難場所&避難方法
「屋外で雷が鳴った場合、まずは建物など身を隠せる場所を探し、そこに避難することです」と岸田さん。避難場所としては下記の4つが安全です。- 鉄筋コンクリート製の建物の中
- 自動車の中
- 避雷設備が施された建物の中
- 本格的な木造建築の中
「電線の下や高さ5m以上の高いもの(電柱や鉄塔のような導体になりうるもの、木はNG)の保護範囲にいることを推奨しています。」
「さらにこのような高さ5m以上の高いものもない場合、頭を低くしてしゃがみ、ひざは地面につけずに両足を閉じる姿勢をとってやり過ごすことをおすすめします。」
腹ばいの姿勢は付近に落雷した場合に地面を伝って心臓への通電の可能性が高くなるため、避けたほうがよいそうです。
避難姿勢 (C)坂谷はるか
また、雷は高いものに落ちやすいということを考えると、地面より(周辺より)低い場所は、比較的安全なんだそう。
「ゴルフ場のバンカーなどは緊急時の避難場所としては効果的と言ってよいでしょう。側溝も効果的かもしれませんが、狭いものであったり、しっかり整備されたもの(鉄筋の入ったコンクリート舗装など)だと、逆に電流が伝ってきてしまって危険な場合も考えられます。」
こういった場所に出かけたら、いざ雷が鳴ってから慌てないよう、避難場所や避難方法を事前にチェックしておくとよいですね。
雷にまつわるうわさ、これって本当?
金属を身につけていると落ちやすい?
「金属製品を身につけていても落ちやすさに変わりはありません。逆に、身につけていた金属製品に人体を流れる電流値を減らす一定の効果があることが確認されています。ただし傘やゴルフクラブを頭より高く上げるような行為は、より高い突起物を作ることになるので絶対にやめましょう。」雷が鳴ったら高い木の下に避難したほうがいい?
「高い木の下に避難するのは自殺行為です! 絶対に止めましょう。開けた場所で人の近くにある木に落雷した場合、より電気を通しやすい人への側撃(落雷を受けたものから落雷電流が他のものに飛び移ること)が起こりやすくなります。側撃が起こると人は直撃を受けたときと同等の電流を体にうけることになるため、死亡する確率がきわめて高くなり非常に危険です。」長靴やレインコートを身につけていると安全?
「ゴム製品に安全効果があるというのは、まったくのウソです。雷のような高電圧の現象に対してはゴム製品の絶縁効果は皆無です。長靴やレインコートを身につけているいないに関係なく、雷が鳴ったら安全な場所に避難しましょう。」夏の雷は午後から夕方にかけて発生しやすく、長時間継続する特徴があるそう。
アウトドアを楽しむ際は、こういった雷に関する知識や正しい避難方法を心得ておくことが、子供の命を預かる親の義務といえそうです。
保護範囲 (C)坂谷はるか