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【動画付】もう腐らせない! 知って得する正しい「野菜保存法」

掲載日: 2017年10月10日更新日: 2017年10月13日飯田友美

毎日の食卓に欠かせない野菜。購入後、数日しか経っていないのに、気づいたら傷んでいたという経験はありませんか? 夏場はしっかり注意している人でも、秋に入って油断してしまい、あっという間に処分ということも少なくありません。そこで今回は、野菜の正しい保存方法について、NPO日本食育インストラクター協会にお話を聞きました。冷蔵保存方法をわかりやすくまとめた動画もあります。

野菜が腐りやすいのは夏場だけじゃない!

野菜が傷んでしまう原因は?

暑い夏は食材全般が傷みやすく、野菜についても気をつけている人が多いはず。ですが、野菜が傷みやすいのは夏場に限ったことではないそうです。そもそも、なぜ野菜は傷んでしまうのでしょうか。傷んでしまう主な原因は以下の通りです。

【野菜が傷む主な原因】

  • 温度:野菜には高温に弱いものと低温に弱いものがある
  • 湿度:湿度が高く蒸れてしまうことで傷みが早くなるものが多い
  • 酸素:空気に触れて酸化することで微生物が増殖する
  • 酵素:カビや多くの微生物が増殖する
  • 光:直射日光などの光により変色して傷みが早まる

せっかく新鮮な野菜を手に入れたとしても、保管場所や保存方法を間違ってしまうとすぐに傷んでしまいます。野菜をおいしく食べるには、食べられるサイズのものを購入してすぐに食べ切ることが一番良いのですが、なかなか難しいですよね。

「野菜は『適切な環境で保存すること』が最も大切です。ペーパータオルやラップを使って菌が好む水分や酸素を遮断し、菌が繁殖できない状態で保存しましょう」

野菜の保存方法の基本は、『常温・冷蔵・冷凍』の3つです。温度変化で傷みやすい野菜ほど『冷凍>冷蔵>常温』の順で保存すると良いでしょう

このとき参考になるのは、スーパーなどの野菜売場です。常温で売られているものは家庭でも常温保存が可能、冷たい場所で売られているものは冷蔵または冷凍保存するのが良いそうです。野菜に合った「適温適所」を知って正しく保存しましょう。


野菜によってこんなに違う! 長持ちさせる保存方法&ポイントを紹介

野菜それぞれに「適温適所」があります

それではここで、家庭でよく使う野菜の保存方法とポイントを紹介します。

タマネギ

「農薬や殺菌剤が使われていることが多いので、外側の皮を丁寧に剥いて捨てます。新玉ねぎや紫玉ねぎは、丸ごとポリ袋に入れて冷蔵で保存しましょう」

【保存方法】
冷蔵:うす皮を剥き、ペーパータオルで1個ずつ包んで保存袋に入れて保存
冷凍:使いやすいサイズに切り、ラップで包んで冷凍用保存袋に入れて保存

トマト

2、3日なら常温保存が可能ですが、それを超える場合は冷蔵保存しましょう

【保存方法】
冷蔵:1個ずつラップで包み保存袋に入れ、ヘタの部分を下にして保存
冷凍:<丸ごと保存の場合>ヘタをとり、生のままラップで包み、冷凍用保存袋に入れ、ヘタの部分を下にして保存/<刻んで保存する場合>生のまま粗めにみじん切りし、冷凍用保存袋に入れて保存

モヤシ

保存にはあまり向いていない食材ですので、数日で食べ切ることが大切です」

【保存方法】
冷蔵:開封したらポリ袋に入れ、しっかりと口を閉めて冷蔵室へ入れる
冷凍:<開封した場合>水気をしっかり取り、冷凍用保存袋に入れて空気をしっかり抜いて保存/<未開封の場合>袋のまま冷凍室で保存

「たっぷりの水と一緒に保存容器に入れ、蓋をして冷蔵保存する方法もあります。このとき2日に一度水を取り換えます」

キュウリ

「むき出し保存では、すぐにしなびてしまいます。ただ、低温に弱いので、冷え過ぎに注意しましょう」

【保存方法】
冷蔵:ポリ袋に入れ、生育状態時と同じく立てて保存
冷凍:小口切りにしてから塩もみし、小分けにしてラップで包んで保存

ニラ

傷みが早いので、購入後はすぐに水揚げをしましょう。水揚げとは、茎部分を切って水に浸ける作業です。また、ニラは切ると強いにおいを放つため、すぐに保存袋に入れましょう」

【保存方法】
冷蔵:ペーパータオルで包み(長い時は半分に切る)、ポリ袋に入れて立てて保存
冷凍:食べやすい大きさに切り、冷凍用保存袋に入れて保存

「ほかにも、保存容器に入れ、ニラがかぶるくらいの水を入れて蓋をして冷蔵保存という方法もあります」

ホウレン草・小松菜

湿らせたペーパータオルで包み、ポリ袋に入れ冷蔵保存することで、新鮮さを保持できます。小松菜は、生のまま冷凍すれば、茹でなくても食べられます。小さい子どもの場合は、生食を避けたほうが良いので、加熱して(茹でて)から食べるようにしてください」

【保存方法】
冷蔵:湿らせたペーパータオルに包んで立てて保存
冷凍:<生の場合>水気をとり、ザク切りにして冷凍用保存袋に入れて保存/<かた茹でした場合>小分けにしてラップで包んで保存

水菜

根元部分に土や汚れが付いている場合は、しっかりと洗いましょう。水をはったボウルの中で水を流しながら十分ふり洗いをすると落ちます」

【保存方法】
冷蔵:カットして水にさらしてからペーパータオルで包んで保存
冷凍:生のままザク切りにして冷凍用保存袋に入れて保存

レタス

正しい保存方法で外側の葉から先に使えば、最長で3週間程度長持ちします。冷凍したレタスは生食には向きませんが、加熱調理すれば問題なしです」

【保存方法】
冷蔵:芯の切り口に小麦粉をつけ、水分が抜けるのを防ぐために芯を下にして保存
冷凍:生のままちぎり、冷凍用保存袋に入れて保存

サニーレタス

「冷蔵保存の際は、ペットボトルなどを使うと便利です。ペーパータオルが乾燥したら取り替えましょう。冷凍保存は向いていません

【保存方法】
冷蔵:湿らせたペーパータオルを根元に巻き、ポリ袋に入れ、葉先を上にして立てて保存

オクラ

かために茹でれば冷凍保存が可能ですので、使い切れず残った分は冷凍がおすすめです」

【保存方法】
冷蔵:ポリ袋に入れてヘタを下に向けて保存。低温障害を起こしやすいため、5℃以下の保存はNG
冷凍:板ずりしてから塩茹でし、冷凍用保存袋に入れて保存/茹でてから小口切りにして小分けにしてラップで包んで保存

春菊

「残留農薬が多い野菜のため、しっかりと洗うことが重要です。洗うタイミングは冷蔵の前で、水洗いをしてボウルに5分程つけておいてから冷蔵します」

【保存方法】
冷蔵:ペーパータオルや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて立てて保存
冷凍:食べやすい大きさに切ってから茹でてラップをし、冷凍用保存袋に入れて保存

▼冷蔵保存方法を動画でチェック!

ちなみに野菜ではないのですが、キノコ類が食卓によく登場する家庭も多いと思います。キノコ類は、意外と冷凍保存に向いているそうです。キノコ類は冷凍するとうま味成分を分解する酵素が働かなくなり、うま味成分が約3倍に増加します。冷凍保存するときは石づきをとり、使いやすいサイズに分けて密封袋など入れて保存しましょう。

冷蔵庫の野菜室は、冷蔵室より少し高めの温度に設定されていて、野菜の保存にちょうど良い温度だそうです。野菜室を上手に使いましょう。


冷蔵保存・冷凍保存に向いていない野菜もあるの?

保存方法の理解は食育にもなりますね

では、冷蔵保存や冷凍保存に向いていない野菜はあるのでしょうか。

「トマトやキュウリ、ナス、ピーマンなどの夏野菜は温かい状況を好むので、冷蔵庫内では温度が低すぎる場合があります」

「特に、常温で売られている夏野菜を購入後、すぐ冷蔵庫に入れると品質劣化に繋がります。ただし、真夏の常温放置は危険です。保存方法を参考にして冷蔵庫に入れてください」

タマネギやニンニクは乾燥している状態を好むため、基本的には冷蔵庫に入れずに丸ごと保存するのがいいそうです。また、どの野菜も一度包丁などでカットした場合は常温保存には向きません。冷蔵庫に保存しましょう。

「葉物野菜やジャガイモは、そのまま冷凍すると、細胞内の水分が凍って細胞が壊れ、解凍時にスカスカになったり、水っぽくなったりします。生野菜として食べるなら、冷凍しない方がいいですね」

野菜類を冷凍保存するときは、加熱処理することで鮮度をキープできるとのことです。

野菜は鮮度が落ちやすく、時間が経つと水分などが減ってしまうので、本来は保存に向かない食材です。ですが、正しい方法で保存すれば、野菜の鮮度をキープしたまま長期間保存できます。それぞれの野菜を「適温適所」で保存して、無駄なくおいしく使い切りましょう。

お話を聞いたのは…

  • NPO法人 日本食育インストラクター協会

    「健全な心身を培い豊かな人間性を育むことを図る」を目的とし、食育基本法施行の翌年(平成18年)に設立したNPO法人。「食育」の第一人者で料理評論家の服部幸應が理事長を務める。社会において活躍できる“食育”の指導者「NPO日本食育インストラクター」を養成し、資格取得者は33,000人以上にのぼる。出前授業などの食育推進活動も行う。食育の基本をまとめた書籍「食育の基本」を公式サイトにて販売中。

  • 日本食育インストラクター協会 公式サイト

ライター紹介

飯田友美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。

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