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夏休みは川へいこーよ! 親子で川遊びのすすめ

掲載日: 2015年8月11日更新日: 2017年5月16日宮平なつき
夏だからこそ、親子で行って楽しみたい「川」。しかし、川に行っても、どのように過ごせば子供は楽しめる? どんなことに気をつければいいの?と不安なことも多いかもしれません。そこで、全国の川遊びスポット情報を集めたサイト「川遊びマップ」のコーディネーターをしている伊藤匠さんに、川の魅力や川遊び初心者でも楽しめるコツを伺いました。

川遊びの最大の魅力は、生き物と触れ合えること。

川といえば、水に触れて涼を感じることができたり、水の音を聞いたり、流れを見たりしてリラックスできるなどを想像しますよね。しかし、それはプールでも体感できる、と伊藤さん。「川とプールとの違いは、生き物がいることなんです。水面の下には、外から見るのとは違う世界が広がっていて、実際に入ったり、のぞいて見ることで川の本当の魅力を体感することができると思います。」

また、川は上流・中流・下流と、場所でも楽しさが変わるそう。「川は、遊ぶ場所によって棲んでいる生き物も、景色も、周囲の自然環境も違ってきます。子供といっしょに下流から上流に散歩して、その変化を楽しんでみるのもいいかもしれません。大きな川の場合は移動が大変なので、『今日は下流だから、来週は上流に行ってみようか』と週ごとに遊ぶ場所を変えると、子供たちにも飽きがこないはず。」

川の流れや深さを確認して、遊ぶ範囲を事前に決めて

川は子どもと遊ぶのに魅力的な場所とはいえ、様々な表情があるのがこわいところです。川で遊ぶ際に心得ておくべき、注意点とは?

まず、気をつけたいのは天気当日の天気だけでなく、前日に雨が降ったかどうかもチェックしておくことが大事だそうです。

「行く場所が決まったら、行く日だけの天気だけでなく、その前日の天気もチェックしておいてください。前日に雨が降った場合は、水かさが増えている川が多いです。また、当日の天気で注意して欲しいのは、今いる場所で雨が降っていなくても、上流で雨が降っていたりすると、水かさが急に増えるということ。上流側に雨雲が見えたり、雷鳴が聞こえたりした時は、すぐに避難するようにしてください。」

さらに! こんな状況の時は川の危険のサイン

  • 「ゴロゴロ」「ザワザワ」など山全体からうなっている音(山鳴り)がする
→雨の影響で地面がゆるくなってきていて、山の斜面が移動しているために生じる現象です。
  • 川の水が急に冷たくなる
→上流で、雨が降っている時に生じる現象です。
  • 水が濁ったり、木や落ち葉が流れてくる
→山腹から、土や砂が混ざり合った水が流れ始めていることを示唆しています。
  • 雨が降っているのに水かさが減っている
→川の上流で崩れた土砂が渓流をふさいで水を貯めている時に生じる現象です。雨によってできた天然のダムが決壊すると土石流となって下流へ流れます。
  • 腐った土・火薬のようなニオイがする
→雨の影響で山の地面の土がゆるんで動くので、その際に土の中にあるガスが漏れ出すため。

これらは、天気が急に崩れて川が増水したり、土砂災害が起こる前兆のサインです。
すぐに川から離れましょう。

また、これから遊ぶ川のどこに危険があるのかを、川に入る前に大人がチェックしておくことも必要だとか。

流れが速くなる場所や急に深くなる場所があるので、子どもが川に入る前には必ず大人が確かめてください。見ただけでは、危険な場所がわかりにくい場合もあるので、現地の人や川の管理者などに確認をするのもよいですね。そのうえで、子供たちと遊んでいい範囲を決めておくことが大事です。」

ライフジャケットと履き慣れたスニーカーは川遊びに必須

では次に、川遊びに必要な物や、持っていくと便利なものなどを教えてもらいました。

準備したいもの

□ライフジャケット(川に入る場合は必ず着用)
□帽子
□長袖の服
□ウォーターシューズor履き慣れたスニーカー
□サンダル
⬜︎タモ網
⬜︎バケツ
□タオル
□ゴミ袋
□カットバン(絆創膏)
□虫除けスプレー

ライフジャケットは川へ入る予定があるのなら必ず装着を。水難事故を防ぐ強い味方です。もし事故にあっても、助かる確率がぐんと高くなります。また、川の底は石がゴロゴロしているので、ウォーターシューズかスニーカーを履くと、足のケガ防止にもなります。サンダルだと脱げてしまい、それを追いかけて溺れてしまうなどの事故も多いです。ウォーターシューズのほうが脱げる心配もなく、思い切り川遊びを楽しめますよ。」

ライフジャケットは、アウトドアショップなどで子供用なら2000円台から購入できるようなので、購入しておくと良さそうです。帽子や長袖の服は、日焼け&虫さされ防止に役立ちます。

泳ぐだけでなく、水中の生き物を観察したり、捕まえよう

冒頭にもお伝えしたように、川の魅力は「生き物と触れ合えること」。水中の生き物を観察したり、捕まえて触ることができるおすすめの川遊びが次のふたつです。

ガサガサ

「ガサガサ」とは、魚取り用のタモ網で、川や池、水路などに棲む生き物を捕まえる遊びです。
「網ひとつあれば、ちいさな子供でもかんたんに楽しめます。草の下を足で蹴ってガサガサしたり、石をひっくり返したり、川底をかき混ぜたりすると、生き物が出てきて、網の中に入って来ますよ。」

箱メガネで動きの早い魚を観察

「箱メガネ」は、川で水中を透視するための道具。底に透明なガラスなどをはめているので、川底の魚を眺められます。

「泳げなくても、もぐれなくても、水中の世界を見ることができるので、子供にはとても魅力的な遊びだと思います。また、箱メガネで水中を見ながら、モリなどを持って魚を捕まえてみる遊びをするのも楽しいですよ。」

箱メガネが無ければ、プラスチックの水槽でも代用可能。「箱メガネは個人でしか水中を楽しめませんが、水槽だと、親子で水中を観察できるので、子供が小さい場合は水槽のほうがいいかもしれません」と伊藤さん。

生き物にとって棲みよい環境がそれぞれ違うので、下流域、中流域、上流域と遊ぶ場所を変えれば、その環境ごとに違った生き物や魚を観察することができるそうです。

川遊びに最適な川は、水際まで直接降りられるところ

家の近くに川があっても、堤防があったり、柵があったりと、子供を安心して遊ばせられそうな場所を見つけるには大変ですよね。

そこで今回は特別に、都内近郊でおすすめの川を伊藤さんに教えてもらいました。

・野川公園(東京都三鷹市)
「崖線沿いにはいくつかの湧水群と豊かな森があって、だれもがかんたんに水際まで降りられます。水の流れも速くないので、子供が遊びやすい川です。」

・落合川いこいの水辺(東京都東久留米市)
「透明度の高い川で、ここも遊歩道から直接水辺に降りられます。川の水も浅く、ゆるやかな流れで、子供たちが気軽に川遊びを楽しめます。」

・三内川 (東京都あきる野市 深澤渓自然人村付近)
「透明度が高いので泳ぐのに最適です。また、キャンプ場なので受け入れ設備が整っていて、予約をすれば、BBQや薫製づくり体験など川遊び以外のアクティビティも楽しめます。」

・多摩川(東京都西多摩郡奥多摩町 鳩ノ巣渓谷寸庭橋 付近)
「ウォーキング推奨コース内のスポットで、新しい公衆トイレもあるので便利。河原が広く、BBQなどを楽しめたり、渓谷の雰囲気や涼も十分に感じられる場所です。」


安全にさえ気をつければ、川は、家族で自然と触れ合えるよい場所です。自然と触れ合う機会が減っていると感じる方、子供に自然の楽しさを体験させたい方は、ぜひ川に足を運んで、楽しい夏の思い出を増やしてみてはいかがでしょうか。

お話を聞いたのは…

  • 伊藤匠 さん

    一般社団法人ClearWaterProject所属。運営サイト『川遊びマップ』のコーディネーター。『川遊びマップ』はケータイアプリでも展開中。近くて、今すぐ行ける川と周辺情報がひと目で分かる。

  • 川遊びマップ
  • ClearWaterProject
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ライター紹介

宮平なつき

フリーライター。美容、健康、ダイエット、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。最近の最も気になることは、甥と姪の成長。

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