もうすぐお正月。初詣でおみくじを引く人も多いと思いますが、小吉や末吉など、おみくじ結果の細かい優劣や引くときのマナーは案外知らない方が多いのでは?そこで、そんなおみくじ雑学を、専門家に聞いてみました。正しい知識を教えてあげれば、子どもも、もっとおみくじを楽しめるようになりますよ。
親子におすすめのお正月イベントをチェック!まずは参拝してから!おみくじの正しい作法

初詣でおみくじを引く人が多いですが、おみくじはそもそも、どういうタイミングで引くものなのでしょうか?
「おみくじは“今年の運勢”ではなく、引いたそのときの“今の運勢”を見るものなので、初詣に限らず、運勢を知りたいときや何かアドバイスがほしいときなど、いつでも気軽に引いてもらってOKです。」
こう答えてくれたのは、神社仏閣の楽しみ方について数多くのコラムを執筆し、おみくじウォッチャーとしても活躍中の鏑木麻矢さん。
気軽にとはいえ、おみくじを引くときは、守ってほしい最低限のマナーがあると言います。
「おみくじを引く前に、まずは必ず参拝を。その場の神様仏様のお力を借りるわけですから、敬意を表するのは当然のマナーです。」
きちんと手を合わせ、神様仏様を敬うという最低限のマナーさえ守れば、そのほかの作法やルールは基本的に自由だそう。
「ただし、寺社個別での指示があった場合は、そのルールに必ず従ってくださいね。」
小吉や末吉どっちが上? ランクよりも内容が大切!

末吉や小吉など、似たような名前が多く、どちらのほうが運勢が良いのかわかりにくいおみくじ。鏑木さんに教えてもらった運勢の優劣は下記の通りです。
大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶>大凶
とはいえ、これはあくまでも一般的に言われている順位。場所によって違いもあるため、順位だけでは割りきりにくいと鏑木さんは話します。
「例えば “末吉”は、一見微妙そうに見えますが、添えられている漢詩などからは『末に(あとで)吉になる』という良い意味も含まれていることがわかります。ランクにこだわるよりも、書かれている内容に注目したほうがいいですね。」
「また、上であげた7つ以外にも、普通を意味する“平(たいら)”や、良いことも悪いこともあるという“吉凶相交(きっきょうあいまじわる)”、これから強運になっていく“向大吉(むこうだいきち)”など、寺社によって変わり種が入っているところもあります。こういった珍しいものの発掘も、おみくじを引く楽しみのひとつですよ。」
結果が気に入らなくてもう一度引くのはNG!?
では、おみくじを引く回数などに制限はないのでしょうか?
「良い結果が出るまで何度も引こうとする人がいますが、『結果が気に入らない』という理由で複数回引くのは、あまりおすすめできません。むやみやたらに引いても、不思議と似たような結果ばかりでさらにイライラ・・・、ということも少なくないもの。出てきたものが今の運勢だと割り切ることも大切です。」
それでも「やっぱり1回では納得できない!」という人には、こんな方法も。
「三回引いて、それらを自分なりにつなげて読み解くというやり方も俗説にはあるようです。どうしても一度で気がすまないなら、参考にしてみても良いかもしれませんね。」
引いたおみくじを木に結ぶのは絶対にNG!

引いた後のおみくじの扱いで「大吉は持ち帰り、それ以外は木に結ぶ」とよく聞きますが、これは正しいのでしょうか。
「どれが正しい、正しくないということはないのですが、寺社に植えてある木に結ぶのだけは絶対にNG! 木にダメージを与えてしまいます。寺社が決めた所定の場所があるはずなので、そこに結びましょう。」
結ぶことは、神様仏様とのご縁を結ぶ意味合いになるのだそう。所定の位置であれば、運勢の種類にかかわらず結んで良いそうです。
一方、良くない結果を持ち帰るのも特に問題はないのだとか。
「大吉を持ち帰って御守りがわりにするのも良いですが、それ以外の結果でも、思い出として大事に取っておいても良いですし、あえて凶を持ち帰って戒めにするという使い方もあります。自分なりの粗末にならない保管方法であれば、どんな運勢のものでも持ち帰っていただいて大丈夫です。」
鏑木さんは、引いたおみくじをすべてクリアポケットに入れて保管しているのだとか。ちなみに、おみくじは基本的に御守りと同等なので、不要になったからといってゴミ箱に捨ててはダメ。近くの寺社の古札納所に納めてくださいね。
おみくじの楽しみ方とは?
「めったに行かない旅先など、いろんな寺社で個性的なおみくじを引いてみるのもおすすめ」と鏑木さん。
「おみくじの種類によって、運勢を読む切り口も変わってくるはずですし、見比べてみるのも楽しいもの。最近は、オマケで可愛い御守りマスコットなどがついているものも多いので、集めたくなってしまうかもしれませんよ。」
いろんな種類があるおみくじ。子どもが楽しめそうなおみくじには、どんなものがあるのでしょうか?
「成田山の“愛染明王縁結びおみくじ”や高尾山の“天狗の落とし文”など特定の神仏のキャラクター性を打ち出したもの、祭神による和歌があるもの、古事記の場面や源氏物語五十四帖から占うもの、水木しげる先生や鬼太郎に関わる場所で見かける“ゲゲゲの鬼太郎おみくじ”、柴又帝釈天の“寅さんおみくじ”といった、その寺社にゆかりのある神仏やエピソードにちなんだユニークなものがたくさんありますよ。」
こうしたおみくじは、引いた自分たちも物語の一部として、歴史や神話とつながれるのが魅力なのだとか。
「いわばちょっとした体験型アトラクション。おみくじを通して、その場に込められた物語をよりいっそう楽しんでみれば、大人も子どもも世界が広がるのではないでしょうか。」
神仏に触れることで心が豊かに
また、おみくじを引くことで、普段あまり意識することのない神仏が、ぐっと親しみやすい存在になるそう。
「おみくじは、神様仏様が気軽にアドバイスをくれたり、悩んでいるときに背中を押してくれるもの。そうして神仏を身近に感じることで、命や心を大切にする生き方が自然と身に付いていきます。普段の生活で神様仏様を意識することはなかなか少ないと思いますので、おみくじはそのきっかけを作ってくれる存在かと思います。」
おみくじには教訓が込められているものも多く、それを直に自分へのメッセージとして受け取れるため、人生の学びになることもありそうだと鏑木さん。
子どもが神仏をもっと身近に感じられるように、少し珍しいおみくじを探して、家族で神社仏閣巡りをするのも楽しいかもしれませんね。
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