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消費税の増税前に買うべきものは? お得な買い方を種類別に解説

掲載日: 2019年5月8日更新日: 2019年5月8日近藤 浩己

2019年10月から10%にアップする消費税。今回の増税は、『ポイント還元制度』や『軽減税率』の適用など、これまでの増税とは少し異なる点も多々あります。

そこで今回は、「増税前に買うとお得なもの」「増税後に買う方がお得なもの」をファイナンシャル・プランナーの豊田眞弓さんに教えてもらいました。

※2019年4月25日時点の情報です。

2019年10月から消費税が10%! すぐわかる基礎知識&軽減税率

【日用品】実はあまり負担が変わらない!?

まずは、日々の生活で頻繁に購入する食料品や日用品。増税前に買っておくとお得なものはありますか。

結論から言うと、食料品には『軽減税率』が適用されますし、日用品はそもそも少額であったり、セールなども頻繁に行われるため、増税前と増税後のどちらに購入してもあまり変わらないと思います

「今回の増税では、消費税が10%にアップされたあとも、生活に欠かせない商品については税率が8%に据え置かれる『軽減税率』が適用されます。飲食料品に広く適用されるので、そういう意味でも大きな差はないと考えます」

軽減税率が適用される飲食料品は、増税後も現在と同じ8%のまま。軽減税率の対象ではない日用品も、確かに少額のものが多いので、大きな差は生まれなさそうです。

さらに、消費税がアップする2019年10月〜2020年6月までの9カ月間は、『キャッシュレス決済によるポイント還元制度』も適用されます。支払いにキャッシュレス決済を利用すると、中小店舗で5%、大手スーパーなどでは2%のポイントが還元されます」

「キャッシュレス決済を使えば、2%のポイント還元でも実質8%の消費税になりますし、5%の還元なら実質5%の税負担で済みます。軽減税率が適用される商品とキャッシュレス決済を組み合わせれば、今より安く購入できる商品もあります。ただし、ポイント還元はあくまでも一定期間のみです」

消費税10%で買うべき日用品は?

では、消費税が上がる前に買っておくべき食料品や日用品はあるのでしょうか。

軽減税率の対象は、お酒や医薬部外品、外食、ケータリングを除く飲食料品と、定期購読契約されている新聞です。ですので、対象外となるお酒や市販薬、日用品などは税率が10%になるので、増税前に買っておいても良いと思います。みりんや料理酒などの調味料も酒類として適用外になるので、増税前にストックを購入しておくのも一手です」

ただし、買いだめは、本当に必要なものに絞る方がいいと思います。賞味期限や使用期限などの問題もありますし、2%という増税額のために、無理に多めに購入するほどではないはずです。ほんの少しのお得感で、使い切れない量を買ったり、余らせてしまうことは得策とは言えません」

確かに、調味料や市販薬にも消費期限や使用期限がありますし、日用品も、やたらと買いだめをしても置き場所に困りますね。必要なものを必要な量だけ買うようにしたいものです。


【家電】基本的に増税前がお得!

では、家電はどうでしょうか。

キャッシュレス決済のポイント還元の内容にもよりますが、基本的には値の張る家電は、増税前に購入しておいた方が良いかもしれません。増税後であれば、ネットなどで商品価格を比較して、なおかつ各店舗のキャッシュレス決済の還元率を確認してから、よりお得に購入できるお店を選びましょう」

家電に限らず値の張るものは、増税前か、キャッシュレス決済のポイント還元期間中に購入する方が基本的にはお得になるようですね。

「とはいえ、こちらも本当に必要かどうかを考えて購入しましょう。焦って不要なものまで買ってしまわないように、買い足したいもの、買い換えたいものをリストアップしておくのがおすすめです」

【自動車】増税前の方が負担の軽い車種が多い!?

高額な自動車はどうでしょうか。

自動車に関しては、車関係の税制がどうなるのかによっても変わってきます。ですが、基本的には、増税前購入の方が税の負担が軽くなる車種が多くなりそうです

今回の増税から自動車購入時に支払う自動車所得税が廃止されるようですが、それでも増税前に購入した方がお得な車種が多いのでしょうか。

自動車取得税が廃止される代わりに、増税後は新たに『環境性能割』という税金ができます。これは、燃費がいい車は税金が少なく、燃費が良くない車は税金が高くなるものです

「環境性能割では、燃費によって非課税か、1%〜3%の税金がかかります。非課税や減税の燃費基準も厳しくなっていますし、厳しい基準をクリアしても環境性能割にはエコカー減税が適用されません。つまり、車種によって例外はあるかもしれませんが、実質の税負担は、これまでの自動車取得税とあまり変わらないことになります」

そうなると、増税分だけ高くなりそうですね。

「消費税増税後は自動車税が1,500円〜4,500円安くなることも決まりましたが、それでも、税負担額は車種によっては現在より重くなるものもあります。どんな車を選ぶのかなど、さまざまな比較検討が必要ですが、増税後は多くの車種で税負担が増える可能性があると考えています


【不動産】ローンや購入する条件によって変化

高額商品の代表ともいえるマンションや住宅など、不動産はどうでしょう。

「不動産は正直、どんなローンを組むのか、どんな住宅を購入するのかで大きく変わるので難しいですね」

「まず、今回の増税における不動産購入では、『住宅ローン減税』『すまい給付金』『次世代住宅ポイント制度』の3つの制度が関係してきます」

3つの制度は、どういったものでしょうか。

「住宅ローン減税」は減税期間3年間延長

「住宅ローン減税は、住宅の新築や増改築などをした場合、年末のローン残高の1%(上限40万円)が所得税や住民税から控除される制度です。これまでは減税期限が10年間でしたが、消費税率10%が適用される売買では、この期間が3年間延び、13年間に延長されます

「11年目以降は、住宅ローン残高の1%か、建物購入価格(一般住宅4,000万円、認定住宅等5,000万円まで)の増税分2%を3で割った額か、どちらか低い額が税額控除されます」

つまり、増税後に購入した物件は、増税分2%がローン控除という形で戻る可能性があるという仕組みです。

「すまい給付金」が増額

住宅ローン額に対して納税額が少ないために住宅ローン減税分を控除しきれないことから、その分を補うために作られた制度が『すまい給付金』です

「例えば、年間40万円の住宅ローン減税をフルで受けるには、所得税と住民税を40万円以上納めていることが前提です。ところが、年収によっては税金をそこまで納めていない人もいるので、住宅ローン控除のメリットを活かせません。そこで控除しきれない人向けに、現金を支給する制度が作られました」

すまい給付金は現在、年収が510万円以下の人を対象として最大で30万円が給付されています。これが消費増税後、年収775万円以下の人まで対象が広がり、最大50万円の給付金を受けられるようになります

すまい給付金の対象となる所得がこれまでより高くなるのですね。

「次世代住宅ポイント制度」は最大35万円分のポイント付与

税率10%で一定性能を備えた住宅の新築・リフォームを行うと、さまざまな商品と交換できるポイントが付与されるのが『次世代住宅ポイント制度』です

「一定性能とは、耐震住宅や、断熱など環境に配慮したエコ住宅、バリフリーなど健康長寿・高齢者対応住宅などが該当します。1戸あたり新築で最大35万ポイント、リフォームで最大30万ポイントがもらえます」

リフォームの場合は、ある程度大きな工事をしないと上限までのポイントはもらえませんが、新築の場合は、内容にもよりますが基本的に上限35万円分のポイントがもらえるようです。

ポイントがもらえる条件は、どういったものでしょうか?

新築とリフォーム共に2020年3月までに請負契約をし、着工する物件が対象です。ただし、マンションや建売住宅など、すでに完成していて工事不要、なおかつ2018年までに新築された物件の場合は、増税後から2019年12月末までの間に売買契約を結んだものが対象になります

増税後から2019年12月末までということは、マンションや建売住宅などを購入する場合は、3カ月間の間に契約しないとポイントがもらえないのですね。

「現在までに決まっている内容ではそうなります。新築で一定性能をクリアした住宅を建てるのであれば、増税後から来年の3月までに契約、着工すれば、住宅ローン減税13年間に加えて、次世代住宅ポイントを満額でもらえます。さらに条件に該当すれば、すまい給付金も受け取れることになります」

「とはいえ、住宅ローンも繰上げ返済が可能で、10年以内に返済してしまえば住宅ローン減税の延長も関係なくなります。さらに今は金利も低い状態です。増税後に金利が上がるかどうかはわかりませんが、繰上げ返済が可能かどうか、金利はどうなのかなど、不動産は総合的に考えないといけません

ローン控除やポイントに振り回されず、冷静に判断したいところですね。


【そのほか】塾の費用は増税前に年払い

そのほか、増税前に対応しておいた方が良いものはありますか?

電車やバスの運賃は税込価格ですから、増税後はおそらくアップするでしょう。そういう意味では、旅行も増税前に行っておいても良いかもしれませんね

「回数券や定期券なども有効期限を確認して、増税直前で購入すれば少しお得になりそうです。元が取れるのであれば、テーマパークの年間パスポートなども増税前に買っておいても良いですね」

「あとは、学習塾や習いごとの費用は、増税前に年払いできるタイミングがあれば、まとめて払っておくといいかもしれません。ただ、増税分を計算して設定価格そのものをアップしている可能性もあるので、そこは確認が必要です」

増税によって、いろいろ検討する部分はありそうですが、なんでも焦って購入するよりも「必要なもの」をしっかり検討して購入するのが、増税対策の大前提ですね。

お話を聞いたのは…

  • 豊田 眞弓さん

    ファイナンシャル・プランナー、子育て・教育資金アドバイザー、子どもマネー総合研究会会長。個人相談やセミナー講師のほか、書籍・雑誌の執筆、監修など幅広い活動を展開。小田原短大非常勤講師。自身の子育ての中で感じたことを背景に、子どもの金銭・金融教育にもライフワークとして取り組んでいる。

  • FPラウンジ公式ブログ:今日も未来もハッピーに!
  • 子どもマネー総合研究会

ライター紹介

近藤 浩己

1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

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