
小学校高学年の9歳・10歳・11歳になると、友達同士で出かけたり、自分でお小遣いのやりくりを考えたりと、ぐっと大人びてくる時期です。家庭内でも「そろそろ高額を渡すべき?」「どこまで本人に任せていいの?」と、低学年時とは違った悩みが出てくるのではないでしょうか。
今回は、いこーよファミリーラボが9歳〜11歳の子供のママパパを対象に実施した“お年玉調査データ”を公開! 低学年の頃とは変化した、小学校高学年のリアルなお金事情を探ります。
9歳・10歳・11歳のお年玉事情! 金額の相場は5,000円へシフト?


小学校高学年の子供を持つ保護者は、今年いくらお年玉をあげる予定なのでしょうか。
9歳・10歳・11歳のお年玉金額ランキング/ママパパはいくらあげる?
- 1位:5,000円台/21.05%
- 1位:お年玉はあげない/21.05%
- 3位:1,000円台/13.16%
- 3位:2,000円台/13.16%
- 5位:〜999円/10.53%
- 5位:3,000円台/10.53%
- 7位:10,000円/7.89%
- 8位:4,000円台/2.63%
低学年(6〜8歳)では1,000円が1位でしたが、高学年では「5,000円」が同率1位に浮上しました。特に9歳や11歳で5,000円を渡す家庭が多く、欲しいものの単価が上がる高学年に合わせて、金額もアップする傾向にあります。
一方で、1位にランクインしているのが「あげない」派。親からは渡さず、親戚からもらう分のみとする家庭も一定数あるようです。
管理方法は「一部を子供に」が主流。自立を促しつつ親が見守る
中学生を目前にしたこの時期、管理方法はどのように変化しているのでしょうか。
【9歳・10歳・11歳】お年玉の管理はどうする予定ですか?
- 子供がいくらか持ち、親が管理:47.37%
- 親がすべて管理:28.95%
- 子供がすべて管理:21.05%
小学校低学年時と同様に、小学校高学年でも「子供がいくらか持ち、親が管理」が約半数で最多となりました。しかし注目すべきは、「子供がすべて管理」が21.05%に達している点です。低学年の13.3%から大きく増加しており、完全に本人に任せる家庭も増えていることがわかります。
とはいえ、「親がすべて管理」と合わせると、約7割以上の家庭で大人が何らかの形で関与しています。高学年になっても、全額を自由にさせるにはまだ少し早いと考える保護者が多いようです。
高学年のマネー教育は「投資」や「社会の仕組み」へ
調査では、9歳〜11歳の親の73.68%が「家庭でマネー教育をしたい」と回答しました。特に9歳・10歳の親の意欲が高く、内容もより高度になっています。
お年玉をきっかけに、マネー教育を家庭でしたいですか?
- はい:73.68%
- いいえ:26.32%
どんなマネー教育をしたいですか?(複数回答)
- お金の使い方(ほしいものを自分のお金で買うなど)の話をする/57.89%
- お金のため方(預貯金など)の話をする/50.00%
- お金の増やし方(投資など)の話をする/26.32%
- キャッシュレス決済の仕組みの話をする/10.53%
- 具体的な金融商品を一緒に見る(株や投資信託など)/7.89%
お年玉をきっかけにしたマネー教育としては、「使い方」「ため方」が依然として中心ですが、小学校低学年時に比べて「お金の増やし方(投資)」への関心が26.32%と大きく上昇しています。
さらに、11歳になると「ローンの仕組み」「社会保障」「税金」といった、社会のルールに踏み込んだ内容への関心も見られます。子供の理解力の向上に合わせ、より実践的で社会的な教育へとシフトしている様子がうかがえます。
9歳・10歳・11歳のお年玉は、子供のマネー教育への入口? 口コミから
「お年玉の半分は自分で管理させています。自分で管理することで、お金の使い方や貯め方が身につくのではないかなと思っています」11歳の男の子のママパパの口コミ
「普段のお小遣いとお年玉の違いを認識しているので、お年玉は親が管理してすべて貯金になっています。子どもにはお小遣いでお金の使い方を理解してもらっているので、現状のままでいいと考えています」9歳の女の子のママパパの口コミ
「普段おこづかいをあげてないので、大金が入るお正月は、マネー教育とセットです。まずは使い方や貯金の仕方をもっと学んでから、投資やローンについて教えたいです」11歳の男の子のママパパの声
「貯金をしても増えない時代。物価は上がる…なので、株や投資の話から、応援したい企業を選んでお金を増やす方法を早くから学ばせたいから。応援している企業が頑張ったら分配金が入る=不労所得である事も伝えていきたい」11歳の男の子のママパパの口コミ
「身の丈にあった買い物をする。また、欲しいものの金額が自分で買えるか、買えなければどう増やすか(お手伝いなどをして増やす)を考えながらお金と上手に付き合っていってほしい」9歳の女の子のママパパの声
「ほしいものを自分のお金で買って、お金は使ったらなくなる、ある分だけでしか物が買えない事や、お金が足りなくて買えない物はお金をためて(おこづかいやお手伝い)自分で考えてお金を使える人になってほしいからです」9歳の女の子のママパパの声
「自分一人で買い物する機会がなかなかないので、お金の使い方(欲しいものを欲しいだけ買うとかではなく、本当に必要かどうか考えるなど)を学んでほしい」9歳の男の子のママパパの声
「今は自分でお金を稼がないから、あまりお金のありがたみをわかっていない。あるとすぐに使ってしまう。今欲しいものではなくて、貯めて何かに使うと言うことも学んで欲しい」10歳の男の子のママパパの声
電子マネー化はゼロ!? 意外にも「現金派」が100%
キャッシュレス化が進む現代ですが、高学年のお年玉事情は意外な結果となりました。
【9歳・10歳・11歳】お年玉を電子マネーで渡す予定はありますか?
- いいえ(現金で渡す):100%
- はい(電子マネー):0%
今回の調査対象では、電子マネーで渡す派は0件でした。行動範囲が広がり、スマホを持つ子も増える時期ですが、お年玉に関しては「現金で重みを感じてほしい」という親心が反映されているようです。
まとめ:9歳・10歳・11歳のお年玉は「社会への準備期間」
今回の調査から、小学校高学年のお年玉は、単なるお祝いを超えて「将来への準備」となっている姿が見えてきました。
- 金額: 「5,000円」が1位に。高額を扱う経験をさせる家庭が増加。
- 管理: 「一部は子供に」が最多だが、「全額本人」も2割を超え自立が進む。
- 内容: 投資や社会保障など、より高度なマネー教育への関心が急上昇。
- 形式: 依然として100%現金派。お金の重みを実感させることを重視。
中学生になると、さらにお金を使う機会が増えます。小学校最後の数年間、お年玉をきっかけに「お金と社会のつながり」について親子でじっくり話し合ってみるのもいいかもしれませんね。








