初夏は、屋外でピクニックをする機会が増えますよね。気持ちのよい芝生を走り回ったあと、子どもたちはお腹ぺこぺこ! そんなときのお弁当はどんなメニューにするか、迷うところですよね。そこで今回は、ピクニックに最適な簡単「作りおきおかず」レシピを、フードコーディネーターで一児の母でもある平岡淳子さんに教わりました!
屋外で食べるお弁当作りのポイントって?
平岡さんによると「ピクニックやキャンプなど、屋外で食べる場合のお弁当は、片手でも食べやすいものを選ぶとよい」そう!
「屋外では『今が食事の時間!』とゆったり落ち着いて食べるのではなく、子どもたちは屋外で元気に遊びながら、お腹がすくたびに時々シートに戻ってきてつまむことが多いですよね。そんなときはお皿にのせて食べるよりも、フォークやピックなど、片手でさっと食べられるメニューにすると便利です。」
また、おかずは前日までに作って冷蔵保存しておくとよいそう。
「当日は、持ち物の準備などでバタバタしがち。朝に慌ててお弁当を作るより、前日までに作りおきができるメニューにして、朝は詰めるだけにしておきましょう。」
この季節、屋外では食材が傷みやすい点が不安ですが、作りおきしたおかずを出かける直前に冷蔵庫から取り出して詰めることで、食中毒予防にも繋がるのだとか。
「おかずやごはんが温かいうちに詰めると、弁当箱の水滴がつき、傷む原因になりますが、作りおきしたおかずならその心配はありません。そのほか、食中毒を防ぐための工夫としては生モノや水分が多く傷みやすい葉モノは避けること、そしてなるべく加熱調理したおかずを入れることです。」
ほかにも「遊びまわるからこそ、少量でも食べごたえがあること」やお肉中心になりやすいので、「野菜や卵などバランスよく」などがお弁当作りの大切なポイントだそう。
ピクニック弁当のポイントまとめ
- 片手でつまめるもの
- 作りおき可能で、冷めてもおいしいもの
- 加熱したもの(生モノ、葉モノは避ける)
- 食べごたえのあるもの
- さまざまな食材をバランスよく
これらのポイントを踏まえ、平岡さんの著書『決定版! 週末作って毎日簡単!作りおきのラクうまおかず350』から、簡単でおいしい3品のレシピを教えてもらいました。
ジューシーな牛肉がおいしい、食べごたえ満点のオムレツ

まずは、子どもが大好きなオムレツ! ジューシーな牛こま切れ肉を使うことで、食べごたえ満点に。同じ卵料理でも、水分が出やすいだし巻き卵はお弁当に不向きですが、オムレツはしっかり火を通すので、食中毒予防の面でも安心です。
アジア風牛肉オムレツ
(冷蔵保存目安:4日間)
<材料(4人分)>
- 卵…4個
- 牛こま切れ肉…200g
- ナンプラー(しょうゆでも代用可)…小さじ2
- こしょう…少々
- 万能ねぎ(小口切り)…2本分 ※お好みでパクチーでも可
- サラダ油…小さじ2
<作り方>
- 牛肉にナンプラーとこしょうをもみ込む。
- ボウルに1、卵、万能ねぎを入れて混ぜる。
- フライパンにサラダ油を熱し、2を一気に入れて炒め、オムレツを作る。
<アドバイス>
「オムレツは食べやすいサイズに切り分け、フォークやピックで刺していただきます。ナンプラーを入れることでエスニックの風味が出ますが、独特の風味が苦手なお子さんも多いので、その場合はしょうゆで代用するといいでしょう。大人はお好みでスイートチリソースをつけてもおいしいですよ。」
お肉&野菜を揚げた、野菜嫌いの子でも食べやすいカツ

続いて、野菜とお肉の揚げ物レシピをご紹介!「お弁当はどうしても、お肉中心メニューになりがち。野菜をお肉と一緒にフライにすることで、野菜嫌いの子どもでも食べやすくなります」と平岡さん。
ほうれん草とトマト・チーズのロールカツ
(冷蔵保存目安:4日間)
<材料(4人分)>
- 豚ロース肉(しょうが焼き用スライス)…16枚
- ゆでほうれん草…1束分
- ドライトマト…8個
- プロセスチーズ(とろけないタイプ)…70g
- 薄力粉・溶き卵・パン粉…各適量
- 揚げ油…適量
- 塩・粗びき黒こしょう…少々
<作り方>
- ドライトマトは水で戻し、水けをきる。チーズは幅8mmくらいの拍子木切りにする。
- 豚肉2枚を少し重ねて縦におき、塩、こしょう少々(分量外)をふる。上にゆでほうれん草、チーズ、ドライトマトをのせ、手前からぎゅっと巻いて、巻き終わりを下にし、左右は内側に入れる。
- 2に薄力粉、溶き卵、パン粉の順でつけ、軽く振って、180度の揚げ油で揚げる。
- 揚げたてに塩、粗びき黒こしょうをふる。
<アドバイス>
「チーズは、揚げるととけてしまうので、とろけないものを使います。フライの衣をつけるときは、新聞紙を敷いた上に薄力粉やパン粉を入れたバットを並べると、後片付けが楽に! なお、温め直すときは、ペーパータオルで包んでからホイルに包み、オーブントースターで温めるとサクッと仕上がりますよ。」
味の濃いおかずに合う、貝柱の風味漂う炊き込みおにぎり

最後に紹介するのは、炊き込みごはんのレシピです。味のしっかりとしたおかず2品に合わせるなら、ほんのりと貝柱の風味が豊かなシンプルな炊き込みごはんが相性抜群。これを食べやすいサイズのおにぎりにして持っていくのがオススメです。
干し貝柱ごはん
(冷蔵保存目安:3〜4日間 ※炊き立てをラップに包み、冷ましてから冷蔵した場合)
<材料(ごはん3合分)>
- 干し貝柱(大)…3個
- 白米…3合
- 昆布(10cm角)…1切れ
- 水(貝柱を戻す用)…1カップ
- 酒…50ml
- しょうゆ…大さじ2
- 塩…小さじ1
<作り方>
- 干し貝柱は水につけ、半日かけて戻す。
- 炊飯器にといだ白米、干し貝柱の戻し汁、酒を入れ、3合の目盛りまで水(分量外)を足す。
- 2にしょうゆ、塩、昆布、ほぐした貝柱を入れ、30分おいて炊飯する。
- 炊き上がったらよく混ぜ、食べやすいサイズのおにぎりにする。
<アドバイス>
「炊き込みごはんは少量でも満足感があるので、おかずが少ないお弁当のときに大活躍! また、海苔を巻かなくてもおいしいので、手を汚さずに済みます。炊飯するときは、普通モードで炊けばOKです。おにぎりにしたら、冷ましてからラップやアルミホイルに包みましょう。おにぎりにするとき、梅干を加えると殺菌効果が高まるのでおすすめです。」
簡単なのに片手で食べられ、食中毒予防に繋がるなど、メリットがいっぱいの「作りおきおかず」たち。お弁当作りの参考にしてみてください。
※参考書籍

ベストセラーとなった『朝つめるだけで簡単! 作りおきのラクうま弁当350』の第二弾! 時間のあるときにまとめて買い物し、日持ちのするおかずを多めに作ったり、食材の下ごしらえをしたりして冷蔵・冷凍保存。忙しい日は冷蔵庫の作りおきやストック食材を使って簡単に。「作りおきおかず」を使えば、毎日無理なくおいしいごはんがいただけます。パパッと作れる簡単おかずから、ちょっと時間をかけるごちそうおかずまで、350品を紹介した一冊です。