春の入園・入学に向けた準備に忙しいこの時期、仕様やサイズが指定された「入園グッズ」が必要な家庭も多いのではないでしょうか。慣れないママにとっては、上手に作れるか不安ですよね。
そこで今回は、入園グッズの定番「レッスンバッグ」と「上履き入れ」の作り方を手芸専門店「ユザワヤ」広報部の飯高真理子さんに教えていただきました。
イラスト付きで超簡単! 「レッスンバッグ」の作り方イラスト付きで超簡単! 「上履き入れ」の作り方ここでは、入園グッズを手作りする際のポイントとコツをまとめて紹介します。仕上がりが5割増しになる一工夫もぜひ試してください!
初心者こそ重要! 失敗知らずの材料選び

まずは、入園グッズを作るための材料選びについて教えてもらいました。使用する布の素材や柄によって仕上がりに差が出るので、初心者にとって材料選びはとくに重要なポイントになります。
今回紹介する「レッスンバッグ」と「上履き入れ」を作る際の注意点はほぼ同じだそう。布や付属品の選び方のポイントを詳しく教えてもらいました。
布の素材
まずは布選びについて。さまざまな素材や種類があり、初心者は戸惑ってしまいますね。どのように選んだらいいのでしょうか。
「レッスンバッグや上履き入れには、断然『キルティング』がおすすめです。十分な厚みがあるので裏地を付ける必要がなく、簡単に作れます。ほかにも『オックス』や『キャンバス』『シーチング』という綿の生地がありますが、これらは巾着袋(体操着入れ、お弁当入れ、コップ入れなど)やランチョンマットなどにちょうどいい素材。いずれも、人気キャラクターから動物・乗り物まで、子ども向けの柄が豊富に揃います」
なお、縫いやすいのは綿100%の素材とのこと。この時期に出回る子ども向けの柄の入った布はほとんどが綿100%なので、間違える心配はなさそうです。また、工夫をすれば薄手の布をレッスンバッグや上履き入れに使うことも可能です。
「裏地をつけたり接着芯を貼ったりして、布のハリと強度を上げれば、薄手の布でも大丈夫です」
プロセスは増えますが、どうしても使いたい布がある、全アイテムを同じ柄で揃えたい…といった場合の方法として覚えておくと便利ですね。
布の柄
子ども向けの生地が豊富に揃うこの時期ですが、柄選びに関して注意する点を教えてください。
「初心者にオススメなのは、無地や方向がない小さめの柄(どの向きで使ってもOKなもの)です。向きや大きさを気にせずに作れるので楽です。それ以外の柄を使用する場合は、少し注意が必要です」
<方向のある柄>
少し多めに生地を買っておき、切るときも間違えないように注意する。
<大きな柄>
柄の絵が大きすぎると「キャラクターの顔が途中で切れてしまった…」なんてことも。作るサイズを考えて柄を選びましょう。
<チェックやストライプ>
「方向がない柄」ともいえますが、チェックやストライプ柄の線を表と裏で合わせたいなど、細かいところまで気になる人には注意が必要です。その場合は、生地を少し多めに用意しましょう。
付属品
持ち手となるテープにも、幅や素材などさまざまな種類があります。どのようなものを選ぶとよいのでしょうか。
「『カバンテープ』という名称で販売されているものが、強度の面でも手への馴染みやすさの面でもおすすめです。『カラーベルト』という名称のものは固すぎますし、綿テープや綾テープは薄手で柔らかすぎるため強度が心配です。カバンテープにもいろいろな幅がありますが、子どもの手には25mmが持ちやすいと思います」
作り方&注意したいポイント
材料が揃ったら、いよいよ制作を開始します。作り方と注意したいポイントをまとめました。
まずは、作り方の手順を最初から最後まで一通り確認しましょう。付属品を縫いつけるタイミングなど、手順をしっかり頭に入れてから作業を始めるのは基本中の基本です。
注意したいポイント
<布を切るとき>
布をカットする際は、縫いしろをつけるのを忘れないようにしましょう。完成サイズに生地を切ってしまうと、できあがりが小さくなってしまうので注意が必要です。
布に直接カットする線を描くのではなく、一度大きな紙で型紙を作ってサイズを確認してから布に写すと安心です。また、柄に向きのある生地の場合は、完成したときの柄の向きをよく確認してから切りましょう。
<縫う前>
縫い始める前に布の端に「ジグザグミシン」や「ロックミシン」をかけて端の始末をしておくと、使っているうちにほつれる心配がありません。いざ縫い始めてからずれてしまわないように、布をきちんと合わせて留めておきましょう。
厚手の布はとくに注意が必要です。しつけ縫いをしてもいいですし、面倒ならクリップなどで留めておくだけでも安心です。『仮留めクリップ』などの名称で販売されているアイテムが重宝しますよ。
アイロンで仕上がりが5割増し!
また、手早くきれいに仕上げるコツとして「アイロン」を使うワザを教えてもらいました。アイロンをかける作業は、なくても縫えるので面倒に感じる人も多いかもしれませんが、逆にアイロンを使うだけでキレイに仕上がるのでとてもオススメだそう。
「作業工程ごとにアイロンをかけて折り目をつけておけば、完成時の見た目が5割増しになります。だまされたと思ってぜひやってみてください!」
「仕上がりの良さはもちろんですが、布がピシッとしていることで縫いやすくなるので、作業時間も短縮できます。完成してからアイロンがけすることもできますが、立体のものにアイロンをかけるのはなかなか難しいもの。平面の状態のほうがずっと簡単です」
筆者も試してみましたが、前の工程の縫い目が落ち着いて縫いしろがきれいに割れる、しっかりと正確に折り目をつけられるなど、作業がとてもしやすくなりました。「自分の腕が上がったのでは?」と錯覚するほど、きれいに仕上がりましたよ。
入園準備の中でも大変な「入園グッズ作り」ですが、基本の作り方とポイントを知っておけばぐっとスムーズに作れそうですね。子どもと一緒に布を選ぶなどして、入園までの日々を楽しんでくださいね。