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頼れる&必ず役立つ「ひとり親」支援制度! 必要書類も解説!

掲載日: 2017年9月8日更新日: 2017年9月8日高柳涼子

未婚、離婚、死別など「ひとり親」になる可能性はさまざま。そういった中で、昨今ではひとり親が受けられる支援が増えているのをご存知でしょうか。シングルマザーやシングルファザーをサポートするNPO法人「リトルワンズ」の春菜はなさんに、ひとり親向けの支援について教えていただきました。

「児童手当」とは違う! 「ひとり親」支援とは?

「ひとり親」支援にはどんなものがあるのでしょうか

まず、ひとり親に向けた支援にはどんなものがあるのでしょうか。

大きく分けると『行政が行っている支援』と『民間の支援』の2つがあります

行政の支援

お子さんの年齢が0歳から18歳までの間、全国のひとり親家庭に支給される『児童扶養手当』の給付や、窓口相談などを受けることができます。『児童育成手当』など、自治体ごとに異なる助成もあります

「児童扶養手当」は通称「母子手当」と呼ばれているものですが、2010年から父子家庭にも支給されています。「児童手当」はすべての子育て世帯を対象としていますが、「児童扶養手当」や「児童育成手当」はひとり親向けの制度です。名前が似ていて、わかりにくいですね。

「それと、対象となる世帯や支給される金額は、年収や子どもの数によって変わってきます。かなり複雑で細かいため、自分で計算するのは大変です。手当の確認は、必ず行政の窓口に聞いてみてください。私たちが運営するサイトでは、児童扶養手当の大まかなシミュレーションもできますので、参考にしてくださいね」

また、割引や控除という形での支援もあります。自治体によって異なりますが、以下のようなものがあります。

  • 住宅手当
  • 医療費助成
  • 保育料の免除や減額
  • 交通機関の割引
  • 上下水道代の割引など

ほかにも「寡婦・寡夫控除」や、国民年金、国民健康保険の減免や免除もあります。いずれも年収によるので、必ず窓口で確認をしてください。

「控除」とは収入から差し引くことで所得税の金額が下がるもの。住民税などの金額も下がりますから、しっかり活用したいですね。「寡婦・寡夫控除」は、本来は結婚を経てひとり親になった人が対象ですが、同じように支援を必要としている未婚のシングルマザーに対して、同様の控除を適用している自治体も増えています。

民間の支援

民間の支援は、どんなものなのですか?

「民間の支援は、私たちのようなNPO法人や福祉団体が行っているものです。民間の支援は団体によって内容がかなり異なります。自分に合った団体を選んでみましょう

今回は、一例として「リトルワンズ」の支援を教えていただきました。

「毎月1度の親子イベントやパパママ同士の交流会、部屋探し・仕事探しのサポート、食品や服のプレゼント、各種相談会などを幅広く行っています。都内や関東のパパ、ママが集まっています。相談はメールで全国から受け付けています」

子どもの年齢が上がると学習の進み具合や受験対策も気になってきます。学習に特化した支援団体もあるそうです。

「受験や学習については、無料の学習支援を行っている団体が各地にあります。学校や民間の施設で、ボランティアが学習のサポートをしてくれます」


どうすれば支援を受けられる?

基本的なものをざっと挙げていただいただけでも、かなりの種類の支援があります。これらの支援は、どうすれば受けられるのでしょうか?

自分からアクションを起こすのが第一歩

支援を受けるには自分で申請を行います

「まず覚えておいてほしいことは、『支援を受けるためには、必ず自分から動いて申請を行わなければならない』ということです」

「たとえば、離婚の手続きをしたら、行政側から支援について教えてくれる…ということはないです。ひとり親になったらすぐに担当の窓口で聞いてみてください。もし可能であれば、ひとり親になる準備をしている段階で、聞きに行くとスムーズになるかもしれません

「その際に必ず『受けられるすべての手当を教えてください』と聞いてみましょう。自治体ごとのオリジナルの手当も含めて、申請できるものや申請方法、担当窓口などをくわしく教えてもらえます」

申請には半日ほど時間を作りましょう。自治体によっては窓口で子どもを預かってくれるところもあります。事前に電話で確認してみてください。

必要書類がたくさん! でも、申請すれば助けになる!

申請に必要な書類は事前にしっかり揃えておきましょう。書類が足りない場合などは、一度で終わらないなど手間がかかることもあります。必要な書類は以下です。

<申請に必要書類一例>

  • ママ(パパ)と子どもの戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)
  • ママ(パパ)と子ども(世帯全員)の住民票の写し
  • ママ(パパ)本人名義の預金通帳
  • 年金手帳
  • 印鑑
  • 所得証明書
  • 養育費等に関する申告書

このうち「戸籍謄本」は本籍のある自治体で、「所得証明書」は前年の1月1日時点で住んでいた自治体で取得する必要があります。いずれも郵送で取り寄せることが可能ですが、日数がかかります。書類の不備で大切な時間をムダにしないためにも、事前に問い合わせるなどして、必要な書類を不足なく、時間的余裕を持って揃えましょう。

時間に余裕がないので、行政の窓口に行くのも面倒くさいと思うかもしれません。でも、せっかくある支援ですから、利用しないと損です。ぜひ申請を!

最後に、春菜さんから心強いメッセージをいただきました。

「ひとり親の手当や支援は、実は身近にたくさんあったりします。ですが、自分で調べてもわからないことが多く、使い切れていない方も多いです。もったいないですよね。行政の窓口に行ったら、申請できる手当は全部教えてもらうことが大切です」

「また、行政に相談しづらいことや、同じひとり親に聞いてみたいことがあれば、私たちのようなNPO法人に尋ねてみてください。近所にない時には、メールで問い合わせしてみましょう。それだけで楽になることもあります

「ネットには情報がたくさんあふれていて、何を信じてよいのかわからないですよね。なかには、古い情報や誤った情報も多いです。ぜひ、信頼できるサイトを見つけてください」

信頼できる支援団体や同じシングルマザー、シングルファザーのお友達がいると、心強いですよね。行政も民間も上手に使ってみませんか。

お話を聞いたのは…

  • NPO法人リトルワンズ

    東京都内を中心に、シングルマザー・シングルファザーと子どもたちをサポートするNPO法人。親子イベントや交流会を通して楽しみや情報交換の場を提供するほか、仕事や法律、子どもの教育などに関する相談対応や、部屋探しのサポートなども行う。2017年3月には、各種手当の計算シミュレーション、生活支援、悩み相談もできるワンストップサイト「ココミナ」をスタート。

  • NPOリトルワンズ
  • 子育て応援情報サイト ココミナ
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ライター紹介

高柳涼子

雑誌編集部勤務を経てフリーランスに。ライティングと校正を中心に、ときどき編集もやる3児の母です。これまでに関わった分野は、求人、進学、ウェディング、アート、手芸、田舎暮らし、食育、仏教、料理など。

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