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大学生が子育てをサポートするインターンプログラムとは?

掲載日: 2015年10月8日更新日: 2015年10月8日門馬 聖子
大学生へのキャリア教育として、週1~2回、共働き家庭に大学生を子育てサポーターとして派遣するインターンプログラムがあるとか。パパ・ママとしては、通常よりも手頃な料金で子育てサポートを依頼することができると人気だそう。いったいどんな内容なのでしょう。

将来に役立つワーク&ライフ・インターンとは?

大学生のベビーシッターといえば、欧米諸国ではメジャーな学生アルバイトのひとつですが、日本ではあまりなじみがありません。そんな中、スリール株式会社は、大学生を子育てサポーターとして家庭に派遣するインターンプログラムを開始。就業前に「子育て体験」することで、将来の働き方を想像し、進路やキャリアについて具体的に考える機会を設けています。名づけて、ワーク&ライフ・インターン。さっそく内容を見てみましょう。

派遣されるのは厳しい選考を通過し研修を受けた学生

インターンに申し込んだ学生は、まず小児救急や子どもの発達段階についての研修を受けます。その後、1カ月の慣らし期間を経て、受け入れ家庭で週1回~2回、月6回のペースで、計4カ月間の「子育て体験」をします。この際、学生は2人体制。子どもから目を離さないこと、学生同士フォローし合えることが目的ですが、私たち親にとっては、この2人体制が大きな安心材料になっていると感じます。

インターンに登録するには、A4用紙5枚~6枚のエントリーシートの選考と電話面接が必要なため、4カ月のインターンをやり抜く覚悟のある学生のみ採用しています。これまで400名を超える学生が参加しましたが、途中で離脱した人はほとんどいません。学生は、お子さんと仲良くなれるばかりでなく、仕事と家庭を両立するパパ・ママの姿を間近に見て、直接話を聞いて、かけがえのない経験を得ています。」

そう話すのは、スリール事務局の間瀬友里恵さん。そう、このインターンプログラムは、子どもとの触れ合いを通して子育てを学ぶほか、受け入れ家庭のパパ・ママとのコミュニケーションが目的でもあります。こうした経験は、就職活動での企業選びから面接試験、そして就職後の働き方にじかに生きてくるのです。

「受け入れ家庭」になるためには

4カ月間のプログラムでは、子育て体験のほか、月1回の研修、社会人になんでも相談できるメンター制度もあり、サポート体制も万全です。では、受け入れ家庭にとっては、どんなよさがあるのでしょうか。

受け入れ家庭の条件は、共働き家庭であること。そして、学生の成長を応援しようという気持ちがあること。子どもの対象年齢は、学生とコミュニケーションを深めやすい2歳~小学3年生。月6回を継続して4カ月間のプログラムの料金は、月額35,000円(税別)。

子どもをあずけられる時間は、平日の夕方と土曜日。平日は、保育園のお迎えからスタートし、用意しておいたごはんを食べさせる、お風呂に入れる、寝かしつけなど、夜10時頃まで過ごします。もし親が予定より早く帰ってきても、そのまま寝かしつけまでお願いしてもOK。共働き家庭にとっては一番バタバタする多忙な時間。子どもとコミュニケーションとりながら食事や寝かしつけをしてくれるのはじつにありがたい存在です。

土曜日は、保育園がお休みなら、一緒に公園で遊んだり近場に出かけたりして過ごすことも。また、兄弟姉妹がいる場合、ママが赤ちゃんのお世話をする間、上の子を遊ばせてもらうという依頼もできるそうです。

プログラムの期間は、春クール(3~6月)、夏クール(7~10月)、冬クール(11~2月)の3回。途中月からのスタートはできません。またサービスの地域は首都圏とその近県3県のみ。「地域が広がれば学生は、自分の通う大学近くの家庭に行くことができます。このプログラムを全国に広げていくことが現在の目標です」と間瀬さん。

パパ・ママにとって何よりうれしいこと

パパ・ママにとっての大きな魅力は、子どもと年の近い学生が体当たりで遊んでくれること。子どもがこの日を心待ちにする姿は、何より仕事への励みになるそうです。また、「学生さんがパパ・ママに代わり2人で協力してがんばってくれる姿勢に感動しています」とか「大学生とのお茶やランチからパワーをもらっていました。親戚が増えたような素敵なご縁に感謝します」という声も。

学生、子ども、親それぞれの笑顔を見えるようなプログラム内容を知ると、一般的なベビーシッターと比べて料金もお手頃だと感じました。

長い目でみつめた「子育て支援」

ただ、子育てサポートをお願いする側としては、保育園に子どもをあずけられない専業主婦家庭にも必要な気がするし、急な用事で人手がほしい「単発」でもお願いできるとありがたいのですが…。間瀬さんはこう答えます。

当プログラムは、子育て支援が目的というより、あくまで大学生のキャリア教育や長期的な関係性づくりが目的です。皆さんからいろいろな声をいただきますが、ご家庭と学生の継続した信頼関係を築き、子どもが安心できる環境をつくるためにも、週1回~2回顔を合わせる現在のシステムになりました。」

なるほど、ただ「子どもを見てもらおう」ではなく、「学生を応援することで、子育てしながら働きやすい社会をつくろう」というひとつ大きな視点が必要となるのでしょう。「学生と受け入れ家庭の育ち合いのプログラムです」という理由がわかった気がします。

お話を聞いたのは…

  • スリール株式会社

    代表取締役社長・堀江敦子(ほりえあつこ)。「誰もが笑顔で自分らしい人生を生き、笑顔で子どもを生み育てられる社会」を目指し、日本初家庭内インターンシップ「ワーク&ライフ・インターン」などの事業を展開。

  • スリール株式会社

ライター紹介

門馬 聖子

1975年生まれ。書籍編集、建築インテリア誌編集を経てフリーに。双子の娘を出産後、計2年間、韓国・ソウルに滞在。娘が4~5歳の時、1年半のカナダ親子留学を決行。外国へ行くたびに「日本の美」への慕情を募らせる。学生時代からの趣味「地方の祭り巡り」をいつか娘たちと…と楽しみにしている。

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