子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」は親子の成長、夢の育みを応援します!

新スポーツ「フラッグフットボール」とは? ルール&魅力を紹介

掲載日: 2016年10月31日更新日: 2019年5月24日宇都宮 薫

今、人気上昇中の「フラッグフットボール」をご存知ですか? アメリカンフットボールのタックルの代わりに、腰につけた2枚のフラッグを取るのが特徴で、思考判断力、コミュニケーション力、体力を同時に育てるスポーツとして注目を集めているんだとか。「日本フラッグフットボール協会」の佐藤壮二郎さんにその魅力を聞きました。

●「ラジオ体操」で子どもの運動能力アップ!●【おうちで体を動かそう】第2回:ゲーム感覚で楽しむ運動

誰でも楽しく参加できる「フラッグフットボール」

フラッグフットボールとは、どんなスポーツなのでしょうか?

フラッグフットボールの起源はアメリカンフットボール(アメフト)。ルールはアメフトとほぼ同じで、相手のゴールゾーンにボールを運び込むことで得点します。5対5で攻撃と守備に分かれ、選手の交代は何度でも自由。4回の攻撃で得点できなければ攻守交代となり、時間内に相手の陣地までボールをたくさん運んだほうが勝ちです」

アメフトとの最も大きな違いは、激しい体のぶつかり合いがないこと。ボールを持っている選手のフラッグが1本でも取られたら1回の攻撃が終了です。アメフトでいうタックルの代わりに、両腰につけたフラッグを取ればいいので、誰でも安全に楽しくプレイできるのです」

アメリカンフットボールのルールを元にして、子供でも安全に楽しめるようにアレンジしたのがフラッグフットボールなのですね。


「フラッグフットボール」で育つ子どもの能力とは?

最近は、小学校の学習指導要領にも採用され、授業でもよく取り上げられるというフラッグフットボール。その魅力はどんなところなのでしょうか?

フラッグフットボールの最大の特徴は、攻撃ごとに作戦を話し合う時間があること。試合中ずっと動き続けるバスケットボールやサッカーと違い、1回の攻撃が終わるたびに作戦を選んで相手の陣地を目指していく、いわばステップ型の競技なのです。試合前に作戦を話し合ってノートに動きを示す図をいくつも書いておき、それをフィールドに持ちこみ、実践していくのです。みんなで協力しあって役割を分担するという意味でも、学校教育に最適なのだと思います」

子供たちが書いた作戦を見ると、『ここでボールを投げるフリをして相手を騙し、密かにパスして一気に走る』など、緻密な動きが考えられているのがわかります。

フラッグフットボールは、“知、徳、体”のスポーツだと言われています。どこにパスをすれば相手をかわせるのか考える“知”。みんなで話し合いをして連携をとる“徳”、体を動かして実践する“体”。単純な運動能力だけでなく、この3つの要素が鍛えられるのです。現在では、5,200校以上の小学校の授業で取り入れられていて、“自分たちで考えて話し合う”という、体育の領域を超えたスポーツとして注目が集まっています

フラッグフットボールを体験した子供からの感想には、「いろんな人と話をすることができて自信がついた」というものも多いそう。学校の先生から注目が集まっているのもうなずけますね。


運動が苦手な子にも必ず役割ができるスポーツ

また、フラッグフットボールは、運動が苦手な子でもチームに貢献できるそう。

「従来の球技だと、スポーツの得意な子だけが活躍して、苦手な子はずっと蚊帳の外という状況が生まれてしまっていました。でも、フラッグフットボールは全員が作戦図を元に動くので、運動が得意じゃない子でも必ずチームとしての役割が出てくるんです」

「あまりボールを持たなそうな子にあえてパスを回すなど、相手の裏をかく作戦をとることも。ですから、運動が苦手な子からミラクルプレーが生まれることも珍しくありません」

誰もがチームの一員として活躍でき、運動の苦手な子でもヒーローになる可能性もあるスポーツなんですね。

親子で挑戦!「フラッグフットボール」入門編

フラッグフットボールにはさまざまなメリットがあることがわかりましたが、家庭で少人数でもできる遊び方はありますか?

親子2人だけでもできるのが、“作戦型キャッチボール”。普通のキャッチボールだと、向かい合ってボールを投げるだけですが、そこにちょっとした作戦を組み込んでみましょう。例えば、子供がダッシュして、1本の木をぐるっと回った先で親が投げたパスを受け取るなど、事前に動きを決めて、作戦通りにキャッチするのです。作戦を立てて予定通りに行動するというのは、フラッグフットボールの基礎になります」

「5人ほど集まることができたら、腰にフラッグ代わりのハンカチや靴下を2枚挟んで、実際にプレイしてみましょう。3人が攻撃をして2人がそれを阻止すれば、ゲームは成り立ちますよ」

細かいルールがわからない幼児の場合は、腰につけたフラッグを取り合うだけのシンプルな鬼ごっこもおすすめだそう。


体だけでなく頭も使って楽しめるフラッグフットボール。スポーツの秋に、親子でぜひ挑戦してみませんか?

お話を聞いたのは…

ライター紹介

宇都宮 薫

編集プロダクション勤務を経て、フリーランスの編集者・ライターとして活動。雑誌・ウェブメディアなどへの執筆のほか、単行本(ビジネス書・実用書)の編集・構成を手掛ける。得意ジャンルは、出産、育児、健康、おでかけ、芸能、グルメなど。まち歩きとバイクが好き。

ライターの最新記事

あなたにオススメの記事