派手さはないものの、なかなか難しいイメージのある倒立(逆立ち)。小学校になると組体操で補助倒立を実施する場合もあり、小さなうちからできるようになるに越したことはありません。補助なしでバランスを取れるようになれば、注目の的になること間違いなし! 倒立の練習の仕方を、大泉スワロー体育クラブの体操主任、陰山誠さんに伺いました。
「倒立はとてもレベルが高いもの」と思っている方は多いのではないでしょうか? 腕の力も必要そうだし、体をしっかり支えられるのか心配です。何歳くらいからできるようになるのでしょう。
「支えや補助があれば、年少から年中くらいの年齢なら、筋力が足りないという理由で倒立ができないという子どもは覚えがありません。標準的な体型なら、体を支える腕の力は備わっていると思っています。ただ、小学校5〜6年生になると、体が硬いために蹴り上げる時に足が開かず、倒立できないということがあります。」
そんな話を聞くと、まだ体が柔らかいうちからできるようにしておきたいのが親心。年齢別にどれくらいまでできるようになるものでしょうか?
「個人差もありますし、練習量によっても違うので一概には言えませんが、年長でも補助なしで倒立できるお子さんは一部いますよ。ただ、静止するのは難しく、クラブ内でも小学校高学年で何人かいるという状況です。」
確かに、静止してバランスを取るのは難しそうです。ただし、幼児でも大人が補助をしたり、壁に向かうなどして逆立ちできるようになるのはさほど難しくないそうです。
「まず、年少や年中なら、腕で体を支える練習をします。腕立て伏せのような形で、台など高さのある場所に足を置き、足の位置をどんどん高くしていきます。手押し車をイメージするとわかりやすいかもしれません。手で体を支えるイメージを持つこと、逆さまの状態に慣れることが大事です。」
ある程度慣れたら、補助ありの倒立にトライ。
「次は補助ありで倒立をしてみます。この際に、最初の足を振り上げて、次の足を蹴り上げるという動作が必要になります。体ができるだけ足先の方に伸びるよう、姿勢をまっすぐにすることがポイントです。上から引っ張られているようなイメージを持つといいですよ。」

「最初は補助者が持ちながら、少しずつ支えている手の力を抜いていくようにします。」
写真提供:大泉スワロー体育クラブ
「壁に向かって倒立をしてもらい、補助者は横から補助をするとよいでしょう。膝をついてかがみ、子どもが倒立をするときには腰のあたりを支えるとようにします。最初は足も上がらないと思うので、腰を支えた後、足を持ち上げてあげます。」
組体操の補助倒立のように、子どもの正面に立って足首を持つことを想像していましたが、そうではないのですね。腰のあたりを持つなら、バランスを崩しても助けやすそうです。
「倒立をたとえば10秒やったら、足を下ろすところまで支えてあげてください。補助者を頼っているため、『終わった』と思っていきなり手の力を抜き崩れてしまう場合もあります。足から上がって、足から下りるということを教えます。」
補助ありでバランスが取れるようになってきたら、徐々に手を離します。その場合も横に膝をついてかがみ、両手を体の前後に配置して体を挟むようにして、手と体の間に距離を取ります。足や体が傾いてきたら、中心に戻すようにします。
周りの大人が、できていないところを指摘する場合に、注意すべき点があります。
「欠点を言わないことが大切です。いいところを褒めてあげます。できていないところはもちろんありますが『おなかが出ているよ』ではなく『よくできるようになったね。次は体を伸ばしてやってみようか』と言えば子どもはがんばれます。褒めてから、プラスの方向で声がけをすると効果的です。」
何にしても、ひとりでバランスが取れるようになれば、少ないスペースでいつでもどこでも自慢(!)ができます。ただし、それまでは転倒などの危険もあるので、「無理はせず、段階を踏んで、保護者のいるところで練習するようにしてください」とのこと。
何かひとつでも人よりできることがあると、子どもの大きな自信になります。倒立なら、周りのみんなよりずっと差が付くでしょう。子どもが興味を持ったら、大人はできる限りサポートしてあげたいですね。
幼児でも補助ありでできる子どもは多い

「支えや補助があれば、年少から年中くらいの年齢なら、筋力が足りないという理由で倒立ができないという子どもは覚えがありません。標準的な体型なら、体を支える腕の力は備わっていると思っています。ただ、小学校5〜6年生になると、体が硬いために蹴り上げる時に足が開かず、倒立できないということがあります。」
そんな話を聞くと、まだ体が柔らかいうちからできるようにしておきたいのが親心。年齢別にどれくらいまでできるようになるものでしょうか?
「個人差もありますし、練習量によっても違うので一概には言えませんが、年長でも補助なしで倒立できるお子さんは一部いますよ。ただ、静止するのは難しく、クラブ内でも小学校高学年で何人かいるという状況です。」
確かに、静止してバランスを取るのは難しそうです。ただし、幼児でも大人が補助をしたり、壁に向かうなどして逆立ちできるようになるのはさほど難しくないそうです。
「逆さま」に慣れるために、徐々にステップを踏んでいく
倒立を練習する際には、どんな段階を踏めばいいのでしょうか。「まず、年少や年中なら、腕で体を支える練習をします。腕立て伏せのような形で、台など高さのある場所に足を置き、足の位置をどんどん高くしていきます。手押し車をイメージするとわかりやすいかもしれません。手で体を支えるイメージを持つこと、逆さまの状態に慣れることが大事です。」
ある程度慣れたら、補助ありの倒立にトライ。
「次は補助ありで倒立をしてみます。この際に、最初の足を振り上げて、次の足を蹴り上げるという動作が必要になります。体ができるだけ足先の方に伸びるよう、姿勢をまっすぐにすることがポイントです。上から引っ張られているようなイメージを持つといいですよ。」

「最初は補助者が持ちながら、少しずつ支えている手の力を抜いていくようにします。」

写真提供:大泉スワロー体育クラブ
補助にもコツがある!危険の少ないやり方を覚えよう
自宅で練習をするなら、補助をするのは親の役目。そのときに注意することは何でしょうか。「壁に向かって倒立をしてもらい、補助者は横から補助をするとよいでしょう。膝をついてかがみ、子どもが倒立をするときには腰のあたりを支えるとようにします。最初は足も上がらないと思うので、腰を支えた後、足を持ち上げてあげます。」
組体操の補助倒立のように、子どもの正面に立って足首を持つことを想像していましたが、そうではないのですね。腰のあたりを持つなら、バランスを崩しても助けやすそうです。
「倒立をたとえば10秒やったら、足を下ろすところまで支えてあげてください。補助者を頼っているため、『終わった』と思っていきなり手の力を抜き崩れてしまう場合もあります。足から上がって、足から下りるということを教えます。」
補助ありでバランスが取れるようになってきたら、徐々に手を離します。その場合も横に膝をついてかがみ、両手を体の前後に配置して体を挟むようにして、手と体の間に距離を取ります。足や体が傾いてきたら、中心に戻すようにします。
陥りがちな間違いと、的確な声がけ
陰山さんによると「倒立は、体がまっすぐになるのが最もバランスがいい」のだそう。できない原因でよくあるのは、以下のとおり。- 支えている手と手の間を見ていない(前転のように頭を入れてしまっている)
- 足が上がらない
- おなかが出て体が反ってしまう
- 肩が前に出ている
周りの大人が、できていないところを指摘する場合に、注意すべき点があります。
「欠点を言わないことが大切です。いいところを褒めてあげます。できていないところはもちろんありますが『おなかが出ているよ』ではなく『よくできるようになったね。次は体を伸ばしてやってみようか』と言えば子どもはがんばれます。褒めてから、プラスの方向で声がけをすると効果的です。」
何にしても、ひとりでバランスが取れるようになれば、少ないスペースでいつでもどこでも自慢(!)ができます。ただし、それまでは転倒などの危険もあるので、「無理はせず、段階を踏んで、保護者のいるところで練習するようにしてください」とのこと。
何かひとつでも人よりできることがあると、子どもの大きな自信になります。倒立なら、周りのみんなよりずっと差が付くでしょう。子どもが興味を持ったら、大人はできる限りサポートしてあげたいですね。
写真提供:大泉スワロー体育クラブ