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幼児期の「運動遊び」で運動好きな子に育てよう

2015年10月27日青柳直子

文部科学省が行っている「体力・運動能力調査」によると、子どもの体力・運動能力は昭和60年ごろから現在まで低下傾向が続いています。子どもの運動能力を適切に伸ばすにはどのような運動が効果的なんでしょうか。日本体育大学 児童スポーツ教育学部教授の時本久美子さんにお話を伺いました。

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2歳〜5歳の幼児期に伸ばすべき運動能力とは?

幼児期に身につけなければならない運動能力は、ズバリ『調整力』です。調整力とは、自分自身の位置や姿勢、周囲の変化などに対応して、バランスよく動くことができる能力のこと。つまり状況に応じて、動きの速さや強さをコントロールする力のことです」と時本さん。

この調整力を身につけるには、幼児期に1つの種目に専念するより、楽しく体を動かす「運動遊び」が大切だそう。そこで、幼児期にオススメの運動遊びをいくつか挙げてもらいました。


幼児期に必要な調整力が身につく「運動遊び」

じゃれつき遊び・くすぐり遊び

「お友達や家族とつっついたり、くすぐったり、じゃれついたり。くすぐられないようにパッとよける動きや人との距離感、相手が痛くない程度の力加減などを身につけることができます。」

おにごっこ

周りを見る力、走ったり止まったりする力など、おにごっこにはたくさんの能力が必要なんです。『高おに』や『色おに』などバリエーションが楽しめ、自分たちでルールを作ることもできます。家の中では早歩きでやるといいですよ。」

ボール遊び

「転がしたボールを追いかけることで物との距離感や走るスピードを調整する力が身につきます。転がす側の大人は転がすとみせかけて転がさない、などフェイントをかけると、子どもはより楽しく予測する力も養えます。『○秒かぞえる間に取ってきてね』などのルールを作っても楽しいですね。」

ジャングルジム

「ジャングルジムは、登ったり降りたりくぐったり、全身をバランスよく動かす力が身につくとても良い固定遊具です。調整力の中の平衡性や敏しょう性、巧緻性(こうちせい。外界の状況に応じて適切に行動し、目的を果たす能力のこと。広義には「器用さ」といわれる能力)なども身につけることができます。」

ジャングルジムなどは「危ないから」と躊躇する親御さんもいらっしゃるようですが、「危ないよ」で制限してしまうと子どもの好奇心が損なわれてしまうんだそう。

「かすり傷のひとつもしないと子どもは危なさを知ることもできません。大きなケガにつながらないよう大人がきちんと見守るというのは大前提として、ジャングルジムに限らず、少々高いところに登ったり降りたり、という活動をぜひさせてあげて欲しいと思います。」

子どもが興味を持てばスポーツ教室に通わせてもOK

親御さんに時間的な余裕がない、諸事情で子どもの運動遊びも相手が出来ないのであれば、子どもの“運動欲求”を発散させてあげる意味で、子どもが興味を持った、体操教室やスイミング教室、サッカー教室などに通わせてみるのも良いそうです。

「サッカー教室など1つの種目を習わせる場合も、ボールに慣れさせるなど導入部分をしかりと指導してくれる幼児クラスなどがある教室がよいでしょう。また、専門の先生が危険がないようきちんと配慮している体操教室であれば、日常では身につかない特殊な動きを身につけることも可能です。」


幼児期の運動で気をつける点

時本さんによれば、幼児期の子どもに運動や運動遊びをさせる際に、親が気をつけるべきことは下記3点とのこと。

  1. 幼児は集中力が長続きしません。運動遊び、スポーツ教室、いずれの場合も30分〜40分が限界と考えてください。
  2. かたよった動きではなく、いろんな動きができる遊びをさせましょう。特にマラソンなど長時間走り続けさせることは幼児の心臓に負担をかけます。持久力を身につけさせるのは心筋が発達した小学生以降でよいでしょう。
  3. なによりも『楽しく体を動かす』ことが一番大切。たくさん笑ってたくさん体を動かせばお腹もすきますし、夜もぐっすり眠ることができるはず。このような自然な遊びや活動が子どもの成長を促します。

無理せず楽しみながら運動することが大切ということですね。

小学校低学年期は運動が好きになるかどうかの分岐点

「小学生になるころには言葉の理解力が高まり、足や手の細かい動きができるようになってきます。幼児期にいろんな動きをしっかり身につけたお子さんであれば、特定の種目や競技にとりかかっていくのにふさわしい時期だと思います。」

しかし、学校での体育の授業が始まるこの時期は同時に運動を好きになるか嫌いになるかの分かれ目なのだそう。

「運動が苦手な子というのは、親御さんも運動が得意じゃない、ということが多いです。『どうせ私の子だから』と期待しないのは避けたほうがいいでしょう。というのも、生まれながらの“運動音痴”はいないんです。たとえ苦手でも親も一緒になって楽しく運動することで、少なくとも親よりも運動のできる子どもにすることは可能です。」

一緒に運動、といっても特別なことではなく、日常的に公園に行く、週末には少し遠出をし、野山を歩いたりして自然に触れることが大切と時本さん。

「例えば縄を1本もって広場にでかければ、縄飛び以外にも回したり飛ばしたり、いろんな遊びができます。近くの河川敷なんかでも土手を滑ったり転がったりすることができます。屋外で親子一緒になって走り回る。それだけでも運動への苦手意識は全然違ってくると思います。」

「運動好き」な子どもに育てるには、親の心構えが大事!

とはいえ、長年運動への苦手意識を持って暮らしてきた親は、それだけでもハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。その場合は、各種運動教室を利用して、子どもに運動させる機会を与えてあげるとよいそうです。

「うちの大学にはオリンピック選手がたくさんいますが、彼らの親御さんのすべてが優れたスポーツ選手だったわけではありません。幼児期から積極的に運動に触れさせ、子どもが『やりたい』といえば、できるだけやらせてあげる。そのような親の心構えひとつで、オリンピック選手とまではいかなくても、運動が好きで得意な子どもに育てることは十分可能です。」

今からでもすぐできる「親子の運動遊び」で、「運動が得意」とまではいかなくても、「運動好き」な子に育てることはできそうですね。

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お話を聞いたのは…

  • 時本久美子さん

    日本体育大学 児童スポーツ教育学部 児童スポーツ教育学科 教授。専門は幼児体育、幼児期の運動遊び。横浜創英大学非常勤講師、学校法人 慈光学園銀の鈴幼稚園理事、社会福祉法人 共育社用賀なのはな保育園理事、社会福祉法人にじのいえ むぎのこ保育園理事。公立・私立幼稚園、保育園等の保育者対象研修会も多数行う。平成22年には文部科学大臣 短期大学教育功労表彰。

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ライター紹介

青柳直子

ライター暦16年。神戸生まれ・育ち・在住のアラフォー世代。芸能・インタビュー、舞台・コンサートレポをメインに、子育て関連、街取材まで“守備範囲を広く”がモットー。小学1年生の長男、1歳の長女、ヨーゼフ(ハイジの犬)似の夫+猫2匹と、毎日てんやわんやな暮らしぶり。娘が歩けるようになったのを機に、家族キャンプ再デビューを計画中。

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