秋から一気に寒くなり、いよいよ冬本番。今年こそ、子どもをスキーやスノーボードに挑戦させたいと考えているパパママも多いのではないでしょうか。とはいえ、どちらもケガや転倒のリスクがあり、安全性が気になるところ。そこで今回は、メリットデメリットを踏まえて子どもにスキーとスノーボードのどちらを先にやらせた方がいいかを聞きました!
スキーデビューに最適! 親子におすすめのスキー場特集はこちら結論! 子どもには「スキー」がおすすめ!
スキーとスノーボードはウィンタースポーツの代表格。最近は小さいうちからスノーボードをする子どもも増えています。そこで、スキーとスノーボードの子ども向けスクールを開催している「ふじてんスノーリゾート」の副支配人・日原万博(ヒハラカズヒロ)さんに、スキーとスノボーのどちらから始めることをおすすめするのかを伺いました。
「結論からいうと、小さなお子さんが初めて体験するならスキーをおすすめします。スノーボードは、スキーよりも体への負担が大きく、転倒する回数も多いため、ある程度の年齢にならなければ危険が伴います」
スキーは子どもからお年寄りまで楽しめる生涯スポーツ。ふじてんスノーリゾートでも、幼児向けにスキーを教える「キンダーレッスン」には4歳から参加できるそうです。一方で、スノーボードの「ジュニアレッスン」は小学校1年生から。転倒も多いため、生涯スポーツとはいえそうにありません。
スキーとスノーボードの違い:(1)姿勢
また、スキーとスノーボードの大きな違いは「姿勢」にあるといいます。
「スキーは両足に1本ずつスキー板を履くため、止まっている状態でも立っていられます。つまり、普段生活している姿勢に近いということです。板のテールを広げて八の字型にする『プフルークボーゲン(通称ボーゲン)』を覚えれば、スピードをおさえながら安定して滑ることができますし、手に持ったストックで体を支えることもできます」
「それに対してスノーボードは、両足をボードで固定された状態です。ある程度のスピードで滑っている状態でなければ立っていられません。最初から座っている、もしくは転んでいる状態です。しかも滑るときは横向きですから、日常生活にはない姿勢をとることになります。当然、スキーと比べて難易度や危険性は高くなります」
日原さんいわく、「リフトで上がった初心者が下りてくるまでに、1回も転ばないことを目指すのがスキー、10回以上転ぶことを覚悟するのがスノーボード」なのだとか。
スキーとスノーボードの違い:(2)使う筋肉
使う筋肉にも差があるといいます。
「スノーボードで疲れるのは、転んで起き上がるときです。腕、足、腰、腹筋など全身の筋肉を使うため、転ぶ回数が多いほど疲労も大きくなります。一方、スキーで最も使う筋肉はボーゲンのときの内股の筋肉。スノーボードほど転びませんので、当然疲労も少なくてすみます」
初心者がスノーボードを終えて筋肉痛になるのは、足ではなく起き上がるときに使う腹筋だそうです。
スキーとスノーボードの違い:(3)転び方
転ぶ回数だけでなく、「転び方」にも違いがあるといいます。
「一定の衝撃で足から外れるようになっているスキー板に対して、スノーボードは固定されたまま。体が勢いよく投げ出され、雪についた手を骨折したり、頭を打ったりすることがあります。一番危険なのは、スノーボードで後ろ向きに、谷側に向けて転ぶときです。高さがあるうえに、後頭部を打ってしまいかねません」
スノーボードで転ぶときは、手を最初につくと、手や肩のねんざや打撲、そして骨折の危険があるそうです。そのため、大きな筋肉がクッション材となるお尻からつくよう指導しているそうです。
スキーとスノーボードを始めるのに適した年齢は?
思った以上に難易度と危険性に差のあるスキーとスノーボード。日原さんのおすすめ通り、まずはスキーから始めるのがよいでしょう。では、それぞれ何歳から始めればいいのでしょうか?
「個人差もありますが、4歳くらいになればスキーに挑戦してもいいですね。もちろん極めようとすれば奥深い世界ですが、その日からいきなり滑れるようになるとっかかりのよさがスキーにはあります。我々のスクールでも、ほとんどの子が『楽しかったぁ!』と言って帰っていきますよ」
スキーで雪山を滑る楽しさを十分に味わってから、いざスノーボードへ。その時期は?
「スノーボードは転ぶことが前提のスポーツ。最初は10回転んだのが5回になり、やがて0回になる。その上達を実感したくて、子どもは何度転んでも挑戦し続けます」
「また、両手がフリーになっているため、解放感とスリルもスキーよりずっと高いでしょう。それだけに小学生以上、できれば骨格がしっかりしてくる高学年まで待ちたいところです」
すでに小学校の高学年以上の子どもでも、初めて挑戦するならやはりスキーがおすすめなのだとか。その理由は?
「スキーを経験している子は、雪を滑る感覚を知っている分、いきなりスノーボードに挑戦した子よりも上達が早くなります。また、最初のうちはスノーボードのほうが難しいので、子どもの心がくじけてしまいがち。まずスキーで、『こんなに楽しいんだ!』という経験をさせてあげてください」
「いちばん大切なのは、雪山を好きになること」だと日原さんはいいます。
3歳以下の子どもは雪に慣れることからスタート
3歳以下の子どもにおすすめなのが、そりや雪あそび。例えば、ふじてんスノーリゾートでは、まだスキーができない子ども専用ゲレンデ「ちびっこ愛ランド」を設置しています。
「一番人気は『そり』。ゆるやかなゲレンデをつくり、全長50mの『動く歩道(ムービングベルト)』で上がることもできます。『雪遊びゾーン』では、雪のミニ富士山やすべり台などの遊具も充実。ここで思う存分に雪遊びをし、『雪が楽しい』『滑るのが楽しい』『寒くても楽しい』という感覚を覚えていだだければと思います」
ちびっこ愛ランドは、スキーとスノーボードを安全に楽しめるミニゲレンデやママ向けの授乳室なども完備。最近はキッズエリアを用意しているスキー場が増えているので、探してみてはいかがでしょうか。
安全にゲレンデを楽しむならスクールに参加しよう
スキーもスノーボードも、自然の中で楽しむスポーツ。天候や雪質でコンディションが変わるなど、不安があるのも確かです。やはり、最初はスクールで体験したほうがいいのでしょうか?
「ふじてんスノーリゾートのスクールでは、お子さまの体力に合わせて、準備体操・初歩動作・止まる・曲がるなどの基礎から教えます。ご両親にスキーやスノーボードのキャリアがあっても理屈を説明するのは難しいものですし、ゲレンデの状況を熟知しているインストラクターから指導を受けるのが安心でしょう。やはり、最初はスクールで体験することをおすすめします」
確かに、パパママが相手だと子どもも甘えますし、インストラクターに指導してもらった方が上達しそうですね。でも、せっかくのスキー場で、子どもと別行動をするのはさみしいものです。
「スキー場のスクールの多くは、半日コースと1日コースを備えています。レッスン中にたくさん滑れる1日コースのほうが上達しますが、子どもの体力がそこまでもたないこともあります。例えば午前中の半日コースにして、午後は両親と一緒に滑るようにすれば、家族の時間も楽しめますね」
スキーやスノーボードに初めて挑戦した子どもが、半日のスクールを経験し、午後には一緒に滑れるようになっている。その成長にパパママは感動必至でしょう。本格的なスキーシーズンの到来も間近。子ども向けのスクールを開設しているスキー場を探してみてはいかがでしょうか?
「スキー場」や「雪遊び」をより詳しく!
親子向けのスキー場や雪遊びスポットはまだまだたくさんあります!
特集からお気に入りの施設をぜひ見つけてください。