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スポーツをする子どもに「プロテイン」を飲ませても大丈夫?

掲載日: 2016年9月6日更新日: 2016年9月6日井上マサキ

野球やサッカーなど、運動系の習い事をしている子ども向けに「ジュニアプロテイン」というものがあります。プロテインといえばアスリートやボディビルダーが飲んでいるイメージがあるもの。子どものうちからプロテインを飲んでもよいのでしょうか…? プロテインの大人用とジュニア用の違いや飲み方など、専門家にうかがいました。

そもそも「プロテイン」とは?

お話をうかがったのは、株式会社明治スポーツ栄養マーケティング部の松崎愛さん。そもそもプロテインとはどういうものなのでしょうか?

「プロテインとは英語でたんぱく質(protein)のことです。たんぱく質は筋肉や骨、血液、内蔵、皮膚などを構成するための大切な栄養素。筋肉などがダメージを受けたとき、修復のためには『材料』となるたんぱく質が必要なため、スポーツをする人はより多くのたんぱく質が必要となります。」

アスリートが飲む「プロテイン」の多くは、たんぱく質以外にも栄養素が含まれているのだとか。

「例えば弊社の製品である『ザバス』では、たんぱく質だけでなく、ビタミンB群といったたんぱく質の代謝に必要な補助成分や、アミノ酸、鉄、カルシウムなどが含まれている商品もあり、食事では補いづらいたんぱく質以外の栄養素も効率よく摂ることができます。」

最近ではプロテインが、カラダを引き締めたり、健康づくりなどスポーツに限らない目的で利用も増えているそう。松崎さんによると「健康やスタイルを意識している30代40代の男性のプロテイン摂取が増えており、ここ数年は市場も伸びています」とのこと。

プロテインは「筋肉がムキムキになる薬」というわけではなく、カラダづくりに必要な栄養を補うものなんですね。


ジュニアプロテインは大人用とどこが違うの?

では、ジュニアプロテインは大人用のプロテインとなにが違うのでしょうか? その違いは「成長のために必要な栄養素」にありました。

10歳を超えると、とくに運動をしていない子供でも大人と同じくらいの栄養素が必要になります。子どもは大人と比べて新陳代謝が早く、成長のためにカラダを作る『材料』が不可欠だからです。」

「さらに、運動をしている子どもの場合は『日常生活に必要な栄養素』『成長に必要な栄養素』に加えて『運動に必要な栄養素』の3つを意識せねばなりません。全体的に栄養が不足してしまうと、成長に使われるはずの栄養が運動にまわされてしまう可能性が高まるのです。」

しかし、栄養を摂るためにたくさん食べればよい……とは単純にいきません。

「子どもはカラダがまだまだが小さく、一度に食べられる量や吸収にも限界があるため、間食(補食)によって食事の回数を増やす方法も有効です。とくに運動をするお子さんは、運動前や運動後の補食を積極的に摂りたいですね。」

しかしながら、なかなか補食を取れない現状もあるとのこと。そこで、運動をしている子どもたちが、成長に必要な栄養素を十分に摂れるように考えられたのが「ジュニアプロテイン」なのだとか。

「ザバスジュニアプロテインの場合、10歳〜14歳の食事調査を行ったデータから、不足傾向にあった栄養素に注目し、食事では不足傾向にある足りない栄養素を補えるよう設計しています。ジュニアプロテインは大人用と比べてたんぱく質の量が少ないこと、鉄、カルシウム、ビタミンDなど成長に役立つ栄養素が含まれていることが特徴です。」

麦芽飲料や肝油といった子どもの栄養補助食品はほかにもありますが、ジュニアプロテインはスポーツをする子供に特化しているのが特徴なんですね。

また、松崎さんによると、一部で「プロテインを飲むと筋肉がつき、身長が伸びなくなる」という誤解があるそう。

「プロテインを飲めば必ず筋肉がムキムキになるわけではありません。プロテインは食品であること、プロテインに含まれるたんぱく質は筋肉だけでなく骨を形成する材料にもなるので、どちらかと言えば成長をサポートすることにつながるものです。」


「運動後30分以内」と「寝る1時間前」に飲むのがおすすめ

せっかくジュニアプロテインを飲むなら、最もカラダに効率的な飲み方やタイミングで飲みたいもの。いつどのようにして飲むのがベストでしょうか?

「ジュニアプロテインは牛乳や水に溶かして飲むのが基本です。飲むタイミングは、運動後30分以内がゴールデンタイムと言われています。運動後にはカラダの回復や成長のためのと指令を出す『成長ホルモン』が多く分泌されるため、このタイミングでたんぱく質をとるとカラダへの吸収が良いことが分かっています。また、成長ホルモンは就寝時にも多く分泌されることから、消化吸収を考えると寝る1時間前に飲むのもおすすめです。」

牛乳に溶かして飲んだほうが、より多くの栄養素を取り入れることができるそう。ただ、プロテインを毎日必ず飲む必要はないのだとか。

「プロテインはあくまで栄養補助食品ですので、食事で栄養が補えないとき、激しい運動が続いているときなどにプラスすることから始めてみてもいいでしょう。」

「例えば、お母さんが忙しくて朝食がパンと牛乳のみになってしまうようなとき。朝食をしっかり食べないと、昼食・夕食で1日に必要な栄養素を取るのは困難です。栄養を補う選択肢として、ジュニアプロテインも候補にいれていただければと思います。」

また、松崎さんによると、ジュニアプロテインのターゲットは10歳以上だそう。9歳以下の子どもが飲んでも問題ないのでしょうか?

「スポーツを幼稚園の年長さんから始めている子や小学生低学年が飲んでも、食品なので悪いことはありません。ただし、プロテインで栄養摂取することよりも、内臓を鍛えること、味覚を育てること、食事そのものを楽しんだり、興味を持ったりすることを大切に、普段の食事を主に考えていただけたらと思います」

ジュニアプロテインは栄養を補助するものなので、あくまで大切なのは普段の食事。毎日栄養バランスを考えるのが大変…というときに、ジュニアプロテインのことを思い出してみてはいかがでしょうか。

お話を聞いたのは…

ライター紹介

井上マサキ

1975年生まれ。小学生の娘と保育園の息子を持つ二児の父です。SE時代に会社で男性初の育児休暇を取得。フリーライターに転身後も家事育児を続け「ほぼ主夫」状態に。IT、ネット、スマホが得意分野。路線図が好きで、額縁に入れて飾るほど。

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