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子供の「食べ過ぎ」どう判断? 体重の目安&原因&改善・予防法

子どもがたくさんご飯を食べてくれるのはうれしいですが、「食べ過ぎ」は肥満などの健康リスクを招く可能性があって不安ですよね。そこで今回は、大阪母子医療センター副院長の位田忍先生に、小学生における食べ過ぎのボーダーラインや予防法について聞きました。

1カ月に体重1kg増は増えすぎ!

子どもが小学生ぐらいになると、食事の量もかなり増えてきますが、「食べ過ぎ」と呼ばれる目安はどれくらいの量なのでしょうか?

「厚生省が出している日本人の食事摂取基準の中に、目安となる1日の摂取カロリーが掲載されています。個人差はありますが、これが食べ過ぎを見極める一つの基準になります」

1日に必要な摂取カロリーの目安

  • 6歳〜7歳:男子 1550Kcal/女子 1450Kcal
  • 8歳〜9歳:男子 1850Kcal/女子 1700Kcal
  • 10歳〜11歳:男子 2250Kcal/女子 2100Kcal
  • 12歳〜14歳:男子 2600Kcal/女子 2400Kcal(成人とほぼ同じ)

子どもは成長に対するカロリーが必要なので、大人に比べて体重1kgあたりに必要なカロリーが多い点が特徴です。ですから、少食よりはたくさん食べてくれる方が安心とは言えます

子どもの成長のためにも必要な摂取カロリー。とはいえ、カロリー計算はなかなか難しいのが本音です。ほかに食べ過ぎを判断する方法はないのでしょうか?

体重の増加量も食べ過ぎを見極める1つの判断基準になります。年間の体重増加量の目安としては、男女ともに6歳〜7歳で2.5kg、8歳〜9歳で3.5kg、10〜11歳で4.5kgです」

「つまり、1カ月で1kg以上増えていたら、どの年齢の子どもでも増え過ぎということになります」

体重増加の確認に便利なのが、小学校で活用している「身長・体重成長曲線」だそうです。2014年に文科省から交付された省令で、各教育機関では「身長・体重成長曲線」を積極的に活用するようになっています。

学校では学期ごとに1回計測するので、これをチェックしてみてください。1学期ごとに2kg増えていたら、年間で6kg増になります。この場合『増え過ぎ』と判断できます。もちろん、極度に上に伸びる曲線にも注意が必要です

子どもの食べ過ぎが気になる場合は、毎月1回は自宅で子どもの体重を計測・記録するのも良さそうですね。


メタボや糖尿病のリスクが

では、子どもの食べ過ぎは、健康面でどのようなリスクがあるのでしょうか?

やはり肥満ですね。肥満の合併症と言われる『メタボリックシンドローム』や『睡眠時無呼吸症候群』、『脂肪肝』を起こす可能性もあります。さらに、糖尿病や高血圧の危険も高まります。脂肪肝は5歳くらいから、ほかの症状は小学3〜4年生から起こりえます

メタボリックシンドロームに関しては、腹囲が一つの判断基準になるとのこと。

「腹囲の基準値は『身長×0.5cm』です。ですから、身長の半分以上の腹囲サイズがある場合は、メタボリックシンドロームの可能性があります。ですが、太っていても合併症を起こさない良性の肥満もあるので、体重増加や腹囲のサイズが気になったら、一度受診してみると良いでしょう」

食べ過ぎが気になっていて、お腹も大きくなってきたら、まずは一度腹囲を測ってみると良さそうです。

食べてもやせる(体重が増えない)場合や嘔吐する場合は要注意

肥満リスクは、体重増加と腹囲サイズが一つの判断基準。では、これらに問題がなければ、心配いらないのでしょうか?

基本的にはそうなのですが、6歳〜7歳以上の子どもで、ガツガツ食べるのに体重が増えない子、食べた後によく吐いてしまう子は注意してあげてほしいです。思春期以前の小学生では珍しいですが、神経性過食症で『食べては吐く』を繰り返す子もいます。いずれにしても、食事の後に嘔吐する場合は医師に診てもらった方が安心です」

食べ過ぎているのに体重が増えない場合などは、食事の後の様子を観察してあげましょう。

不安やストレスも食べ過ぎの原因に!?

では、子どもが食べ過ぎてしまう原因は何なのでしょうか。

過食は、親の愛情不足を感じていたり、何かに対して不安やストレスを感じていたりすると考えられています。また、1人でごはんを食べる孤食も、食べる量をコントロールしにくいので食べ過ぎにつながりやすくなります

「ほかには、親や祖父母の認識不足で、ついつい子どもに食べ物を与えすぎてしまうケースです。特に、赤ちゃんのころに身体が小さかった子の場合などは、大きくなってほしいという願いから、子どもが好きな食べ物をどんどん与えてしまうことがあります」

良かれと思ってしていたことが、結果的に子どもの肥満につながることもあるのですね。

「子どもはどうしても受動的なので、そこは親が管理してあげるしかありません。そういう意味では、家族や親族が協力して、食事の量をコントロールしてあげてほしいですね」

「早食い」も肥満の原因に!

ほかに、食べ過ぎてしまう要因はあるのでしょうか。

「肥満の子の中には、かき込むように、流し込むように食べる子が少なくありません。食べ物を摂取すると血糖値が上昇し、脳の満腹中枢がそれを感知して満腹感を感じるのですが、早食いすると満腹中枢が機能する前に食べ過ぎてしまうことになります」

「ですから、食事の時間が短すぎる場合は、食べ過ぎていないか注意してあげた方がいいかもしれませんね」


できるだけ家族で食卓を囲むことも大事!

最後に、食べ過ぎの予防法を教えてください。

早食いの子どもには、噛む習慣を身につけさせるためにも、噛みごたえのある食材を取り入れると良いと思います。また、料理は大皿よりも、一人ひとりに適量をよそって出した方が食べ過ぎを防げます」

祖父母が与えすぎる場合は、健康リスクをきちんと説明してあげましょう。認識不足なだけで、リスクを知ると応じてくれることもあります」

ほかに親や家族で予防できることはありますか。

おやつにしても食事にしても、孤食はやはり食べ過ぎてしまいがちです。とはいえ、ママパパが忙しくてそうせざるを得ないこともあると思うので、その時は、飲み物も含めてカロリーを考えてあげてほしいですね。ただ、可能な時は、できるだけ家族で食卓を囲んでもらえればと思います。子どもの食べ方や食べる量も見られますし、みんなで食べた方がごはんはおいしいですからね」

家族で楽しく食べる食事が、結果的に子どもの食べ過ぎ予防にもつながるのですね。

お話を聞いたのは…

  • 位田忍さん

    大阪母子医療センター、副院長。日本小児科学会専門医・指導医。栄養委員会委員長。日本内分泌学会専門医・指導医(小児科)。日本小児栄養消化器肝臓学会認定医。日本小児科学会、日本内分泌学会、日本小児アレルギー学会、日本小児感染症学会、日本肥満学会など多数の学会に所属。日本小児内分泌学会、日本小児消化管機能研究会、日本臨床栄養学会等では理事を務める。

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ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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