子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は親子の成長、夢の育みを応援します!

10月22日がオリオン座流星群のピーク!流星を楽しもう

掲載日: 2015年9月29日更新日: 2017年5月16日衣山 泉
保存
1

秋冬は空気が澄んで星空観測にもってこいの季節。今年2015年は、10月22日未明〜明け方にオリオン座流星群がピークを迎えます。条件がよければ1時間に15個〜20個ほどの流れ星が見られるとか! そこで観測のポイントやオリオン座にまつわる2つの神話について、星空案内人(R)の泉水朋寛さんに伺いました。

オリオン座流星群はハレー彗星の落とし物!?

夜空にサッと現れてすぐ消えてしまう流れ星。その流れ星が何でできているか知ってますか? なんと“ちり”なんですって!

流れ星のもとになるのは、宇宙空間に漂うほんの数ミリほどしかないちりです。それが地球の大気と衝突すると高温になり、まわりの大気やちり本体が光ってあのように見えるのです。こうしたちりがたくさん地球の周りにあると流星群になります。」

10月にはオリオン座流星群が出現しますが、10月には地球の周りにちりがたくさんあるということ?

「そうです。そしてそのちりをばらまいた犯人は、ハレー彗星です。ハレー彗星は76年周期で太陽の周りを公転していて、太陽に近づくと含んでいる多くのちりを放出します。ハレー彗星が放出したちりが集まっている場所が、地球が毎年10月下旬に通る軌道の近くにあるわけです。」

そのちりの集まった場所がオリオン座の方向に当たるのでオリオン座流星群と言われているそうです。

ちなみに、ペルセウス座流星群(8月中旬)やふたご座流星群(12月中旬)も、それぞれ別の天体が残したちりの集まりの近くを地球が通りかかることによって、まとまった数の流れ星が見える現象。流星群は、いわば彗星など他天体の落とし物なんですね。


ピークは10月22日未明〜明け方

写真は流星群の流れ星のイメージです

「今年2015年に一番多く見えると予想されているのは、10月22日の未明・0時過ぎから明け方にかけてです。」

「星空の観察には月明かりが大きく影響を及ぼします。ちょうど10月21日〜22日の月(上弦の半月)は日付が変わる前後に沈むので、未明から明け方には月明かりの影響を受けずに流れ星を観察できるでしょう。一般に、流れ星の中心となる点が高いほどよく見えます。この時間帯には、流星群の流れ星の中心となるオリオン座が南東から南の空に高く上っているという点でも、条件が良いです。町明かりのない場所では1時間に15個〜20個ほど、郊外ではその半分から3分の1、町中でも数個ほどは見えると予想されています。」

平日なので夜中まで起きていられない人も多いと思いますが、1週間以内なら見られるチャンスは残ってます! 時期を後ろにずらすと月明かりの影響で見えにくくなるので、早めの観測がオススメです。

「オリオン座流星群の特徴のひとつは、スピードが速いこと。スピードが速いと、それだけエネルギーが大きいので明るく見やすくなるんです。たくさん見られるといいですね。」

寒さ対策が星空を楽しむ最大のポイント

オリオン座流星群を楽しむには、どういったことに気をつけるといいですか?

「星空を見るなら、できるだけ町の光が届かない場所で、なおかつ山の上や浜辺などの視界が開けている場所がいいでしょう。オリオン座流星群は『オリオン座の方向を中心に』飛ぶもので、『オリオン座の方向だけに飛ぶ』わけではないので、南東や南だけでなく、なるべく空の広い範囲を見渡すようするとよく見えますよ。」

10月とはいえ地域によっては10度を下回ることもあるので、暖かくして楽しむのが最大のポイント。下記のグッズはぜひ用意しましょう。

オリオン座流星群観察にあると便利グッズ

  • マフラー、手袋、携帯カイロなどの防寒具
  • 温かい飲み物や夜食
  • 折りたたみイス、レジャーシート
  • 懐中電灯
  • 闇でも視認しやすい明るい色の服

神話の世界に思いを馳せよう

ところで流星群の名前にも付けられた「オリオン座」ですが、どんな星座なのでしょうか?

「オリオン座は、1等星のベテルギウスとリゲル、その間にキレイに並んだ三ツ星が目印です。そもそもオリオンはギリシャ神話に登場する狩人の名前で、2つの有名な物語が残されています。」

1つ目は、オリオンと月の女神アルテミスとのラブストーリー。2人は恋人同士でしたが、アルテミスの兄である太陽の神アポロンの策略で、アルテミスが誤って恋人のオリオンを矢で撃ってしまいます。毎月オリオン座の近くを月が通りますが、これはアルテミスが星座になったオリオンに会いにいっているのだそうですよ。」

2つ目は乱暴者オリオンの物語。オリオンに手を焼いた神が、オリオンのもとにさそりを放ちます。毒針で刺され天に上ったオリオンですが、星座になった後もさそりが怖くてたまりません。オリオン座は日本では冬に見やすい星座ですが、それは夏の間はさそり座が空にいるから。オリオンは地平線の下に隠れているそうですよ。…どちらのストーリーも、星座の位置や天体の動きがよく考えられていて、単なるおとぎ話以上の面白さがありますよね。」

神話の世界を想像しながら星空を眺めると、また違った楽しみ方ができそうですね。

「流れ星を待っている間、そういった目についた星の名前や周りの星座の広がりを知りたくなることがあると思います。そこでスマートフォンの星座アプリが役に立ちます。iPhoneなら『iStellar』、Androidなら『SmartStellar』がオススメです。内蔵のセンサーと連動して端末をかざした方向にある天体の名前を教えてくれる機能を使えば、星や星座が手軽にわかりますよ。ぜひ活用してみてください。」

夜空をキラリと横切る流れ星を見られたら最高! 寒さと安全対策に気をつけて、流星を楽しみましょう。

お話を聞いたのは…

  • 泉水(せんすい)朋寛さん

    小学1年生の時に両親に買ってもらった本『星座を見つけよう』と、田舎で見た美しい星空がきっかけで星好きに。2008年、「星空案内人(R)」の資格を取得。現在、株式会社アストロアーツにて、月刊誌『星ナビ』編集のほかウェブコンテンツの制作やパソコンソフトの開発に携わる。また「星空案内人(R)」として、三鷹ネットワーク大学や六本木ヒルズ屋上「スカイデッキ」での星空観察会などで星空解説などの活動を行っている。

ライター紹介

衣山 泉

幼稚園児の娘、フリーライターの夫、2匹の愛猫と福岡在住。旅行も外出も大好きだが、平日は娘のお迎え以外はほぼ家にこもりっぱなしのインドア派なので、体力が追いつきません。ほしいものは、タフな体。余力のある週末には日帰り温泉や蚤の市、焼き物の里めぐりに出かけています。

ライターの最新記事

あなたにオススメの記事