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エビ・カニは何歳から食べてOK? 甲殻類アレルギーの特徴&症状

掲載日: 2020年1月31日更新日: 2020年1月31日いこーよ編集部

エビやカニなどの甲殻類は、アレルギー症状が出やすい食材と言われており、子供に何歳から食べさせていいのか悩むママやパパも多いはず。

そこで今回は、子育て両立・共育支援事業を行う「エスキッチン」で食育サポーターとして活躍する管理栄養士の淵江公美子(ふちえ・くみこ)さんに、甲殻類を食べさせていい年齢や、アレルギーの症状、特徴、注意点などについて聞きました。

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甲殻類アレルギーの特徴とは?

甲殻類アレルギーは大人にも多い印象ですが、どのような特徴があるのでしょうか?

「甲殻類アレルギーは一度発症すると、治りにくいアレルギーと言われています。特に小学校低学年から高学年にあたる学童期以降に増加する傾向にあり、成人に多いアレルギーです。卵・乳・小麦の3大アレルゲンは子供に多く、大人になるにつれて改善していくケースも多いですが、甲殻類アレルギーは、大人になっても治るケースが少ないのが特徴です」

「アレルギー反応が身体に表れるのが比較的早いのも特徴で、大部分は摂取後1時間以内に反応が出ます。重症化しやすく、アナフィラキシーショックを起こす場合もあるので注意が必要です

甲殻類といえば、エビやカニが代表的ですが、ほかにどのようなものがあるのでしょうか?

「甲殻類には、エビやカニのほか、シャコやオキアミ、フジツボ、ミジンコなどがあります。オキアミはプランクトンの一種ですが、形がエビに似ています。エビ、カニだけではなく、シャコやオキアミでもアレルギー症状を発症する可能性があるので注意が必要です

甲殻類アレルギーの原因は何でしょうか?

「甲殻類アレルギーは、主に『トロポミオシン』というたんぱく質が原因で発症します。トロポミオシンはエビとカニの両方に含まれています。エビとカニのたんぱく質構造は非常に似ているので、エビアレルギーを発症した場合は、カニアレルギーである可能性も高いと考えられます


エビやカニは何歳頃から食べてOK?

エビやカニを子供に食べさせるのは、何歳頃からが良いのでしょうか?

子供に何歳から食べさせて良いという明確な基準はありませんが、目安としては離乳食が終了する1歳〜1歳半頃に少量から与えてみるのが良いでしょう。初めて与える場合は、必ず加熱したもので試すようにしてください。子供の体調が良く、万が一のことがあっても医療機関を受診しやすい平日の午前中に試すのが良いでしょう」

では、加熱していない生の甲殻類を与える際の目安はありますか?

生の甲殻類に関しても明確な基準はありませんが、3歳を過ぎた頃を目安にすると良いでしょう。生ものを与える場合は、必ず新鮮なものを選んでください。生のエビは噛みきりにくいので、初めは小さく切って少量ずつ与えると安心です」

アレルギーが出ないようにする食べさせ方はないのでしょうか?

「特にはありませんが、加工食品は食材そのものを食べるより、アレルギー症状が出るリスクは低くなります

「まずは、エビやカニを含むおせんべいなどの加工品から始めて、アレルギー反応がなければ、エビやカニが入ったお味噌汁を一口飲ませてみるなど、少しずつ量を増やしながら試していくのがおすすめです」

特に小学校低学年から高学年にあたる学童期以降に増加する傾向にあるのはなぜでしょうか? 

甲殻類アレルギーは、ある日突然発症するケースがあります。卵・小麦・乳の三大アレルゲンは乳幼児に発症しても、徐々に耐性を獲得していくため、次第に治っていくことが多いのが特徴です。一方、甲殻類アレルギーは耐性を獲得していくものではないため、乳幼児ではなく、学童期以降に発症するケースが多いと考えられます

「また、甲殻類は運動によりアレルギー症状が誘発される場合もあります(食事依存性運動誘発アナフィラキシー)。原因となる食物を食べた後に運動することにより、症状が誘発されるので、今まで何ともなくても、食後の運動で発症する場合もあります

一度食べてアレルギー反応が出なかったからといって安心せず、学童期以降にも様子を見ながら食べるなど、注意が必要ですね。


甲殻類アレルギーの症状&注意点

甲殻類アレルギーだった場合には、どのような症状が表れるのでしょうか?

甲殻類アレルギーの症状として多いのは、蕁麻疹などの皮膚症状のほか、口の中のかゆみや違和感など粘膜症状です。皮膚が赤くなる、蕁麻疹が出るといった皮膚症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。呼吸困難や嘔吐など呼吸器や消化器に異常が見られる場合には、必要に応じて救急車の要請が必要な場合もあります」

甲殻類アレルギーだった場合に、気をつけるポイントがあれば教えてください。

「甲殻類アレルギーに限りませんが、口に入れるものについて原材料や食品表示をきちんと確認することは必須です。エビやカニはさまざまな加工品に含まれているので、意図せずに混入してしまうケースも考えられ、とくに注意が必要です

エビやカニを含むものにはどのようなものがありますか?

しらすや海藻類には、小さなエビやカニが混入していることがあります。とはいえ、これらでアレルギー症状が発症するケースは稀で、甲殻類アレルギーであっても食べられることがほとんどです。ただし、重篤な甲殻類アレルギーの場合には、少量でも症状が発症する場合もあるので、医師に確認しておく必要があります」

エビやカニに手で触るだけでも要注意!

カニやエビなどは子供が実際に触れる機会も多いですが、甲殻類の生き物に触れるだけでアレルギー症状が出ることはあるのでしょうか?

「触れるだけでアレルギー症状が出ることは極めて稀ですが、皮膚炎で弱っている手で生のエビに触れたことで、手に蕁麻疹が出て赤く腫れ上がった事例はあります。傷がある状態で、エビやカニに触れることは避けた方が良さそうです」

「また、エビやカニを触った手でほかの食材を触れた場合、エキスが付着してアレルギーの原因になってしまうことがあります。エキスの付着は、見た目ではわかりにくいことが多いです。エビやカニを処理したまな板や包丁は、きちんと洗浄してからほかの食材を切るなどしましょう」

「エキスや加工品レベルでアレルギー症状が発症するかどうかは個人によって異なりますが、初めて与える場合には十分に注意するようにしましょう」

「また、アレルギーでない人がエビやカニを食べたあとに、子供が食べかすを口に入れてしまったり、知らない間に触れてしまったりする可能性もあります。エビやカニに関わらず、アレルゲンとなる食材を食べたあとは、子供を食卓から離して、なるべく速やかに清掃するようにしましょう」

触れるだけでも発症する場合があるというのは驚きです。甲殻類アレルギーが重篤な場合には、十分注意する必要がありますね。ぜひ子供に与える際の参考にしてください。

お話を聞いたのは…

  • 淵江 公美子さん(保育園管理栄養士。エスキッチン食育サポーター)

    子どもの好き嫌いを克服できる躾けるレシピ研究家として活動中。お給食の調理・献立作成、共働き家庭の作り置き・食育を行っている。生活習慣病患者様への食事相談をしてした経験から、幼少期の味覚教育の大切さを実感し、子育てママへの食事相談にものっている。

  • エスキッチン
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いこーよ編集部

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