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いざという時に安心!子どもの自転車保険

掲載日: 2015年8月19日更新日: 2015年8月19日石橋 夏江
病気やケガなど、もしもの時に心強い保険。中でも最近注目を集めているのが自転車保険で、いざという時のために子ども用として検討する人が多いとのこと。そこで、自転車保険の内容や選び方について、ファイナンシャル・プランナーの横川由理さんにお聞きしました!

自分にも起こるかも… 備えておきたい自転車事故!

これまであまり注目されなかった自転車保険ですが、ここのところ注目を集めている理由はどんなところにあるのでしょうか?

「これまでは自転車だから事故を起こしても、それほど大事にはならないはず…と漠然と思っている人が多かったように思います。それが近年、自転車と歩行者の事故が増加し、しかも子どもが加害者になるケースも多発するように。そんな事故のニュースが頻繁に報道される中、多くの人が自分の子どもでも加害者になる可能性があるという危機感を改めて感じるようになったのだと思います。」

「中でも多くの人に衝撃を与えたのが、2013年に小学生が起こした自転車事故のニュースだったのではないでしょうか。これは夜7時少し前、小学生の男の子が帰宅途中に歩行中の女性と正面衝突し、女性は頭蓋骨骨折などの重傷で現在でも意識が戻らない状態となったもの。この事故では1億円近い賠償金の支払いを小学生の母親に命じる判決が下されました。」

子どもであっても、自転車事故においては加害者になる可能性があり、しかも多額の賠償金が請求されるケースもあることを多くの人が認識したのです。その判決以降、自転車保険の必要性を感じる人が増え、実際に保険への加入を検討する人も増えてきたのです。」

自転車保険の補償内容と検討する時の注意点

このように自分の子どもたちが加害者になることも十分ありえる自転車事故。もしもの時のためにしっかり備えておくことが大切だと思いますが、自転車保険に入ることでいざという時にどのような補償を受けることができるのでしょうか?

やはり最も備えるべきなのは、自分の子どもが加害者になった場合。前述の事故のように、相手のケガの状態や治療内容によっては賠償金が1億円近くなることも珍しくはありません。さらに、被害者との間で賠償に関して交渉する際にも様々な費用がかかってくるでしょう。これだけの大きな金額を自分たちだけで負担することはとても不可能ですよね。そんな時の費用を補償してくれるのが自転車保険です。ただ、保険によって補償内容や補償金額に大きな違いがありますので、しっかり確認して選ぶことが大切です。」

注目すべきは「賠償責任補償」と「示談交渉サービス」

横川さん曰く、自転車保険に加入する際に必ずチェックして欲しいのが『賠償責任補償保険』と『示談交渉サービスの有無』とのこと。それぞれどんな点に注目すればよいのでしょうか?

まず見て欲しいのが『賠償責任補償保険』の金額。これは自分の子どもが加害者になってしまった時、相手のケガや死亡、そして持ち物の破損などに対する補償です。補償金額は1,000万円くらいから無制限など幅広くありますが、最低でも1億円くらいの保険に加入しておきましょう。」

もうひとつ重要なのが『示談交渉サービスの有無』。これは保険会社が自分の子どもである加害者に代わって、被害者との示談交渉を行ってくれるものです。このサービスがないと、すべて自分たちで手続きをしなければなりません。」

「一方、子どもが被害者になった場合は、『示談交渉サービス』を使うことができず、自分たちで弁護士の手配をする必要がでてきます。そんなときのために『弁護士費用等補償特約』を付けておきましょう。被害者になった場合であっても、その交渉を弁護士にお願いした場合の費用が補償されるので、より安心ですね。」

自分たちにあった自転車保険を選ぼう!

いざという時のために備えておきたいと思いつつ、月々の保険料の支払いはできるだけ抑えたい…というのが本音ですよね。保険料を抑えて賢く自転車保険を選ぶにはどうすればいいのでしょうか?

まず、検討すべきなのは加入中の保険へ特約を追加すること

最も手軽で保険料が安くなるのが、すでに加入している保険に特約という形で追加する方法です。自動車保険に加入しているご家庭なら、それに『個人(日常生活)賠償責任補償』を特約で追加してください。そうすることで子どもも含めた、家族のうち誰が起こした自転車事故であっても、補償の対象になります。また、『示談交渉サービス』や『弁護士費用等補償特約』についても同様に追加できるはず。もしかするとすでに加入済みかもしれませんので、証券などで内容を確認してみてください。」

個人(日常生活)賠償責任保険は自動車保険以外にも、火災保険や傷害保険にも特約という形で追加することができます。どれかに加入しているのであれば、まずはそこから検討してみましょう。親が特約として追加する場合、家族全員が補償される上、改めて自転車保険に加入するよりも割安になるケースが多く、家計的にもうれしいですよね。」

「なお、家族や子ども自身のケガについては、自動車保険のうち、歩行中や自転車事故でも補償される『人身傷害保障保険』をチョイスしてください。」

単体の自転車保険はどう選ぶべき?

上記のどの保険にも加入していない場合には、自転車保険へ単体で加入する必要があります。自転車保険は本当に様々な物が登場していますが、上手に選ぶコツは?

手軽に入れるものなら、自転車の点検時に自転車店で加入できるSTマーク(青・赤の2種類)があります。費用が年間1,500円~2,000円程度と手頃ですが、『賠償責任補償』が1,000~5,000万円ほどで『示談交渉サービス』もないなど、補償内容がやや頼りない印象です。」

新しい自転車保険も続々登場しています。補償も手厚くサービスもしっかりしているものが多いのですが、やはり保険料という面では一人当たり年間3,500円~5,000円ほどかかってくるでしょう。」

「このほか、大手の携帯電話会社やカード会社が契約者向けのサービスとして、月額250円~500円ほどで加入できるものを販売しています。さらにコンビニで簡単に手続きできるものなども登場しています。1ヵ月単位でみると保険料が安くみえるため加入しやすく便利ですが、やはり一番大事なのは補償内容です。費用と合わせて、ぜひしっかり比較・検討することをおすすめします。」

様々な種類が登場中の自転車保険。横川さんに教えていただいたポイントを参考に、ぜひいろいろと検討してみましょう。

お話を聞いたのは…

  • 横川由理さん

    ファイナンシャル・プランナー。FPエージェンシー代表。FP資格取得学校や大学での講師やマネーセミナーを開催するほか、雑誌などで幅広く活動している。著書に『保険 こう選ぶのが正解!』(実務教育出版)などがある。

  • FPエージェンシー

ライター紹介

石橋 夏江

編集プロダクションverb所属。編集者・ライター。趣味は、旅行と写真とスキューバダイビング。プライベート旅でも、取材旅以上の分刻みスケジュールを組むため、友達がなかなか一緒に旅行に行ってくれないのが最近の悩み…。

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