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子供の「中間反抗期」とは? 年齢・特徴・原因・接し方も紹介!

掲載日: 2019年12月11日更新日: 2019年12月11日飯田友美

子供が成長する過程で、親や家族、他人に対して抵抗や反抗的な行動をとる「反抗期」。一般的には、2歳頃に第一次、思春期に第二次があるといわれています。さらに近年では、その間に「中間反抗期」があるとされており、親にとっては子供への接し方が難しい時期でもあります。

そこで今回は、育児相談や心理相談などを専門とする「ほあしこどもクリニック」の帆足暁子先生に、中間反抗期の特徴や原因、対処法、親としての心構えなどを聞きました。

「中間反抗期」とは? いつから始まるの?

第一でも第二でもない「中間反抗期」は、いつ頃にあるものなのでしょうか。

「大人の行動や言葉を客観的に捉えられるようになったころに起こる反抗期のことで、時期としては、年長から小学校低学年頃に多くみられます

具体的に、中間反抗期の特徴や態度はどういったものでしょうか。

中間反抗期の特徴として、親に口答えをすることが挙げられます。子供とは思えないような表現や言葉遣いが増える子供もいますが、それは両親の日常会話などの環境から学習している場合が多いですね」

「まだまだ小さな子供だと思っていた我が子が、自分と同等の立場で反論してくることで、親はより反抗されていると感じることが多いです」

反抗的な発言が増えたり、言葉遣いが悪くなったり、大人の行動を冷静に見て批判するなどの言動が目立つようになるため、親にとっては子供への接し方が難しい時期でもあります。

中間反抗期が起きやすい子供の傾向は?

中間反抗期は、どの子供にも起こるものなのでしょうか。

「中間反抗期は、子供の自我が成長した証であり、大人になる準備とも言えます。そのため、第一反抗期を適切に体験してきた子供は、順調に中間反抗期を迎えます

第一反抗期に親が子供の欲求を受け入れ、十分な体験をさせてきた場合は、ごく自然な成長の過程として中間反抗期が起こるといいます。

第一反抗期に親が子供の言いなりで、何でも許されてきた子供にも起きやすいです。その場合、言えばどうにかなるという経験から、中間反抗期は言いたい放題になりがちです」

中間反抗期を迎えない子供もいるのでしょうか。

第一反抗期に厳しくしつけられたり、怖い思いをしたりして自分の思いを抑えられた子供は、中間反抗期が起こりにくいです。親に口答えをすることで自分が傷つけられると感じているためです」

「また、自我が弱い、周りの状況に関心がない、発達自体がゆっくりで自我の発達も遅い場合なども、この時期に中間反抗期を迎えないことがあります。とはいえ、子供の持って生まれた性格など個人差もあります。そのため、起きるからいい、起きないからいいというわけではありません

子供が言いたいことを言えるようになるので、親としてはつらい反抗期でもありますが、順調な成長過程と受け止めると少し楽になりますよね。


親が子供にイライラしてしまう理由と適切な接し方は?

中間反抗期の子供に対して、親がイライラしてしまうことが多々ありますが、どういった接し方がいいのでしょうか。

「自我が成長してくる中間反抗期の子供は、他者の言動を冷静に見られるようになります。誰に対しても、言動に矛盾や間違いがあると的確に指摘します。親としては、子供に間違いを指摘されたり、生意気な物言いで意見されたりすると、否定された気分になり、ついつい感情的になりがちです

「ママには『私が産んだ子供』という思いがあるので、生意気な口を利く子供を見ると腹も立つし、苛立ちがあるのも当然といえます。ですが、大切なのは親自身の間違いは素直に認めるという姿勢です

中間反抗期は子供の自我が成長した証です。感情的になって頭ごなしに否定するのではなく、子供の言うことが正しければしっかりと受け止めてください。もちろん、それが間違っている場合はきちんと伝えます」

子供が反抗したからといって、感情に任せて押さえつけるのではなく、正しいことは正しい、いけないことはいけないとはっきり伝え、一人の人間としてきちんと向き合って話をするのが大事なのですね。

向き合い方や伝え方で子供の言動も変わる!

子供の言い分が正しかったとしても、言葉遣いが悪い、人を傷つける言い方をしているなどの場合は、一度受け止めてからこうして欲しいという話をすると良いそう。

では、実際にどういった言葉を伝えると子供に受け止めてもらえるのでしょうか。

「たとえば、親が慌てていてお皿を落として割ったときに『あ〜あ、大人なのにまたお皿を割っちゃった!』と子供が言ったとします。その場合は『そうね、ママもがっかりして今すごく落ち込んでいるの。だからこういうときは大丈夫だよって励ましてくれるとうれしいな』と伝えると、子供は自分が一人の人間として接してもらえたと感じますし、この学びを友達関係など外の世界で生かせるようになります」

子供は、大人が自分の意見に耳を傾け、正しいことは正しいと認めてくれると、自分が大切にされていると感じて、自然と落ち着きます。そして自己肯定感が育ち、自分を大切にするようになりますよ」

どんな人間に育ってほしいかを考えながら、その思いを子供に伝えるつもりで接することが大切ですね。

中間反抗期をうまく乗り切るコツは?

イライラしたり、自分の育て方を責めてしまったりして落ち込む親も多いようですが、中間反抗期の子供と向き合う際のコツや心構えはあるのでしょうか。

「人は反抗されるとイライラするものです。ですが、中間反抗期は自我が成長したからこそ起こるもの。決して育て方が悪かったわけではないので、落ち込む必要はありません。子供の成長で必要な時期なのだと、ポジティブに受け止めましょう」

本当につらいときは、ひとりで抱え込まないことが大切です。同じ悩みを持つ親も多いので、孤立しないようにたくさん人を頼ってください。そのときに大事なのは、信頼できる相談相手を探すこと。相性もあるので、できるだけ色々な人と話してみると良いでしょう」

子供が生意気なことを言ったり、反抗したりするのも、成長の証と思えば少し心が軽くなるかもしれません。一人の人間として子供と向き合い、中間反抗期を乗り越えていきたいですね。

お話を聞いたのは…

  • 帆足暁子さん

    公認心理師。保育士資格・幼稚園教諭一種免許をもつ臨床心理士として、保育士・保健師・保護者等を対象とした研修会/講演会を全国で行っている。「親も子どもも大切にされていい」をモットーに、人間が幸せや充実感を感じて生きていかれることを願って、クリニックで育児相談・こころの相談に向き合っている。好きなことは仕事のおまけで行く友人との旅。

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ライター紹介

飯田友美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

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