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迷子にならないために、「日常」からできること

掲載日: 2014年12月31日更新日: 2015年8月24日蜂谷智子
出先で子どもが迷子になるのを防いだり、迷子になっても事故にあわないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか?
「お出かけ中の子どもの安全を守るためには、事前の準備やルールづくりが大切」。そう話してくれたのは、セキュリティ会社セコムの研究員、舟生(ふにゅう)岳夫さん。迷子にならないための注意点と、迷子になってしまった時の対処を、子どもとしっかり話し合っておく必要があるそうです。

迷子を事前に防ぐ&迷子にならないための対策5

1:初めて行く場所は、安全面からの事前リサーチを行う

危険な場所や見通しの悪い場所がないか、まずは親がウェブサイトなどを見て、確認しておきましょう。

2:行ってはいけない場所を子どもと情報共有しておく(5〜6歳以上)

施設案内図や関連ウェブサイトの写真などを親子で確認しながら、行ってはいけない場所を話し合いましょう。

3:はぐれた時の待ち合わせ場所を決めておく(5〜6歳以上)

分かりやすい目印や、インフォメーションデスクの場所などを示して待ち合わせ場所を決めましょう。

4:困った時に助けを求める相手を子どもに教えておく(5~6歳以上)

店員さんや施設のスタッフなど、助けを求めるべき人を教えておきましょう。

5:親子で目印になるものを身につけておく

お互いに見失わないように、ポイントになる色柄を身につけましょう。万が一迷子になった時に、子どもの特徴を伝え易いというメリットもあります。

初めて行く場所は、安全面からのリサーチが必要

まず「親元から離れない」「見知らぬ人について行かない」などの基本を、改めてルールとして言い聞かせます。そのうえでお出かけ先をリサーチし、行き先に応じたルールを作るのが有効だそう。

行ってはいけない場所、待ち合わせ場所を決めておく

「どんな場所でも迷子になる可能性がありますが、なかでも困った状況になりやすいのは、親も土地勘がない場所です。いつも行っているショッピングモールなどなら、万が一迷子になっても子どもの行動が予測できます。『オモチャ屋さんに行っているのかな。本屋さんの絵本スペースかな』というように、見当がつくわけです。

ところが、初めての場所だと子どもが思わぬ場所に迷い込んでしまうこともあり、親も探しようがありません。そこで、大人と会話が上手にできる5歳くらいになったら、事前に親子で行き先についての情報を共有し、行ってはいけない危険な場所や、はぐれてしまったときの待ち合わせ場所などを決めておきます」

注意が必要な危険な場所とは?

「まず、駅の狭いホームなど子どもが転落する危険がある場所や、駐車場、車道に面しているなど車と接触する危険性がある場所といった、事故の可能性がある場所です。また人目がない場所、隠れやすい場所、不特定多数の出入りがある場所は、迷子になりやすく、犯罪にもあいやすいといえます。そのようなところを避けるように、ルールを作るとよいでしょう」
迷子になったときに恐ろしいのは、子どもがひとりでいるときに思わぬ危険に遭遇すること。お出かけ先に到着した時に、まず案内板などを親子で一緒に見て、その施設の構造を確認し、広い場所でなければぐるっと一周して待ち合わせ場所などのチェックをするのがおすすめだそうです。その日の混雑具合や、イベントの有無などによって状況は大きく異なりますので、そこでしっかり「その日の約束」を決めてから行動しましょう。

迷子になってしまったら?小さな子どもでもできる対処法

2〜4歳くらいの低年齢の子どもの対処法とは?


迷子になってしまったときにどうするかという対処法を作っておく必要があります。5〜6歳の子なら、はぐれてしまったときに集合場所を決めておけば、その場所で待ち合わせることができます。子どもが3〜4歳の場合は、目的地に着いたら、困ったときに助けを求める人を決めておくのも良いでしょう。日ごろから、店員さんや施設のスタッフなど、『もしも迷子になったら、あの制服を着ている人(バッジを付けている人)に言ってね』と教えておけば、小さなお子さんでも理解できます」

あらかじめ親子ともに目印になるようなものを身につけておく

「あまり目立ち過ぎるものを身につけさせると、連れ去りなどのターゲットにもなりかねないので、ちょっとした色柄などでポイントを作ればよいのです。迷子になったときに人ごみでも見つけやすいですし、手分けして探すときにも簡単に子どもの特徴を伝えられます。また親も目に付きやすい色柄を身につけていると、子どもにとっての目印になります」

冬は皆と同じようなダークカラーを身につけてしまいがち。たとえば帽子やマフラーなどに原色や柄物などを使えば、迷子になった時探しやすいですね。また歩いている子どもの目線は、パパやママの顔ではなく背中や足のあたりにあります。「黒いコートの背中を追っていたら、別の大人について行ってしまった!」などということがないように、親子で色柄のおしゃれを楽しんでみては?

グッズよりも、日頃のコミュニケーションがものをいう

子どもと親を紐でつなぐハーネスのような迷子防止グッズもありますが、舟生さんいわく、グッズを活用するよりも、日頃のコミュニケーションが大切なんだそう。

「グッズは時と場所によって有効なこともありますが、万能なものはありません。例えばハーネスも少し大きなお子さんなら嫌がってつけてくれないでしょう。混み合った場所では紐が絡まって危険な場合もあります。条件に合えばグッズを活用するのも良いのですが、基本的には安全に対する意識を高める方が大切です。日頃からお子さんと安全について話し合ったり、お子さんの性格や行動パターンをよく観察し、その子に応じたアドバイスをしたりすることが、いざという時に役立ちます」

確かに子どもの性格ってそれぞれ違いますよね。人見知りしない活発な子なら、知らない人に話しかけられても付いて行ってはいけないことをしっかりと言い聞かせる。ひとつのことに夢中になると他のことが見えなくなる子なら、興味を引くものがあったらひとりで見に行かず、親にひと言かけることを習慣化するなど。その子に応じた備え方をすることで、迷子の可能性をより少なくすることができますね。また、日頃からニュースなどを見て、どんな時と場所に危険がひそんでいるのか話し合っておくことも必要でしょう。

これからは子どもとお出かけの予定を話し合うときは、ぜひ迷子防止のためのルールも決めてみてください。親子で安全について話し合う習慣がつくことで、子どもの意識も高まっていくはずです。

お話を聞いたのは…

  • 舟生岳夫さん

    セコム株式会社 IS研究所。「子どもの防犯ブログ」モデレーター。各種防犯セミナーの講師をはじめ、学校のセキュリティポリシー策定コンサルティングなどの実績を持つ。自らも2児の父として、子どもを守るための調査・研究に日々取り組んでいる。

  • 子どもの防犯ブログ

ライター紹介

蜂谷智子

ライター・編集者。学び系の出版社勤務後、フリーランスに。現在はライフスタイルやカルチャーに関するメディアを中心に活動中。趣味は映画や音楽などのアートに浸ることと、おいしいお酒を飲むこと。去年からはそこに娘の子育ても加わって大忙しの毎日。親子で趣味を共有することを夢見て、美術館や音楽鑑賞に連れ出しては娘の反応をうかがっている。

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