今、科学館では、大人でもドキドキワクワクするような子ども向けの科学イベントが開催され、多くの家族連れで賑わっています。あんなに楽しんでいたのだから、子どもの好奇心を伸ばしてあげたいけれど、どうしたらいいの? というパパやママの悩みを、長年、学校で理科を教え『子どもが理科に夢中になる授業』(学芸みらい社)などの著書がある、理科教育コンサルタントの小森栄治先生にききました。
幼いうちに体験したい!科学館などの実験・観察イベント!
「『体験』は、子どもにとって非常に大切です。長年の経験の中で忘れられない子どもの言葉に、「『理科って簡単だよ。テストの時だって、自分が経験した実験が自然に思い出されて、答えがわかってしまうから』というものがあります」(小森先生)
「私も子どものころ、天体望遠鏡で観察をした時の冬の寒さ。また、最初はぼやけていた像に焦点がピタリと合い、輝く月が目に飛び込んで来たときの感動は、ヴァーチャルでは体験できない興奮として今でも湧き上がってきます」(小森先生)
実際に体験してドキドキやワクワクした体験は、子どもの心に入り込み、やがて深い理解へとつながっていきます。
アインシュタインを科学者に導いた、父親からのプレゼントとは?
「アインシュタインは、子どもの時に父親からもらった『方位磁石』が、いつも北を向くことに非常に驚いたことがきっかけで、科学者への道を歩みはじめたといわれています。そのぐらい、体験によってひきおこされた驚きは、子どもの探究心に火をつけるともいえます」(小森先生)
科学館などのイベントで子どもが身に着ける「非認知能力」!
科学館などのイベントでは、専門家が子どもたちと一緒に実験や観察を行います。「実験や観察の中で子どもたちが、『なぜ? どうして?』と、疑問に思って自分で考えたり、そこからさらに調べたりといった「アクティブ・ラーニング」が自然に行われることは、『粘り強く考え抜く力』や、『要素を関連づけて問題を解決していく力』といった『非認知能力』を伸ばすことにつながっていきます」(小森先生)
親も楽しんでイベントに参加を!
実際に研究者になり、自分で仮説をたてて実験や観察をしていくと、想定通りにならないことも多く、実験方法や装置を自分で考えることになると小森先生は指摘します。
「科学館などの実験や観察イベントを、パパやママが一緒になって楽しんでくれたり、自分が興味を持ったことを一緒になって考えてくれたり、イベント終了後に主催者に一緒に質問に行ってくれたりすると、子どもたちも勇気100倍! もっともっと知りたい!という気持ちになるはずです」(小森先生)
イベント主催者は、質問を待っています!
イベントを行うために、主催者は沢山の準備をしています。「イベントで参加者が体験できる部分はほんの少しです。どんな疑問でも、どんどん質問に行くといいですね」(小森先生)
同じ科学館に何度も行ってみよう!
また、子どもたちの、科学への好奇心を伸ばすのにおすすめなのが「同じ科学館へ何度も行くこと」と小森先生は言います。
「繰り返し同じものを見ることで、見る目が肥えてきます。年間パスポートなどを購入すれば、『今日はここを(このエリアを)集中的に見る』といったこともできますね」(小森先生)
ミュージアムショップをのぞいてみよう!
「ミュージアムショップでは、子ども向けの実験キットや専門家が子どもに読んでほしいと選んだ本などを購入することができます」(小森先生)
親子でドキドキワクワクしながら、科学イベントを楽しもう!
いかがでしたか? 親も一緒に楽しむことで、子どもの好奇心も伸びていきます。興味のあるテーマなどで検索をして是非出かけてみましょう。
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