片付けたはずなのに、気づくと机や床に散らかっている、おもちゃや洋服。「なぜ我が家はいつまで経っても片付かないの…!?」というママのために、無理なく続けられる片付けの方法を「かたづけmom」主宰で、片付けアドバイザーの小関祐加さんに伺いました。
「子どもが自発的に取り組めるお片付けテク」はこちら片付けたいのに片付かない!その理由は几帳面&完璧主義

片付けで悩むママは多いもの。いったいなぜ、片付けができないのでしょうか?
「まず、片付けが苦手な人は、大きく3タイプに分けられます」と小関さん。
片付けが苦手な人の3つのタイプ
- 【自分も親も片付けが苦手な人】そもそも片付いた状態がわからない
- 【親は片付け上手だが自分は苦手な人】片付いた状態は知っているが、片付け方がわからない
- 【元は片付け上手だったが、出産・育児・復職をきっかけに、できなくなった人】前のようにきちんとできないぐらいならもう片付けはやらない
片付けで悩むママには「3」のタイプが多いそう。
「片付けが苦手な人ほど、じつは几帳面で完璧主義です。目標を高くしすぎてしまい、最初からあきらめてしまうか、継続できない方がほとんどです。ママの多くは、片付いた部屋=テレビや雑誌で見たオシャレな空間だと思い込んでいます。そこで、見本通りビンや箱に細かにラベリングをして『見せる収納』を目指すのですが、家事や育児に追われる中で、細かな作業を継続することができず、結局途中で挫折してしまうのです。」
「オシャレな空間」ではなく、「小ぎれい」を目標に!
「私の経験上、雑誌のようなオシャレな空間を再現できる人は世の中の1割以下。あとの9割以上の人はできないのが普通です! 片付けのコツは、完璧を目指さないこと。完璧な整理整頓を求めると、継続することができません。自宅がオシャレな空間である必要はありません。物があるべき場所に納まった『小ぎれい』な空間で十分なのです。」
几帳面で完璧主義な人は、100%理想通りにできないとダメだと思いがち。しかし、片付けは少しずつでも継続することに意味があるので、まずは片付けに対する自分の中のハードルを下げてあげることが大切なのですね。
忙しい人ほど「一日完結の片付け」がオススメ

小関さんはこれまで9年間で約400軒のお宅に伺ったそうですが、ここ数年は依頼者の約7割が共働きのママとのこと。
「片付けができない理由の1つに忙しさがあります。忙しいと『時間があるときにまとめて片付けよう』と、どうしても後回しにしてしまいがち。でも、ためればためるほど、片付けにかかる時間は増えていきます。その結果、週末に1日掛かりで片付けをすることになり、余計に苦手意識を持ってしまうのです。そこで、忙しいママにオススメしたいのが、『一日完結の片付け』スタイルです。」
「毎日、夕飯前と寝る前の最低2回、テーブルの上や床のおもちゃを片付けます。その日に出した物をしまうだけなので、片付け先さえ決まっていれば数分でOK。これだけの手間で、週末は片付けに追われることもなく、きちんと休むことができるのです。片付けは『あとで楽するために今できることをやる』という姿勢が大切です。」
洗濯物も「一日完結」がオススメ
小関さんいわく、洗濯物もなるべくためずに、「一日完結の片付け」がいいのだとか。
「その日のうちに片付けるためには、しっかり乾かすことが必要です。洗濯物は夜のうちにタイマーをかけ、朝起きてすぐに干すのがポイント。15時以降に帰るなら、最初から部屋干しにしたほうが乾きます。部屋干しは、一番日当たりの良い部屋の窓辺に。窓辺に干せるグッズを利用するのがおすすめです。」
「取り込む際は、ピンチやハンガーから外すと同時に、その場で畳んでカゴに入れるようにします。折り目正しくなくとも適当に畳めば十分です。『きちんと畳もう!』より『丸めてでも引き出しへ!』が大切。そのまま洗濯物の山になるより、ずっといいと思います。」
毎日の片付けがどうしても難しい場合は?
「一日完結の片付け」のメリットはわかっていても、忙しくてどうしても毎日片付けができないこともありますよね。そんなときは、「床やテーブルの上に出しっぱなしにしない」という目標で十分だとか。
「大きめの引出し、カゴ、ファイルボックスなどを用意して、書類系、おもちゃ系、文具系、薬系などおおざっぱな分類を作ります。出しっぱなしにせず、とりあえずそこに投げ込むだけでOK。あとは気持ちに余裕のある時に、引き出しや箱の中の見直しをしましょう。」
細かく分類しないで投げ込むだけなら、忙しい毎日でも続けることができそうですね!
部屋を片付けるとこんなにメリットがある!

小関さんいわく、片付けには見た目の変化だけではなく、さまざまなメリットがあるそう。
親にとっての片付けのメリット
- 心に余裕がもて、子どもと落ち着いて向き合う時間が取れる
- 掃除が楽になり、家事動線が良くなる
- 物が「出しっぱなしになっている」ことを認識し、片付ける習慣が身につく
子どもにとってのメリット
- 家庭でくつろげ、オンオフの切り替えがしやすくなる
- 探し物が減る
- 効率的に学習ができるようになる
「片付けをする最大の目的は、家族みんながくつろげる、よりよい環境づくりをすること。子どもがニコニコしている家庭は、ママの表情もキラキラしているものです。子ども目線で家に帰りたくなるおうちになるよう、できることから少しずつでも始めましょう!」
片付けは完璧を目指すよりも、まずはできることから少しずつ始めて、それを毎日継続することが重要です。家族のためにも、無理のない、自分にあった片付け方を見つけられるといいですね。